宇治抹茶問屋4代目が教える お抹茶のすべて: 歴史・種類・おいしい点て方、上手な選び方からスイーツレシピまで

  • 誠文堂新光社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416615300

作品紹介・あらすじ

抹茶(碾茶:てんちゃ)は茶道にはなくてはならないもので、スイーツや飲料などにも広く使われ一般的にも人気となっていますが、抹茶についてその長い歴史や製法、効能などについて解説された類書(商業出版)は1冊もありません。抹茶関連の書籍はお菓子のレシピ本か、茶道、茶の湯でわずかに種類やお茶の点て方について解説したものだけです。唯一“お抹茶”の解説本としての本書では、“お抹茶とは何か”という定義から生産地、栽培、製造過程・加工法、南北朝時代から現代まで連綿と続く歴史、おいしい点て方、練り方、茶を飲み比べる趣向の遊び「闘茶」「茶講」、さらには茶用語の解説まで、抹茶について知られていない事柄をわかりやすく解説します。抹茶がもっとも身近にある茶道をたしなむ人から抹茶好きな一般の方まで――ぜひおすすめしたい、“お抹茶”がまるごとわかる1冊です。☆点て方で味に違いが出る、ひと缶1,000円の抹茶がおすすめ/抹茶を扱う市場は全国で一か所だけ?/飲んでおいしい抹茶の点て方(自分勝手流)/葉売りと挽売りの違いとは?/ハーゲンダッツショックって何? “お抹茶”発祥の地、京都宇治の抹茶問屋4代目が長年の研究を経て得た独自の視点から、詳しく解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 近年は、抹茶の生産量がかつてないほど増大しているそうだ。
    茶事など行われることは少なくなってきているだろうに、と思えば、スターバックスやハーゲンダッツが「抹茶味」の人気商品をこぞって売り出した、ということが影響しているらしい。なるほど、確かに、コンビニでも洋菓子店でも「抹茶」味、というのはよく目にする。

    しかしそれらに使われる工業用抹茶は本来の意味での抹茶とは別の種、製法で製造されていて、点てて飲む抹茶とはまったくの別物であるらしい。これまたなるほど。
    確かに、点てるのに利用する抹茶の価格でアイスやパフェを作っていたら、原価あわないもんな。

    近年の抹茶ブームを受けて、以前は限られた土地でのみ作られていた「抹茶」を作る地域が増えていることや、栽培方法、品種の違いなど、さすが抹茶問屋が監修しているだけあって、語られる内容が業界話で興味深い。

    超ベテランはお茶の色を見ずとも香りだけでわかる、とか、コラムのこぼれ話も、へえ、というものが多く、三分の一くらい専門書チックな内容ではあるのだけれど、面白く読んだ。

    しかし衝撃的だったのは、この本で紹介されている薄茶の点て方。最初に極々少量の水で練ってからお湯を足す、って、他で紹介されているのを見たことのないやり方だ。お作法的にはなし、だと思うけれど、この方がおいしいんだろうか。今度やってみよう。

  • かなりら細かく抹茶のことが書いてあります!
    抹茶のちゃんとした淹れ方が書いてあるのでとてもよいです。

    中古本がとても高値なので、図書館で借りましょう!

  • 【最終レビュー】

    図書館貸出。

    ※雑誌:ダ・ヴィンチ・17.6号(P.78)

    〈今月のテーマ・飲んでよし!読んでよし!日本茶を読む本〉

    第5位の著書。

    今のタイミングで、ちょうど読むのに良かったと思っています。

    『映画館鑑賞作品:花戦さ』の鑑賞後だからこそ…

    千利休のエピソードが、物語の流れを操るかのように感じていたからです。

    ◇目次

    *第1章:抹茶の基本

    *第2章:抹茶ができるまで

    *第3章:京都における抹茶の歴史と推移

    *第4章:抹茶をおいしくいただく

    *第5章:抹茶の成分と栄養素

    *第6章:抹茶よもやま話

    付録:抹茶用語事典

    簡単に言えば

    抹茶という言葉のみのひとくくりではないということ。

    人そのものと置換てみても、十分しっくりくるのではと、既読後、頷けるものを自分の中で感じていました。

    〈個性豊かな抹茶の原料となる品種・品質の数々〉

    〈抹茶にまつわる文献・由来。歴史観が漂う中、時代の流れによる『変化・仕組みの数々』〉

    〈手摘みと機械化〉

    両方の『程よいバランスがある』からこその『味わい深い空間のよさ』

    〈抹茶の原料の土台となる、極めて重要な『三拍子』『四拍子』とは…〉

    〈抹茶を通して、独特で風情がある『お遊び・勝負事』に関する『時代の変遷』〉

    〈栄養素抜群の要素満載〉

    こういった

    〈きめ細やかさがある光景が交錯している〉からこそ

    抹茶という品そのものが成り立っていること。

    初めて見知った内容が圧倒的に多かった。至ってそれだけです…

    ただ、その分、新鮮さを覚えながら

    『言葉そのものから伝わる「心地いい響き」』も感じていました。

    [『葉緑素』『摘み娘(つみこ)』といった音色のいい言葉]

    後、印象的だったのが

    [~したら、どうなるかを考え買うこと]

    現実味も同時にしっかりと心がけ
    てることも。

    〈究極かつ奥行きのある世界観がこうしてあること〉

    ありありと、自分のなかで感じ入っていました。

  • 目次:はじめに、第1章 抹茶の基本、第2章 抹茶ができるまで、第3章 京都における抹茶の歴史と推移、第4章 抹茶をおいしくいただく、第5章 抹茶の成分と栄養素、第6章 抹茶よもやま話、付録 抹茶用語辞典、コラム…他

  • 作法はともかくお抹茶がすきなので手が伸びた。
    かなり専門的な内容も多く含む。
    レシピ的なパートが厳選されて収録されていて、お抹茶ビギナーにはそこがお役立ちかな、と。

  • 具体的な資料、数字を用いた書き出しに期待が膨らみましたが、読み進めるに従い、どんどん期待はしぼんでいきました。
    「すべて」と銘打っていますが、ほぼ京都のことしか書かれていません。これで「すべて」な世界なんでしょうか。

    また、値段の割に厚さも薄いのに、「第6章 抹茶よもやま話」は前半と内容がかぶっています。

  • お抹茶について

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著者プロフィール

1912年創業の明治時代から続く老舗出版社で、大正年間から刊行する「MJ無線と実験」「子供の科学」「農耕と園芸」の3誌をはじめ、「アイデア」「天文ガイド」「フローリスト」など大変息の長い雑誌が多いのが特徴です。出発は書籍の文芸書でしたが、その後、実用や科学、農業や花、デザイン、商業、広告、ペットなど、雑誌を中心に多種多様なジャンルを刊行し続けてきました。近年は、料理や手芸などの実用系書籍も多数刊行しています。

「2021年 『復刻版 日米會話手帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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