図解でよくわかる 核融合エネルギーのきほん 世界が変わる夢のエネルギーのしくみから、環境・ビジネス・教育との関わりや将来像まで

  • 誠文堂新光社 (2021年1月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (168ページ) / ISBN・EAN: 9784416620564

作品紹介・あらすじ

海水から水素を取り出し、核融合反応によりヘリウムに変えることにより得られる莫大かつクリーンなエネルギーが、核融合エネルギーです。
核融合エネルギーが実現化することで、私たちの生活が大きく変わり、環境問題にもたいへん大きなインパクトを与えることができます。
「核」と名の付くことから危険なイメージを持たれますが、ウラン等を使う核分裂炉に比べて安全性も高く、かつ宇宙時代の惑星間航行など、将来の技術革新には欠かせない技術であることから、2050年の運用を目指して、世界の研究機関で協力しながら、あるいは野心的なベンチャー企業によって、開発が進められてします。

本書は、核融合という言葉は知っていても、どのようなものか具体的には知らない人、またエネルギー問題に興味のある人、将来の研究者およびその教育者、ビジネスチャンスを狙う人など、多くの人に読んでいただけるよう、様々な方面から核融合エネルギーについて解説します。

■目次
No.1 核融合実験炉ITER の建設
No.2 核融合実験炉ITER 完成時の透過図
No.3 2020 年3 月に量子科学技術研究開発機構・那珂核融合研究所に完成した、日本の超伝導核融合実験装置 JT-60SA
No.4 自然科学研究機構・核融合科学研究所(土岐市)の超伝導核融合実験装置 LHD
No.5 大阪大学レーザー科学研究所の大型レーザー設備、激光Ⅻ号とLFEX レーザー
はじめに

第1章 核融合エネルギーとはなにか?
第2章 核融合エネルギー実現のために必要なこと
第3章 核融合エネルギーの安全と環境問題
第4章 核融合エネルギーとビジネスについて
第5章 教育現場で核融合の理解を深める
第6章  核融合エネルギーが実現化するとどのような世の中になるのか

おわりに
核融合関連施設一覧 〜日本と世界の核融合関連施設・研究所紹介
用語解説
あとがき
さくいん

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感想・レビュー・書評

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  • 核融合について学ぶべく読書
    一つ一つの重要構成要素について極めて丁寧に説明してくれており非常にわかりやすい名著

    宇宙とのつながりの冒頭の話、非常にロマンを感じる良き記述。
    途中の技術的なところは難しく、すべてついて行くことはできないが、繰り返し読めばわかりそうなくらい図解も豊富でありがたい一冊。

    エネルギー問題は資源不足問題ではなく、完全に環境問題と明記しているところも興味深い

    MRIやがん治療装置開発は核融合装置の技術に関わる部分(超伝導コイル技術)

    ・核融合はエネルギー資源というよりエネルギー技術と捉えられるもの

  • 核融合なんて無理でしょ。

    そんな風に思っていたのは15年くらい前か?今でも頑張ってるみたいなので現状どうなったのか読んでみた。

    絵が豊富で字が大きくて読みやすかった。

    来年ITERができる予定。楽しみね。

  • 核融合のムック本
    見開きで1トピックという構成になっており、スキマ時間で少しずつ読める。
    核物理の詳しいことまで知らなくても通読可
    核融合発電はずっと前から「もうすぐ実現される」と言われて続けているようなきもするけど、本当に実現してエネルギー問題、温暖化問題が一気に解決すれば戦争もなくなるだろうし、世界は一変するんだろうなぁという期待を持たせてくれる内容。

  • 前回読んだ核融合の本が出版年度が2005年度と古く、この本を読んで核融合発電の研究がここまで進んでいるのかと驚いた。
    核融合は太陽の表面でも起きており、水素と水素が融合してヘリウムになるときに強烈なエネルギーが得られるということは一般常識の範囲であるが、水素が分子のままだと電子に
    守られていて簡単に融合ができず、より簡単にするためには原子核と電子がバラバラになったプラズマ状態で高速で加速することで正の電荷を帯びた原子核同士が融合できるようにし、そのプラズマの状態を保つために、磁場を使ったりレーザーを使ったりして発電する研究が進み、2030年代には実現化しそうということで、夢のエネルギーがそこまで来ているのかと思った。

  • 宇宙、量子と並んで最近話題に上りやすい核融合について殆ど知識がないため購読。
    1章の科学の話は中高生レベルにまとめられており読んでて退屈するが、2章以降の技術、環境、ビジネス、教育といった話は勉強になった。
    量研のトカマク、核融合研のヘリカルの全景写真が見開きで掲載されており、電子書籍では半分ずつしか見れなかったため、本で買えば良かった、と思った。

  • エネルギーの話は、熱力学の素養がないとどうも理解できない。

  • 高校生でも読めそう。優しく丁寧に書いてある。
    ‥‥と思ったが、トカマクの構造あたりから、難度が上がり、頭がおかしくならそうだった。
    とりあえず、核融合と、核分裂の差異は理解したつもり。

  • 核融合の熱の取り出し方が不明であったが、この本により壁の冷却水経由で熱を取り出すことがわかった。原発と同じく熱効率が悪すぎる。

  • ーー海水から水素を取り出し、核融合反応によりヘリウムに変えることにより得られる莫大かつクリーンなエネルギーが、核融合エネルギーです。
    核融合エネルギーが実現化することで、私たちの生活が大きく変わり、環境問題にもたいへん大きなインパクトを与えることができます。
    「核」と名の付くことから危険なイメージを持たれますが、ウラン等を使う核分裂炉に比べて安全性も高く、かつ宇宙時代の惑星間航行など、将来の技術革新には欠かせない技術であることから、2050年の運用を目指して、世界の研究機関で協力しながら、あるいは野心的なベンチャー企業によって、開発が進められてします。
    本書は、核融合という言葉は知っていても、どのようなものか具体的には知らない人、またエネルギー問題に興味のある人、将来の研究者およびその教育者、ビジネスチャンスを狙う人など、多くの人に読んでいただけるよう、様々な方面から核融合エネルギーについて解説します。ーー

    機動戦士ガンダムや2001年宇宙の旅でも登場する核融合(炉)、夢物語のような技術だと思われがちですが、2050年を目途に実用化を目指しています。これが本格稼働すれば、エネルギー問題や環境問題が一挙に解決できる優れものです。
    太陽では強大な重力によって当たり前に起こる核融合ですが、地球上では1億度の温度環境が必要。(既に日本では5.2億度を達成!ギネス認定)
    核分裂の原子力発電との安全性の差は歴然。(燃料供給を止めれば数秒で停止、電気系統などに問題が起こってもすぐ停止、燃料サイクルも所内で閉じる、運用終了後の放射性廃棄物も現行原子炉と比べ100年で100万分の1まで減退)P103
    また、核融合に必要な原料、重水素とリチウムは海水中から無尽蔵に取り出せ、技術的にもクリア。(P107)
    核融合炉自体が水爆のように爆発することは点火の仕組みが違うので起こりえない。(P111)
    自然エネルギーとの協調性もある。(P113)
    原子力発電と核融合発電を比べると、新規技術だけにコストに弱点はあるものの、環境負荷や安定供給、特に安全性に対する優位性は明らか。(P133)宇宙太陽光発電システムとともに国策として推進すべき。

    基本がまとめられた良書です。

  • 発電に関するエネルギーと、核融合発電についての本。
    数式こそほとんどないものの、概念や用語については普段聞かない単語も結構出てきて、一般人視点では少し難しめでした。
    もちろん生活に直結して理解しやすい話もあるので、面白い本ではあると思います。

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著者プロフィール

■「核融合エネルギーのきほん」出版委員会(カクユウゴウエネルギーノキホン シュッパンイインカイ)
夢の核融合エネルギーの実現化のために活動を続ける。
小川雄一(東京大学名誉教授、文部科学省 核融合科学技術委員会主査)、岡野邦彦(慶應義塾大学機械工学科(教授)を経て、現職は株式会社ODAC取締役。文部科学省 核融合科学技術委員会委員、天文年鑑執筆者)、笠田竜太(東北大学金属材料研究所 教授。文部科学省 核融合科学技術委員会核融合開発戦略タスクフォース委員)。

「2021年 『図解でよくわかる 核融合エネルギーのきほん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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