「ユマニチュード」という革命: なぜ、このケアで認知症高齢者と心が通うのか
- 誠文堂新光社 (2016年8月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784416616819
感想・レビュー・書評
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4年前に読んだが研修デザインのインプットとして再読。欲求段階説をここまでこき下ろしていたっけ? すっかり忘れてた。この考え方に至るまで歴史的背景と著者らの実践、人間をどう理解、認識するかなど、わかりやすく述べられている。医療・介護従事者は読んでおいて損はない一冊。
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これ、社会人3年目に読んだかな。たしか。
当時のわたしにとっては霹靂的理論の発見に感動した。
著者ロゼットさんによる認知症ケアの模範的問題行動の対処として、とても根拠に基づいた革命的支援術に思われたが、ユマニチュードとは、ひと言で言えば、その人らしさを尊重して、認知症の方々の世界観を受容して内から沸き起こるエンパワーメントやその人自身の意欲を引き出す効果を体系的にまとめたものだったと記憶している。
けれど現場の意見からすると、あくまで基本的な対人スキルとして参考にしたい要素はたくさんあるけれど、認知症だからみんなにこの法則が合うとは限らない。相手はひとであり、病気でも症例でもなく唯一無二のバッググランドを持った、病気になるまでの経験があるから、
ユマニチュードの理論を実践することが先行して一人ひとりの個性を見ることをおざなりにしてしまうのは本末転倒だと経験から実感。
参考程度に知識に入れておき、その人に合わせて丁寧にヒアリング、生活歴を聴き、個別のカルテ、ケアプランを実践していくこと。
双方が互いに機能し合ってこそ、ユマニチュードが生きてくるんだろなぁと思いました。
こんなケア技術もあるのか!という介護現場初任者には早いうちに一度は読んでおきたいバイブルと言えるかもしれない。