「ユマニチュード」という革命 なぜ、このケアで認知症高齢者と心が通うのか
- 誠文堂新光社 (2016年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784416616819
作品紹介・あらすじ
「介護する側もされる側も、
どれほど多くの人々の心に
希望の光が灯ることでしょう」
――エッセイスト 阿川佐和子
(「週刊文春」2016年8月4日号
<阿川佐和子のこの人に会いたい>より)
―「優しい心」は「優れた技法」に宿る。そしてそれは誰もが体得できるものである。―
寝たままの姿勢で行う清拭は、「寝たきり」を助長してしまっていないだろうか?
入浴を嫌がるのは、本当にその人自身に問題があるのだろうか?
徘徊は転倒の危険性があるから、身体拘束や向精神薬の投与はやむを得ないのか?
私たちが良かれと思って行っているケアは、高齢者の健康維持を害してしまっているのかもしれません。
人が人に寄り添う病院やホームなどのケアの現場では、こうした「哲学」ともいえる問いが不可欠なのです。
フランスで生み出された、認知症高齢者が穏やかな人生を取り戻すケア技法「ユマニチュード」。
本書は、その考え方と技法の実践を開発者自らが語り下ろした本です。
・攻撃的、徘徊などの問題行動が減った。
・身体拘束や向精神薬の量が減少した。
・適切なケアレベルの設定により、患者が寝たきりになることがなくなった。
・スタッフや家族の負担も軽減。専門職の離職率が大幅に改善した。
「ユマニチュード」を導入した施設では、こういった「魔法のような」症例が数多く報告されています。
フランスでは400以上の病院やケアホームで導入され、すでに日本を含め数か国で実践されています。
この技法は、「顔の正面から同じ高さで目を合わせる」「何をしているか実況するように伝える」「腕を上からつかまず、必ず下から支える」などの確立された具体的な技術と、「ケアする人とは何か」「人とは何か」という哲学から成り立ちます。
本書では、なぜユマニチュードが生みだされたか、また、ケアにおいて「なぜそうすべきなのか」「なぜその方法に効果があるのか」という根拠をやさしく丁寧にひも解いていきます。
介護・医療の現場、そして認知症高齢者のいる家庭にて、誰もが実践できるケア技法の本質を、技法の開発者本人の体験や、患者さんのエピソードを交えて紹介していきます。
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感想・レビュー・書評
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“ユマニチュードは人間性を取り戻すための哲学です。誰かをもの扱いするとき、そうしている人もまた人間性を失います。相手から人として認められ、自分も相手を人として認識する。それがユマニチュードの理念であり、そこに価値があるのです。“
ユマニチュードの4つの柱、見る、話す、触れる、立つ、「あなたのことを大切に思っている」と伝えるための技術。“立って歩くことは知性の根幹であり、人間であることの尊厳を自覚する手段でもある。“
読んでいて自分の考えが肯定された部分と、常識と思っていたことが根底から覆されるような衝撃を感じる記述もありました。正直、常に業務過多な看護や介護の現場で全ての認知症の方たちにこのようなケアが実践できるかの疑問(その人の自由を尊重したい気持ちはあっても、実際は施設の流れに取り込ませてもらうしかないなど)は残りますが、この本に書かれていること全てがとても説得力を持っているし、自分もこのようにケアしたいしされたいと思いました。できないと諦めるのではなくて、臨床のプロフェッショナルたちはみな、そこに近づけていく努力が必要だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4年前に読んだが研修デザインのインプットとして再読。欲求段階説をここまでこき下ろしていたっけ? すっかり忘れてた。この考え方に至るまで歴史的背景と著者らの実践、人間をどう理解、認識するかなど、わかりやすく述べられている。医療・介護従事者は読んでおいて損はない一冊。
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人をモノや家畜のように扱わないで下さい。と言われれば、そんなこと当たり前じゃないかと当然思う。しかし、相手が痴呆の老人であったり、障がいを持った人だったりすると、無意識にそうしてしまっている。恐ろしい。目の前の相手を唯一無二のかけがえのない存在として受け止めれるよう精進したい。
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ナイチンゲールに続く私の看護のバイブルです。
今まで人間対人間 優しさ、丁寧さの気持ちで行ってきた行動に根拠を持たせてくれた本です。
ただの時間の無駄、仕事の非効率化と言われてきた私の善意がちゃんと科学的に意味のあることだったと証明してくれた本書にとても感謝しています。
認知症高齢者の看護に少しでも違和感を感じている方全員に読んで欲しい。
どんな看護師にも1度は読んで頂きたい本です。
学生や看護師を志した頃のピュアな感情が蘇って来ると思います。 -
配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://opac.shigakukan.ac.jp/opac/volume/343838 -
491.1||Ma16
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ユマニチュードの歴史、哲学、技術が良く理解でき
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【鹿大図書館の所蔵情報】
https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB21843825
【選書ツアーコメント】
「『あなたは私と同じ価値をもっています』と伝える哲学と技術」
認知症患者のケアの分野で話題になったユマニチュードについて提唱者が語る本です。ユマニチュードとは相手を人間らしく介護する方法論で、介護の方法だけでなくコミュニケーションのあり方の見なおしを迫るものです。感情やまなざしも大切にするユマニチュードの技法は、介護の場面に限らずあらゆる人との関わり方について考えさせられます。 -
ユマニチュードのマインドは医療福祉に従事する人は持っておくべきだけど、このマインドだけで医療福祉に関わっていくことは危険だと思います。
ユマニチュードを構成する一つ一つから何を実践すべきかどうかを他の思想や科学的根拠をベースに吟味していくことが必要だと感じました。
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内容を評価する以前に、不可解な点が多く残っている。
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ダマシオ『デカルトの誤り』からヒントを得たユマニチュードというアプローチについての解説書。
認知症における「認知」の書籍にもかかわらず見当識などにはほとんど触れることなく「人に対しての認知」という社会的な認知を中心とした、新しい(そしておそらく正しい)アプローチを解説する入門書。
「恐れ」という「感じ」の取り扱いについての記述とアプローチが素晴らしい。まず「何を恐れているのか」というあたりをきちんと理解していない状態にあることに問題があることや「人間とは何か」という問いへの思考が必要であることなどを説く。
かなり突っ込んだ内容ながら下らないケア本のような自己満足的な胡散臭さはない。「コレは違う」という感じがしないので読みやすく感動的。
あと、ダマシオの『デカルトの誤り』は読んだ気になってたのだけど、よく調べたら読んだのは『よみがえるスピノザ』の方だった。うーんタイトル似てると思ったけど全然似てないよな。 -
認知症ケアに関わる人すべてにユマニチュードという「人間らしさを取り戻す」ケアの本質を理解してほしい。
※本学学生はOPAC経由で電子版を閲覧できます。 -
URL:https://mol.medicalonline.jp/library/ebooks/detail/?id=4450
*学外からは「学認」をご利用ください(利用方法↓)
http://www.shiga-med.ac.jp/library/support/manual/gakunin_mol.pdf -
自分は医療や介護の従事者ではないです。具体的なケアの方法よりユマニチュードの哲学について丁寧に書かれており “人間の尊厳” とは何かという観点から興味を持ち読みました。
なかなか刺激的な内容で、感動と受けとめきれない複雑な感情とでいっぱいになっています。感想を書くのが難しいです。 -
N680
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素晴らしい本だった。
わかりやすい哲学書のようなものだ。
みんなに読んでもらいたい。特に、介護士や、医師、看護師、医療従事者。
2017.3.7. -
「ユマニチュード入門」から、さらに立ち入った内容。
実例を多く紹介しながら、ユマニチュードの中でめざす本質的な部分に論を進めていて非常に理解しやすかった。
自由と自律が人間にとって不可欠であること
ヘンダーソンの理論、マズローの法則への対峙
権力の存在とそこから解放されること
「哲学的な距離」をとるということ
ケアをする人とはどうあるべきか レベル1/2/3
プロフェッショナルとは何か
患者中心のケアとは
人としての特徴を考慮したケアとは
といったテーマに答えてくれる -
著者プロフィール
イヴ・ジネストの作品
