千年の読書 人生を変える本との出会い

  • 誠文堂新光社 (2022年1月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784416522080

作品紹介・あらすじ

◆推薦コメント◆
読書を愛する人は、本について語り合うのも大好きだ。三砂さんと一緒に喫茶店に行き、いろんな話をしたくなった。
――佐渡島庸平(株式会社コルク代表取締役)

本と実人生は、こんなにも近い。ひりひりするような切実と熱に驚かされた。
――平松洋子(エッセイスト)

三砂さんの読書遍歴と思考を辿りながら、みるみると自分の生きるこの瞬間が愛おしくなりました。
輝く命の連なりのなかで、僕も本を読み、言葉をつづりたい。そういう思いでいっぱいです。
――後藤正文(ミュージシャン)

◆内容紹介◆
「シェイクスピアはマーロウがいなかったら、マーロウはチョーサーがいなかったら、チョーサーは無名の詩人たちが道を拓き、生のままの粗野な言葉づかいを直していなかったら書けなかった」―ヴァージニア・ウルフ

私たちが何気なく本屋で手に取る一冊は、実は人類の悠久の歴史と地下水脈のようにつながっています。
そして私たちが千年前に書かれた『源氏物語』に共感したり感動したりできるのは、「本」というメディアが存在するからです。

本には人の人生を変えるほどの力があります。俳優を目指していた著者の友人は、サン・テグジュペリの『夜間飛行』を読み、パイロットになることを決意しました。

本書は、人気イベント兼冊子「読書の学校」発起人であり、梅田 蔦屋書店で人文コンシェルジュを務める書店員・三砂慶明氏による、とてもパーソナルで、それゆえに普遍的な、本をめぐる考察。
なぜ、本には人生を変えるほどの大きな力があるのか。
そしてどうしたらそんな本に出会うことができるのか――。
雑誌「サンガジャパン」に2016年から5年間連載した内容を凝縮し、さらに大幅に加筆しました。

「生きづらさ」「働き方」「お金」「食」「幸福」「死」といったテーマで各章を構成。
250冊を超える古今東西のおもしろい本を縦横無尽に紹介する読書エッセイ。
本を通した世界の見方、そして「人生を変える一冊」に巡り合うためのヒントを紹介します。


◆目次◆
まえがき なぜ人生には本が必要なのか
第1章 本への扉 人生を変える本との出会い
第2章 生きづらさへの処方箋 眠れない夜に読む本
第3章 新しい働き方を探す旅
第4章 「お金」から見た世界
第5章 「おいしい」は味なのか 現代の食卓と料理の起源
第6章 幸福の青い鳥 瞑想と脳と自然
第7章 本から死を考える 死の想像力
あとがき 本との出会いは人との出会い
BOOK LIST

*************************

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

本書は、読書を通じて人生を豊かにするためのヒントが詰まったエッセイです。著者が提案するテーマ別の選書は、哲学や経済、料理、死など多岐にわたり、読者に新たな視点を提供します。特に、古今の名作とその背後に...

感想・レビュー・書評

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  • すごく良質なブックガイドでした。

    私はブクログを始めて三年半になりますが、最近自分が本当に読みたい本を読んでいないような気がしていました。
    ブクログで流行の新刊の小説。
    もちろん面白いです。
    私はそれが読みたいのだと思って読んでいました。
    だけど、何かが違う。
    私とは全然違う本棚を持っていらっしゃるブク友さんの本棚が羨ましいけれど、ブク友さんと同じものを読む。それもまた少し違うような気がしていました。
    同じ時間とお金をかけて本を読むなら本当に読みたいと思う本を読みたいと思いました。
    それで、ブックガイドを読みたいと切に思い、最近発売されたこの本を手に取りました。

    この本は一書店員の方が「千年売り続けたい本」として書かれた人生のブックガイドだそうです。これからも何冊かブックガイドをあたりたいと思いますが、一冊目にしてこの本は大当たりだったと思います。

    どんな本が紹介されているか参考に私が興味を持った本だけですがメモしておきます。

    第1章本への扉 人生を変える本との出会い

    第2章生きづらさへの処方箋 眠れない夜に読む本

    第3章新しい働き方を探す旅
    『伝えたいこと』濱崎洋三
    『自分の仕事をつくる』西村佳哲
    『スモールハウス』高村友也
    『ライフ・シフト』リンダ・グラットン
             アンドリュー・スコット(積読本)
    『三行で撃つ』近藤康太郎
    『「あらすじ」だけで人生の意味が全部わかる世界の古典13』近藤康太郎
    『自分で「始めた」女たち』グレース・ボニー

    第4章「お金」から見た世界

    第5章「おいしい」は味なのか 現代の食卓と料理の起源
    『男の作法』池波正太郎
    『自由学園最高の「お食事」』

    第6章幸福の青い鳥 瞑想と脳と自然
    『心が落ち着き、集中力がグングン高まる!子どものためのマインドフルネス』キラ・ウィリー
    『脳を鍛えるには運動しかない!』ジョン・J・レイティ
                    エリック・ヘイガーマン(積読本)
    『なぜ、今仏教なのか 瞑想・マインドフルネス・悟りの科学』ロバート・ライト

    第7章本から死を考える 死の想像力
    『死ぬ瞬間』エリザベス・キューブラー・ロス
    『悲しみの秘義』若松英輔(積読本)
    『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム
    『ソフィーの選択』ウィリアム・スタイロン

    • アールグレイさん
      まことさん、こんばんは★
      遅い時間に失礼いたします。
      私は、今月ブクログ入会一年になります。読書を始めたのはもう10年程になりますが・・・・...
      まことさん、こんばんは★
      遅い時間に失礼いたします。
      私は、今月ブクログ入会一年になります。読書を始めたのはもう10年程になりますが・・・・
      もっと早くブクログに出会いたかった。
      考えてみると、前に読んだ本は乱読していたように感じます。
      レビューを100%書くのはとても良い読後感を残しておけます。
      今のところ、読みたいと思った本を読んでいきたいと思っています!(^_-)-☆
      遅い時間にごめんなさい(^-^;
      2022/02/06
    • まことさん
      ゆうママさん。おはようございます。
      いつも、コメントありがとうございます!
      そうですね、私もブクログにもっと早く出会っていればと思います...
      ゆうママさん。おはようございます。
      いつも、コメントありがとうございます!
      そうですね、私もブクログにもっと早く出会っていればと思います。
      レビューとして記録しておけば、自分の大切な財産となりますよね。
      でも、私はブクログを始めてから、自分がレビューを書けそうもない本は読まないという選択をするという困った現象も起きているのですが(^^;
      以前読んでいた、純文学系の本は全く読まなくなってしまいました。
      お互いに、読みたいと思う本をこれからも読んでいけたらいいですね。
      2022/02/07
  • こんな本書けたら良いな、と思うくらいよく纏まった書評本。

    紹介される本の充実度、博覧強記な著者、扱うテーマも哲学、瞑想、料理、経済、旅…と守備範囲広く、気合いも十分。読みたいなと思う本がまた沢山増えた事と、何より読んだ本の感想をブクログにダラダラ書いている自分自身との質の違いを感じ(まあ、こちらは仕事じゃなくて趣味なのでダラダラで良いのだが)、「この本、自分が書いた事にならないかな」と妄想するほど。

    久々に本好きのエネルギー溢れる書評本を読んだ、という満足感がある。出だしからシブい。

    ー 教養は順境にあっては飾りであり、逆境にあっては避難所であると言う。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスの言葉。アリストテレスとともにギリシャ世界は、口頭の教えより、読書の習慣へと移った。

    一点だけ、本筋ではないが著者がどんな人間?と思い、読書のノイズとなった点。「自分のコートを家族に仕舞えと言われたら、家族がしまうものだと思ってイライラしていた」コレなんだろう。亭主関白?衣替えの話?こどおじ?この一文が気になり、その後の料理してます感もすんなり頭に入らず。

    たまにある画竜点睛を欠く感じ。まあ、著者が人間的に完璧だなんて望みはしないが、何となく、素晴らしい本は素晴らしい作者だ、と信じ込みたい自分に気付いた。綺麗ごとを並べるなら、特に。

  • 良い本でした。このブクログで知ったので、あらためてブクログっていいなーと思いました。

    本書は書店員である三砂さんが、7つの章にわけた各テーマに沿って、200冊以上の書籍を紹介する読書案内エッセイというか、書評というか、読んだ本から考えたことについてのエッセイというか、とにかく、そんな本だった。
    タイトルの「千年」というのは千年前に書かれた「源氏物語」が今なお、店頭で手に取られているという事実から、読書というものの昔からの素晴らしさ、そしてこれからも素晴らしい価値を持ち続けるだろうという、読書好きならきっとわかってくれるであろう思いからつけられたのだと思う。(←長々書いておいて推測かよ。)

    数冊を取り上げてそれを深堀りしたり、強く推薦したり、というより、各テーマについて言葉をつづる中でこれまで読んだ本が次から次に出てくるといった感じ。たくさんの引用もあり、一冊一冊の紹介が端的であるがために、「あ、この本のこともっと知りたい」と思うことも度々、「前後がないと、この引用では私にはよく理解できんわ」と思うところも度々。いずれにしても、読書欲がすごくそそられる、良い本でした。せっかくなので、7つの各テーマで、私が読んだことがなくて、読みたい!と思った書籍をあげてみようと思います。

    第1章 本への扉 人生を変える本との出会い
    「人生が変わった」といえるほどの読書体験はぱっとは思い出せませんが、まさに読書とは本との出会いだな、と思います。これまで読んだ本のかけらたちが私の中にたくさん蓄積してることは間違いない。本を読んでも頭は良くならないけど、読書は「精神の駆動」である、とはいい表現ですね。
    ・「言葉の外へ」保坂和志
    ・「潜水服は蝶の夢を見る」ジャン=ドミニック・ボービー

    第2章 生きづらさへの処方箋 眠れない夜に読む本
    幸いにも自分自身が「生きづらい」と感じたことはこれまでは、ない。でもこれからあるかもしれない。そんな時に少しでも心に休息を与えてくれるような、または生きていくヒントを与えてくれるような本があればいいな、と思いました。さらに、「発達障害」と診断される人が多くなってきたことについて、社会的な変化、主に仕事の変化が影響していることに、少し驚き、なんか腹落ちしました。「そういう診断名ができたから増えたんでしょ」くらいに思っていた自分が恥ずかしい。そう診断された人たちが「生きづらい」と思わないですむような社会に変えていけないだろうか、とそんなことを思いました。
    ・「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」熊代亨
    ・「これは水です」デヴィッド・フォスター・ウォレス

    第3章 新しい働き方を探す旅
    仕事の価値を「社会的価値」で分析した調査結果が引用されていて、なぜかニヤリとしてしまいました。
    「投資銀行家:1ポンドの利益を生むごとに7ポンドの社会的価値を破壊/保育士:給与1ポンドを稼ぐたびに7~9.5ポンドの社会的価値を生み出す」
    私は自分の仕事が社会にとって必要ないとは思いませんが、自分の部署内を見回しても、3分の1は不要な仕事だし、無駄をなくし、効率良く回したら半分の人員でこと足りるんではないかと常々思っています。そしてもっと人のためになる仕事ができないだろうか、と悶々としています。社会に、人に、必要とされる仕事をしている人にもっとお金が回るようにならないかな。保育士さんや、清掃員さんなんてその典型例だと思います。
    ・「自分の仕事をつくる」西村佳哲
    ・「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」デヴィッド・グレーバー

    第4章 「お金」から見た世界
    人生お金がすべてではないけれど、あれば、選択肢が広がりますよね。ただ、あればあるほどいいわけではないし、「消費社会」が根本から見直されていることも事実ですね。
    ・「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」ヤマザキOKコンピュータ
    ・「買物絵本」五味太郎

    第5章 「おいしい」は味なのか 現代の食卓と料理の起源
    料理は苦手ですが、料理本をパラパラ見るのが大好きです。レシピだけでなく、エッセイも掲載されているような、その料理家の人となりがわかるような本が特に大好物で、常に一冊パラパラ見るようにいつでも手に取れる場所に置いています。どうにか、もう少し、料理をゆったりと、食材を慈しむようにできないかな、と悩ましいところです。
    ・「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」キャスリーン・フリン
    ・「料理が苦痛だ」本多理恵子

    第6章 幸福の青い鳥 瞑想と脳と自然
    少し前から「マインドフルネス」という言葉はよく聞いていましたが、あんまり意識していませんでした。でも、こんなにも成果があるとはっきり示されているのですね。あまりこれまで読んだことのない分野の本で、興味深い本がたくさんありましたが、ここでは「三種の神本」と三砂さんが言い切る以下をあげたい。
    ・「脳を鍛えるには運動しかない!」ジョン J.レイティ他
    ・「BORN TO RUN」クリストファー・マクドゥーガル
    ・「NATURE FIX」フローレンス・ウィリアムズ

    第7章 本から死を考える 死の想像力
    言い古された表現ですが、これは永遠のテーマですね。答えがないからこそ、たくさんの本がある。本を読んで自分なりにしっかり考えたい大事なテーマです。
    ・「ユング心理学と仏教」河合隼雄
    ・「モリー先生との火曜日」ミッチ・アルボム

    あぁ、たくさんの本を知ることができて、本当に楽しい読書でした!

  • レビューの前に自身の読書的半生「うん十年の読書」を簡単に振り返りたいと思います。
    幼稚園で先生の所作を真似するアクティビティを放棄し、そのまま部屋の隅で教室の絵本を読み出したのが本にまつわる最初の記憶です。(厳密には母に言われて「あ〜そう言えば」と思い出したものですが笑) その後ちょびちょびですが読書は続け、中2の頃司馬遼太郎の『燃えよ剣』に出会い火がつきました。しかし大学時代は勉強と部活に明け暮れ、疲労を言い訳にして(今度は)読書活動を放棄。社会人も疲労により…以下同文です。
    ステイホームの時間が増えてからようやっと再始動でき、今に至ります。


    「本は、僕たちの内部の凍結した海を砕く斧でなければならない」(カフカ)

    蔦屋書店の本コンシェルジュである著者が、出会った本を基に読書の重要性、本が生み出す奇跡を問く本書。(そうやって紹介された本の山から気になるものをリストアップするのもワクワクする作業です^ ^)

    しかし読んだ数や知識はエキスパートだろうけど何かを生み出す作家ではない、彼もまた読者の一人なんだと途中から思うようになりました。何とか新卒入社できた会社が2年目にして経営破綻。転職活動中に出会ったある一冊を支えに内定を勝ち取られたと言います。
    また本書も各章のテーマに沿った本を「一つの章を一段として、本棚一本分」紹介&軽く掘り下げるの連続で、あまり著者自身が見えてきませんでした…

    前述でいきなり読書的半生を持ち込んだのは著者の貴重な個人的体験、本に救われた体験を聞いて自分も振り返ってみようと思ったからです。だいぶ簡略化しましたが笑、どの記憶を辿っても本を手にするたびに著者同様心が浮き立っていました。

    ここ最近は、一つの事件を機に「死」についてよく考えるようになりました。著者自身も客からの問い合わせに詰まったというこのテーマは最終章で取り上げられており、これには思わず自分ものめり込みました。
    本のジャンルは医療・哲学・詩etc.と幅広く、中でも政治学者 中島岳志の『保守と立憲』の一節は心に訴えかけるものがありました。

    「死者とのコミニケーションを通じて、人間は新しい人生を生きることができる(中略)死者と一緒に、私たちは生きているのだ」

    喪失感を無理やり埋めようとしているとも捉えられそうですが「死んだら終わり」の絶望感を少しでも拭える言葉として、人生最後の日まで大切にとっておきます。
    そしてこの先本にありつけない日々が訪れても、二度と人生から読書活動を手放したりしません。凍った心の海をガンガン打ち砕き、後悔なき航海を目指します!

  • 『千年の読書』 三砂慶明著

    ①テーマ別の選書 ★★★★★★
    ※お金、死など。
    ②著者の魅力   ★★★★★
    ③本好きの世界 ★★★★★
     ------------
    【購読動機】
    読者レビューがきっかけです。
    レビューのなかに「読んでみたい1冊がちりばめられている」「本を読みたくなる理由がすっきり解釈できた」という内容がありました。
    本だけを題材にした書籍を手にしたのは、これがはじめてです。
     ------------
    【著書の魅力】
    ①タイトルの魅力
    「千年の読書」。
    このタイトルだけで、なにかな? なんで千年なのか?という好奇心がそそられませんか?

    ②選書の魅力
    著者がテーマ別に選書しています。
    読者にとってうれしいのは、選書された書籍が、どのような背景で執筆されたものなのか?また、著者自身の読者体験がどのようなものだったのか?を知ることができることです。

    ③本好きの世界の魅力
    本に携わる人の書籍ははじめてでした。

    印象は、言葉・日本語が綺麗、読みやすいというものでした。

    著者の考え方、感じ方が、読者のわたくしに対してストレートにぶつかってくる時間の連続は心地よいものでした。
     ------------
    【共感した「フレーズ」
     読んでみたい『書籍』。本書より。】

    「私たちは、千年前の本の作者や、それを読んだ人の想いに、本を通して触れることができます。」著者/三砂慶明
     
    「ホモ・サピエンス」とは、知恵の人を指す。18世紀 博物学者リンネ
     
    「本は、僕たちの内部の凍結した海を砕く斧でなければならない。そう僕は思う。」
    カフカ決定版全集 
     
    『潜水服は蝶の夢を見る』ポーピー著。障害があるため、まばたきだけで執筆を完了させる。執筆完了2日後に逝去。
     
    「本当に大切な自由というものは、(省略)無数にとるにたりない、ささやかな行いを、色気とはほど遠いところで、毎日つづけることです。」ウォレス氏
     
    「考えるっていうことは、そうした見えない枠と戦うことでもある。見えない敵と戦う。それはとても難しい。」『はじめて考えるときのように。』野矢茂樹著
     
    「学ぶことは選択肢を増やすことだ。」『サカナ・レッスン』
     
    「平凡の非凡さ」。『モーリー先生との火曜日』

  • —蔦屋の書店員、三砂さんがおすすめする本の紹介—

    軽い気持ちで手にした本書は
    最初の印象を思い切り覆した。
    これはライトなブックガイドじゃなかった。

    本書は「人生を変える本との出会い」から始まり、
    生、仕事、お金、食、瞑想を経て、最後は死について語られる。

    おすすめされる本の中には、ふだん自分から進んで手に取ろうとしない本も並ぶ。
    なぜならそれに手を出したら自分自身と向き合わないといけなくなるから。
    軽いことから重めのことまで、”これはほんとはだめなことなのかも、改めないといけない”と薄々気づいてることを突きつけられ、目をつぶって考えないようにしていたことを見せつけられた感じ。
    読んでいてとても苦しくなった。

    でもこの本を読まなければ良かった、とは思わない。
    作者は終始穏やかで平易な言葉で難解な言葉や本を紹介してくれているし、そのラインナップは多岐に渡るので、誰もが何かに興味を持てると思う。
    書店に行かずして、ピカッと輝いて見える自分のための一冊が見つかるかも。

    まずは最初の一冊から始めてみようと思う。

  • 【イベント】藤原辰史×三砂慶明『千年の読書』刊行記念イベント「本を読むとはどういうことか」 | イベント | 梅田 蔦屋書店 | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
    https://store.tsite.jp/umeda/event/humanities/24386-1521260114.html

    梅田 蔦屋書店 人文コンシェルジュ三砂慶明著  読書エッセイ『千年の読書』販売開始 -古今東西のおもしろい本250冊超を縦横無尽に紹介-|ニュース|CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
    https://www.ccc.co.jp/news/2021/20210107_002257.html

    千年の読書 | 株式会社誠文堂新光社
    https://www.seibundo-shinkosha.net/book/general/67580/

  • 心に迷いがあるときに、本屋によく通っていたことを思い出します。近くに本屋があるからと、足繁く通い詰めていた目的は、自分の悩みを解決する答えを探そうとしていたからなのだろう、と今振り返ると思います。

    本とは、それ1冊で完結するわけではなく、何冊も渡って読み続けることで、本同士を結びつけ、自分の考えとして繋がっていくものだと思います。本は他人の考えを読みながら、受け入れると同時に、自分の考えというフィルターを通じて、無意識に選抜します。
    ある人にとっての「人生のベストセラー」は、別の人にとっては「取るに足らない本」なのかもしれません。

    今回は、Honzのページで見かけて、面白そうだと思いこの本を手にとり、読んでみました。

    本に何を求めるのか。
    『読書とは第一に読んでいる精神の駆動そのもののことであって情報の蓄積や検索ではない。と言うことをたまに素晴らしい本を読むと思い出させられる。(P23)』

    冒頭からの衝撃は、なるほど確かに本を読むことで、(定義は色々あるかもしれませんが)頭がよくなったとは思えないことの理由が、クリアになりました。

    分野を横断し、さまざまな「価値観」がこの本には書かれています。人生、働き方、生きづらさ、お金について、おいしさとは何か、幸福とは何か、そして、死ぬこととは何か。

    この本の著者ほど、私はまだまだ本を読んでいませんが、読み続ければ、いつか自分に合った「言葉」を見つけられるかもしれない。そう希望を持てる1冊でした。

  • 図書館本

    一気読み。めっちゃ良かったです。
    やっぱり読書は素敵。
    たくさんの人に読んでいただきたい一冊です。

  • またまた素敵な本に出逢ってしまった。
    三砂さんのことは全然知らなかったのだが、本の語りが優しくて素敵。
    上からの目線ではなく、私たちと等身大のところから、一緒に考えていく中で様々な本を紹介してくれる。
    生きている中で私たちが経験する試練や疑問を
    それぞれのテーマごとに一緒に考えてくれる感じが素敵。
    テーマは「人生を変える本」「働き方」「生きづらさ」「お金」「食事」「瞑想と脳」「死」。
    どのテーマもおもしろいのだが、私は特に「死」のテーマが印象的だった。
    「死」という言葉が存在する以上、「死」は存在のひとつの状態をさし示すことになる。
    つまり「死」は存在形態のひとつとして、「在る」ものなのである。
    ではどういう状態で「在る」のか、というところから死後の世界の概念が生まれてくる。
    これは言語がもたらしたそもそもの錯覚なのではないだろうか。
    厳密に考えるのなら「生きている」の反対概念は「死」ではなくて、
    「生きていない」でなければならない。「生」というものが「在る」ものならば
    「生きていない」という言葉は「無」を意味するはずである。「生きている」か「生きていないか」か
    この2つのありようのどちらかなのであって、「死」という状態は想像力によってのみ想定され得る概念でしかない。

    今の自分自身にすっと寄り添ってくれるような視点、自分の中でまた一つ新しい視点が増えていく。
    いろいろな視点を知るのが本当にうれしい。
    この本は時間をあけずに再読する。
    久しぶりに日常生活の何よりも優先して読みたい本だった。
    読みたい本がものすごい増えてしまった。これもうれしくて素敵なこと。


    以下、印象に残った部分(私の感想も一部入っている)。

    傑作というのは、それのみで、孤独の中で誕生するわけではありません。
    何年もかけてみんなで考えた結果、人々が一体となって考えた結果として誕生します。
    ゆえに1つの声の背後には集団の経験があります。
    私たちが本屋で手に取る一冊が、実は人類の歴史と地下水脈のようにつながっているのです。

    書物の一冊一冊には、時の流れのなかで、
    我々が加えた解釈がこびりついています。我々はシェイクスピアをシェイクスピアが書いたようには読みません。
    したがって、我々のシェイクスピアは、書かれた当時に読まれたシェイクスピアよりもずっと豊かなんです。
    書物は読まれるために変容します。それは我々が経験してゆく出来事と同じです。
    偉大な書物はいつまでも生きていて、成長し、我々とともに手を取りますが、
    決して死にません。時と共に作品は肥沃になり、その一方で、
    面白みのない作品は歴史の傍らを滑りぬけ、消えてゆきます。
    傑作は、初めから傑作なのではなく、読まれることで傑作になっていくのです。

    悪気がなくて、想像力も欠如した人が一番おそろしいんですよ。
    僕は常日頃思っているんです。世界には冷たい雨が降り続いていて、僕達にはそれを止めるすべはない。
    でも想像力という傘があれば ― それが小さければ自分だけだけど、
    大きく広がる傘なら たくさんの人を 雨に濡らさずすむかもしれない
    「幸せのイメージ」がときに「それらを得られない人々への暴力になる」
    子どもの写真が印刷された年賀状が、送る相手によって人を傷つけてしまうことに、
    どうしてこれほど多くの人が思い至らないのか。

    貨幣はいくらかエネルギーに似ており、時間軸に沿って移動できる。
    このエネルギーはたいへん役にたつと同時にきわめて危険でもある。
    貨幣のタイムトラベルが可能なのは、まさに利子があるからだ。
    貨幣のこの性質のおかげで将来のエネルギーを今日の利益のために移転することができる。
    債務が未来から現在にエネルギーを転移できるのに対し、
    貯蓄は過去から今日にエネルギーを移転することができる。

  • この本に出会えてよかった。ブクログ ありがとう。

  • 本を開くだけで本屋さんにいる気分になれる。

    私はとある本屋さんが好きで、多い時は週に4日くらい通ってたことがある。その本屋さんに行くと、今自分にかけてほしい言葉がタイトルにあったり、今どんなことが流行っているのかが分かったり、店員さんが訪れた人のことを考えて丁寧に選書してくれているんだなぁと思う。

    この本はまさに本の中の本屋さんで、今これを手に取った人がどんな言葉がほしいかを分かってくれている感じがした。

    上手くまとめられないけど、、
    本を読むとこんなに人生が豊かになるんだって気づかしてくれる本屋さんみたいな本でした。

  • この本は、書店で見かけ、なんとなく気になったので購入しましたが、「本が好きな人が書いた本だなー」ということがよく伝わってきて、とても共感できました。
    様々なテーマについて、多くの本を引用しながら丁寧に書かれており、楽しく読めました。
    ぜひぜひ読んでみてください!

  • 書店員の読書案内だけどただの本の紹介ではない。
    テーマごとに紹介される本の話は、次の本と関連しており、世界観がどんどんと広がる感覚がありました。関連性のある本を並べて読むことで、複数の視点からより内容を深く知れる可能性を感じました。

    読んでみたい本がたくさん紹介されたので、積読がさらに増えそうです。

  • 自分で選ぶ本は、どうしてもジャンルが偏りがち。
    本書では、7つのテーマのお薦めの本が紹介されている。
    普段は読まないようなものもたくさんあったけど、本文が引用されているので内容がイメージしやすく、実際に読んでみたいと思った本がいくつもあった。
    読んでも読んでも読みたい本が増える一方で、嬉しいような困ったような…。
    三砂さんのような方と本の話が出来たら、楽しいだろうなと思った。

  • 読んでは泣いて、読んでは考えてを繰り返し、5日間かけて都度立ち止まりながらじっくりと読んだ。
    ある一文にこれまでの人生を思い巡らせられ、ある一文に自分を見つめ返す時間を与えられた。

    本を通して色んな自分に焦点を当ててあげることができる。知的好奇心を満たしてくれる本も、本屋さんや図書館にはずらりと並んでいる。
    これからの人生も、本とともに生きていきたい。

    この本を読んだことで感極まって、ここに書き記したいことが多々あるけれども、上手く言い表せそうにもないのでひとまずは心の中にしまっておこう

  • なぜ人生に本が必要なのか、そして著者が数々の本を通して得た知見をジャンルごとに記述している。
    働き方、お金、食事、幸福、死など

    ここまでたくさんの本が紹介されている本に出会ったのは初めてかもしれない。著者がどれだけ本を愛しているかがよく伝わってくる。

    本は自分の閉じた思考を可視化し、切り開いてくれる役割があると本書で述べられていたが、その通りだと思う。
    ちなみに閉じた思考とは閉鎖的な考えという意味ではなく、どんだけ広範な思考にも見えないフレームが存在するという意味である。

    私は本を読む=知らなかった知識や感情を自分のものにできることだと思っている
    それによって、自分の見えている世界の解像度が上がる
    解像度があがると想像力が鍛えられ、さらには創造力が養われる
    この「そうぞう力」は人生で最も大切なものの1つだと思っていて、だから私は本を読んでいるのかも

    ✏フランクルは、人生に何かを求めるのではなく、人生に答えを与えるのが私たちの人生なのだと語りました。幸福な人生を求めるのではなく、私たちが幸福に生きれば、人生は幸福になる。

    ✏ブッダの教えによれば、自己という概念は実態に該当しない想像上の誤った考えである。それは、「私」、「私の物」、利己主義的欲望、渇望、執着、憎しみ、悪意、うぬぼれ、傲慢、エゴイズム、不純さ、不浄さ、その他さまざまな問題を引き起こす。

    ✏物事の因果関係ではなく、世界はあるがままに見なければならない。でも、そのありのままの世界を、ありのままに受け止められなくしてしまうのが、「私」という存在なのではないかの道元は教えてくれます。

    ✏発達障害が世間に受け入れられたのは、こうした社会変化と人間のハイクオリティ化についていけない人間に対処しなければならない需要が高まったから

    ✏信頼は「贈与」の中からしか生まれない

    ✏「幸せのイメージ」がときに「それが得られない人びとへの暴力」になる

    ✏人間のあらゆる渇望、生への意欲は自由拡大の願望に尽きる。(中略)金持ちが貧乏か、有名か無名かの違いは、単に自由の差である。

  • 今まで読んだ”本の本”のなかで、最もよかった

    テーマ別に、本を参考文献のようにしながら自分の考えを展開していくスタイルは、控え目なのに芯のある主張になっている

    読書の喜びや人生を見直すきっかけを貰えた。

    そしてまた 積読がとても 増えた。

  • 恐らく普通に過ごしてたら読むことのなかった本ですが、いろんなご縁があり購入して読んでみることになりました。

    各章で様々なジャンルに触れており、正直わたしには難しくて理解しきれなかったり読むのがしんどい章もあったけれど、逆にその中で興味があるところははっきりとして、しばらく忙しかったり気分が乗らなかったりで読書から遠のいていたけれど、またいろいろと読みたいという気持ちにさてくれました。

  • 蔦屋書店内をゆっくり歩きながら本棚の本を眺めているとき、隣に書店員さんがついてくれて、一冊一冊手に取って紹介してくれるような感じでした。

    テーマごとに本棚に収められた本はゆるくつながり、ひとつの作品から次の作品へ流れるように書き連ねられています。

    「私たちが本を開いて読んでいるのは、実はそこに書かれた物語ではなく、読むことで湧き上がってくる私たち自身の心の声だということです」。

    自分の心の声を聴くための本が、まだまだたくさん残されている。この読書エッセイを読んでそう感じました。

    p45
    私のイライラの理由を言語化してみると、その原因は他人の仕事を自分がやらされているという思い込みだとわかりました。

    p56
    いまも忘れられないのは、生涯不眠に苦しんだシオランが『生誕の災厄』に書いた夜の断想です。

    ぐっすりと眠った夜は、あたかも存在しなかったかのような夜だ。私たちが眼を閉じることのなかった夜、それだけが記憶に灼きついている。夜とは、眠られぬ夜のことだ。

    私は当時、仕事がなく、家もなく、これから先どうしたらいいのかわからなくなって、眠れない日が続いていました。電気を消した部屋で、目を開けているのか閉じているのかもわからないまま、ただ天井を見ていました。不安で寝られませんでした。でも、シオランの言葉に出会うことができてはじめて、そうか、これが夜なのか、と気づかされました。

    p266
    (前略)私たちが本を開いて読んでいるのは、実はそこに書かれた物語ではなく、読むことで湧き上がってくる私たち自身の心の声だということです。

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著者プロフィール

(みさご・よしあき)
1982年生まれ。「読書室」主宰。本の執筆、企画、編集、書評を手掛ける。立ち上げから参加した梅田 蔦屋書店を経て、TSUTAYA BOOKSTORE梅田MeRISE勤務。著書に『千年の読書 人生を変える本との出会い』(誠文堂新光社)、編著書に『本屋という仕事』、奈良敏行著『町の本屋という物語 定有堂書店の43年』がある。

「2025年 『本屋のパンセ 定有堂書店で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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