アンモナイト学入門 殻の形から読み解く進化と生態

  • 誠文堂新光社 (2024年2月8日発売)
3.50
  • (5)
  • (8)
  • (5)
  • (1)
  • (3)
本棚登録 : 183
感想 : 17
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784416524169

作品紹介・あらすじ

 アンモナイトといえば、まずあの「ぐるぐる巻いた殻」を思い浮かべるのではないでしょうか。アンモナイトは日本古生物学会のシンボルマークにもなっており、小学校理科の教科書では「白亜紀末に絶滅した頭足類」「地質時代を示す示準化石の一つ」と説明されます。化石を持っている人もいるかもしれません。それなのに私たちは、アンモナイトが実際にどのように生きていたのか――何を食べ、どんなふうに成長し、どのように泳ぎ、どういった進化を遂げたかなどをあまりよく知りません。なぜなら、本体である軟体部が化石になりにくく、また生活の痕跡が地層に残りづらいことなどにより、そもそも古生態の復元が難しいからです。

 研究の進展により、その謎は徐々に明かされてきました。種ごとに食性や生息域が異なっていた可能性、雌雄で大きさが異なっていた可能性、より小さな卵をたくさん産んだ可能性……など、この10年ほどで次々と指摘されるようになってきました。本書では、「アンモナイト博士」として親しまれる著者が、アンモナイトのリアルな姿や生きざまを最新研究を交えてわかりやすく解説します。アンモナイトのことを知りたいなら、まずは手に取ってほしい一冊です。

■目次
第一章 アンモナイトのきほん
第二章 アンモナイトの進化と絶滅
第三章 アンモナイトの成長
第四章 アンモナイトの生態
第五章 アンモナイトのタフォノミー
第六章 異常巻アンモナイト
第七章 アンモナイトの復元

みんなの感想まとめ

アンモナイトという生物の多様性と進化の歴史に迫る内容が魅力的な一冊です。一般には知名度が高いものの、その実態や生態についてはあまり知られていないことが多いアンモナイト。本書では、最新の研究成果を基に、...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アンモナイトは示準化石であり、一般的な知名度も非常に高いが、思えばそれに焦点が当たることは多くないなと思う。恐竜などの巨大生物に比べ地味だからか。わかる、巨大生物はロマンだもんな…。でもアンモナイトも負けじとロマンを持っているのだ。
    本書を読んでタフォノミーや、アンモナイトが巻かれていった理由等初めて知れたことが多い。一括りにアンモナイトと言って種の数は数十万もあるというから驚いたが、何億年も続く種の系譜なのだからそれも当然ではあるかと納得する。生き物の進化は多様な経緯で成り立つが、アンモナイトひとつに絞っても、本当に多くの過程の上で多くの種が成り、時には種が絶滅し、アンモナイトそのものが途絶えたのだなぁとしみじみと感じた。

  • 「アンモナイト学入門」相場大佑著、誠文堂新光社、2024.02.15
    286p ¥2,420 C0044 (2024.05.28読了)(2024.05.24借入)
    副題「殻の形から読み解く進化と生態」
    ◆講演会
    「アンモナイトの古生物学×大船渡市の古生物学」
    ・基調講演「アンモナイトの古生物学」講師:相場大佑氏
    ・「大船渡市の魅力~化石発見地の視点から」講師:古澤明輝氏
    ・相場講師と古澤主任学芸員のセッション
     ~テーマ「大船渡市のイチオシ化石」
    日時:令和6年5月11日(土)10時~12時
    会場:大船渡市民仏花会館リアスホール

    上記の講演会を聞いたので、講師の著書を読んでみました。

    アンモナイトについて現在までに分かっていることをまとめた本です。
    アンモナイトは、イカやタコに近い生き物である。(3頁)
    アンモナイトは、三億年という非常に長期間にわたって地球上に生存し、その殻は実に様々に進化した。これまでに発見された数は一万種以上ともいわれている。(4頁)
    アンモナイトは、どのように移動していたのかについて、ロボットを作って実験した人たちがいたというのには、驚かされました。研究にはいろんなアプローチがあるんですね。
    アンモナイトというとカタツムリみたいな殻をもっているのをイメージしますが、中生代白亜紀には、「異常巻アンモナイト」というのが大量に発生しています。病気じゃないかと思ってしまいますが、そうではなさそうです。
    アンモナイトの仲間のオウムガイが現在も生き残っています。なぜオウムガイが生き残り、アンモナイトが絶滅したのでしょう。生息環境が関係しているのではないかと、推測しているようです。
    アンモナイトの殻は、化石として残っていますが、脚や頭の部分は、腐ってしまうために化石としてはほとんど残っていません、脚が何本あったのかも不明ということです。10本じゃないかと推測されているようです。(238頁)

    【目次】
    はじめに
    第一章 アンモナイトのきほん
    第二章 アンモナイトの進化と絶滅
    第三章 アンモナイトの成長
    第四章 アンモナイトの生態
    第五章 アンモナイトのタフォノミー
    第六章 異常巻アンモナイト
    第七章 アンモナイトの復元
    おわりに
    参考文献・図版クレジット

    ☆関連図書(既読)
    「ワンダフル・ライフ」スティーヴン・ジェイ・グールド著・渡辺政隆訳、ハヤカワ文庫、2000.03.31
    「カンブリア爆発の謎」宇佐美義之著、技術評論社、2008.04.25
    「種の起原」チャールズ・ダーウィン著・堀伸夫・堀大才訳、朝倉書店、2009.05.10
    「失われた化石記録」J.ウィリアム・ショップ著・阿部勝巳訳、講談社現代新書、1998.03.20
    「NHKスペシャル 生命大躍進」生命大躍進制作班著、NHK出版、2015.07.10
    「恐竜まみれ」小林快次著、新潮社、2019.06.25
    (アマゾンより)
    アンモナイトといえば、まずあの「ぐるぐる巻いた殻」を思い浮かべるのではないでしょうか。アンモナイトは日本古生物学会のシンボルマークにもなっており、小学校理科の教科書では「白亜紀末に絶滅した頭足類」「地質時代を示す示準化石の一つ」と説明されます。化石を持っている人もいるかもしれません。それなのに私たちは、アンモナイトが実際にどのように生きていたのか――何を食べ、どんなふうに成長し、どのように泳ぎ、どういった進化を遂げたかなどをあまりよく知りません。なぜなら、本体である軟体部が化石になりにくく、また生活の痕跡が地層に残りづらいことなどにより、そもそも古生態の復元が難しいからです。
    研究の進展により、その謎は徐々に明かされてきました。種ごとに食性や生息域が異なっていた可能性、雌雄で大きさが異なっていた可能性、より小さな卵をたくさん産んだ可能性……など、この10年ほどで次々と指摘されるようになってきました。本書では、「アンモナイト博士」として親しまれる著者が、アンモナイトのリアルな姿や生きざまを最新研究を交えてわかりやすく解説します。アンモナイトのことを知りたいなら、まずは手に取ってほしい一冊です。

  • 誰もが名前を知るアンモナイトには興味深い話題が無数にある。なぜ渦巻きなのか、なぜ多様な形態をしていたのか、生態は?その1つ一つを最新の学説と照らし合わせ分かりやすい言葉で解説。日本で見つかる異常巻の謎も気になる。生物の生態や古生物に興味がある方はぜひ。

  • 入門ということはなく、研究史から最新の成果まで幅広く紹介されていてマニアをも満足させるアンモナイト本。専門的な内容も分かりやすく解説。軟体部分や卵、顎器、歯舌、糞(と思われるもの)などの化石も報告されていたとは知らなかった。化石をもとに生態や復元を試みる試行錯誤はまさに科学の醍醐味。やはり同じ現生の頭足類が非常に参考になる。さっそく自分の愛蔵アンモナイトを新たな知識をもとに観察してみよう

  • 博物館に行くと見る機会のあるアンモナイト。




    アンモナイトについて知っていることはほとんどない。




    貝かと思ったら、イカやタコと同じ頭足類の仲間だった。




    「アンモナイト」の名前をたどると、意外な所にたどり着く。





    それは、古代エジプト神話の太陽神であり、大気の守護神、豊穣神であるアメン(ギリシア語ではアモン)だった。





    アンモナイトとオウムガイは、似た構造をもつ外殻性頭足類だが、繁殖戦略に違いがあったと著者は指摘している。





    アンモナイトは、小卵多産型。その一方でオウムガイは、大卵少産型。




    オウムガイの赤ちゃんは自発的に泳ぐことができる。




    その上、母親由来の卵黄を食べ尽くしたあとは、プランクトンに限らず海底に落ちるものエサは何でも食べる雑食だったので、オウムガイは今まで生き残ってきた。




    この他にもいろいろ興味深いことが載っている。

  • 軟体部や腕など残らない部分により全然わからない部分もあれば、殻の物理構造や破損状況などから結構わかる部分もある!
    3Dデータを扱う技術やロボットの発達で本来不明だったアンモナイトの動きや生活の一端が見えるようになってきたのはとても面白い
    死後の殻の様子から、生態系内での様々な役割についても思いを馳せられる

  • アンモナイトの進化の過程には、およそ5億4000万年前の古生代カンブリア紀に地球史上はじめて生き物の体に眼ができたことで、眼で獲物を見て襲う食う・食われるの関係がはじまったことにより、攻撃と防御の応酬で進化が加速したとされている。カンブリア爆発と呼ばれる現象とアンモナイトの進化が関係していることに驚いた。

    波打った隔壁との交わり部分にできる模様は「縫合線」と呼ばれるが、この模様は進化の中で複雑化した。この傾向は古くから認識されていたが、1992年に、ペンシルベニア大学(アメリカ)のジョージ・ボヤジアンとウエスト・チェスター大学(アメリカ)のティム・ラッツにより定量化され、改めて明らかなパターンが示されている。古生代のゴニアタイト類の縫合線には、細かい刻みがなく、大きな大と谷のみである。中生代三畳紀のセラタイト類の縫合線は、波の数が増え、谷の部分には細かい刻みが見られる。中生代ジュラ紀以降の狭義のアンモナイト類の縫合線は、山にも谷にも細かい刻みがかなり増え、菊の葉を思わせるような模様を作り出している。

    アンモナイトは進化が速いため、地層の時代を判断する示準化石として重宝され、特に縫合線は殻が剥がれている部分で容易に観察することができるので、地層の研究においても非常に役立つ。

    タフォノミー:死んでから化石になるまでの過程を推測する、化石生物の死後を考える学問

    保存状態の悪い大型のアンモナイトは、半分は潰れたり殻がなくなったりしているので、オールドファッションがイメージに近い。

    #読書 #読書が好きな人とつながりたい #アンモナイト学入門 #相場大佑 #誠文堂新光社

  • 入門と銘打っているが、アンモナイトに関するエトセトラが充実。学問の歴史、生態、構造、進化、現性頭足類との比較…など幅広い。

    読了45分

  • アンモナイトはタコ・イカと同じ頭足類。
    アンモナイトは研究し尽くされていると勝手に思っていたが、そうではなかった。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/502625219.html

全11件中 1 - 11件を表示

著者プロフィール

相場大佑(あいば・だいすけ)
1989年東京都生まれ。2017年横浜国立大学大学院環境情報学府修了。博士(学術)。2015年より三笠市立博物館(北海道)、現在主任研究員。中生代白亜紀末に絶滅した軟体動物アンモナイトの進化や生態を研究している。アンモナイトの"本体の化石"を見つけるのが夢。博物館学芸員として担当した展示会に、巡回展『ポケモン化石博物館』(2021年~、企画・総合監修)など。

「2023年 『化石図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

相場大佑の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×