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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784416618684
作品紹介・あらすじ
日本語組版を設計するためには、ルールや方針の背景にある構造と原理を理解することが必要です。
本書では組版を「覚えるべき慣習的なルール」ではなく、組版を形成する要素とその属性の
組み合わせによるプログラムとして整理。
日本語の記述システムや組版の技術的構造を踏まえたうえで、印刷からオンスクリーンまで
あらゆる場面に対応する考え方を解説します。
本書ではさらに、組版とページ版面、使用する書体のデザインそれぞれの関係性についても
分析・考察。
日本語情報処理を越えたトータルな日本語タイポグラフィへの視点も提示します。
巻末には現場的なニーズにもすぐに対応できるAdobe InDesign CCの設定例一覧も収録。
従来のルールブックの枠組をアップデートし、これからのスタンダードとなる一冊です。
■目次
まえがき
1章:日本語表記の特徴
2章:組版とは何か
3章:組版面を決定する属性の種類と関係
4章:基準点と方向属性
5章:揃えに関係する属性
6章:行内の配置
7章:禁則と分離禁止
8章:段落と版面の属性
9章:行頭と行末の配置
10章:版面の調整処理
11章:頁デザインと組版
12章:活字デザインと組版
付録:Adobe InDesign CC の組版設定
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感想・レビュー・書評
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日本語組版における諸々のパラメータを決定的に定める方法を明文化している。ただ、コンピュータサイエンスに携わる者としては、タイトルの「アルゴリズム」という言葉は違和感がある。
本書をよく読んでいくと、その方法の中には、組版を行う人間の意図によって決定するパラメータが多く含まれており、また、出力となる組版をどういう印象にしたいか、という感覚的な目標から曖昧に決定されるパラメータも少なくない。
コンピュータサイエンスでの「アルゴリズム」は、計算手順とともに、アルゴリズムの入力と出力が明確に定義されている必要がある。また、計算手順の途中で何らかのパラメータが必要になる場合は、そのパラメータを決定する要因も入力とする。
この観点からすると、本書の内容を「アルゴリズム」というのは違和感があり、コンピュータサイエンス的には「ルールベース」あるいは「エクスパートシステム」というのが適切なように思われる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【書誌情報】
日本語組版入門――その構造とアルゴリズム
著者: 向井 裕一
出版社:誠文堂新光社
判型:A5変(縦225mm×横147mm)
ページ数:208
定価:2,750円(税込)
発売日:2018年06月08日
ISBN:978-4-416-61868-4
日本語組版を設計するためには、ルールや方針の背景にある構造と原理を理解することが必要です。
本書では組版を「覚えるべき慣習的なルール」ではなく、組版を形成する要素とその属性の組み合わせによるプログラムとして整理。
日本語の記述システムや組版の技術的構造を踏まえたうえで、印刷からオンスクリーンまであらゆる場面に対応する考え方を解説します。
[著者]
向井 裕一(ムカイ ヒロカズ)
1957年大阪生まれ。デザイナー。グラフィックデザイン、デジタル・パブリケーションに関連する企画・編集・デザインを手がける。著書に『日本語組版の考え方』(誠文堂新光社)、共著に『香港―多層都市』(東方書店)、編著に『基本 日本語活字集成OpenType版』(誠文堂新光社)。
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/20702/ -
日本語組版入門: その構造とアルゴリズム
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日本語組版は、DTPソフトの普及により、金属活字の技術が途絶えてしまった。
DTPソフトの進歩により金属活字で培った技術が再現できるようになったが、一度途絶えた組版実践のノウハウは失われたままである。
本書では「日本語組版の考え方や手順は、アルゴリズムあるいはプロトコルとして捉えることができ」るという観点から「日本語組版の考え方、問題解決の手順とその根拠を定式化しようという発想からつくられている。
日本語組版ということで、「縦・ベタ組み・均等配置」を基本として記述されていることには留意が必要。
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