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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784416613337
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日本の絞り染めの技法や、その歴史(主に豊後から始まり、有松、そして秋田への変遷がメインで、他の土地の歴史は語られていない)を紹介した一冊だ。
正直なところ、技法は専門家ではない自分が読んでいても「なるほど、こういう風に絞るとこういう模様になるのか」という感想しかないのだけれど、多くの技法があること、どの模様も美しいこと、そして江戸時代の着物などをはじめとした名品の写真が素晴らしいこと、が読んでいて楽しい気持ちにしてくれる。
まだ解明されていない消えてしまった昔の技法がたくさんあるだろうことや、自分にはよくわからない技法の写真図解がどれだけ貴重な資料なのか、というのが読んでいくうちにわかってきて面白い。
写真だけではなく、掲載されている論考も非常に興味深い。
豊後(現在の大分県)の名産だった『豆絞り』がおそらく名古屋城築城の際に豊後の人間が多く名古屋へ行ったことをきっかけに「有松」「鳴海」に伝わって、そこでの呼び名は『豊後絞り』となり(三浦氏が伝えた、という由来から『ミウラ絞り』と呼ぶこともあるらしい)、さらには北前船の影響でか秋田の浅舞に伝わり、そこでは『ナルミ絞り』と呼ばれるようになった、という、その伝播の面白さ。
(ちなみに江戸では貝のむき身が並んでいるように見えるため『ムキミ絞り』と呼ばれていたらしい)
一番最初の発生地であった豊後ではもはや絞りの文化は消えてしまい、一時期別府で温泉地の土産物として『別府絞り』として名を馳せた、というエピソードも、昔の写真などと一緒に紹介されていて楽しい。
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