ドイツ修道院のハーブ料理: 中世の聖女、ヒルデガルトの薬草学をひもとく

著者 :
  • 誠文堂新光社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416715277

作品紹介・あらすじ

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179)、時代を超えて注目をされている12世紀ドイツの修道女です。ヒルデガルトは医学者、薬草学者、そして音楽家でもありました。
多くの著者を残し、生誕900年を祝した1998年あたりから、ドイツだけではなくヨーロッパ各地で、再びヒルデガルトがクローズアップされています。
中世の修道院での自然学に基づいた料理が、ストレスや過食、アレルギーなど現代病ともいえる症状を緩和するための健康料理として見直されつつあるのです。

修道院の食生活は、自給自足を基本とし、野菜を育て、家畜を飼い、パンを焼き、ジャム、チーズ、ソーセージなども自分たちで作る生活。
ストイックとイメージしがちですが、実はとても豊かです。
たっぷりの季節の野菜や果物を中心に、ハーブやスパイスの健康効果を加味したヒルデガルトのレシピは、まさに健康食、ダイエット食として理想的です。

本書は、ヒルデガルトのレシピの研究を長年続けている、日本におけるドイツ料理の第一人者、野田浩資シェフが、日本でも手に入りやすい食材で、できるだけ忠実にヒルデガルトの料理を再現したレシピブックです。
スペルト小麦など、今人気の穀物を使ったレシピも多数。
中世の食文化の考察や、現地紀行も掲載し、ヒルデガルトの足跡をたどる読み物としても楽しめます。

感想・レビュー・書評

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  • 六本木にあるドイツ料理レストラン(「ツム・アインホルン」)のオーナーシェフが著者。この手の本は文献を訳してそのままテキストを載せただけの本を想像してたが、写真も新しく綺麗で読みやすい(見やすい)し、おいしそう。

    察するに、著者が実際に料理を作って写真を撮られたのだろう。著者のレストランのメニューをウェブサイトで拝見したが、ヒルデガルト風と記載されている料理がいくつかあった。この本に載っているレシピと同じ名前の料理も出されているらしい。

    材料に、なかなか日本では入手できませんというものもあり(ベルトラム粉とか聞いたこともなかった)、また、オリジナルレシピは分量など厳密に書いてないらしく、これは経験と知識豊富な料理人が何らかのアレンジというか補足しながらでないと、一般現代人が楽しめるようなレシピ、料理にはならないのだろう。その点、お店でも出している料理ということで安心して作ってみれるかも。(でも、まずはお店に行って食べさせてもらうのが一番確実か。。。)

    スペルト小麦、どこかで良いと聞いていたし、売っているお店も見つけたが、どうやって使えばいいのかなと思っていたところだが、この本では多用されているので、いくつか作ってみたいと思ってます。

  • 特に魚料理とスープで、日々の献立のヒントをたくさんいただきました。

    ビーツ、ホースラディッシュ、リンゴの赤いサラダ
    鶏栗リンゴにレモンクリームの白いサラダ
    パスタとチキンのチーズ味サラダ
    根セロリと生ハーブの透明なスープ
    野菜ブイヨン、ナツメグと玉ねぎの南瓜スープ
    オニオングラタンスープ
    チキンレバー団子スープ
    栗のクリームスープ
    パスタのチーズグラタン
    スペルト小麦のパンケーキ
    青魚ムニエル、バジルクリームソース
    サーモンワイン蒸し香草クリームソース
    サーモン、細絲根菜蒸し、少しレモン
    川魚のフライ香草風味
    鹿ステーキ
    ラムモモと小さい豆の煮込み
    ラムチャップ
    豚ロースをマリネしてから焼く、リンゴソース
    鶏胸肉の中に具を入れて巻いて蒸し焼き クリとかリンゴとか
    チキンワイン蒸しキノコクリームソース
    南瓜タルト
    ペリーコンポート
    木苺のトルテ

  • ★ 広国大の電子ブック ★
    メディカルオンライン から利用

    【リンク先】
    http://mol.medicalonline.jp/library/ebooks/detail/?id=6382

  • 借りたもの。
    フランスのジャニーフルニエ=ロッセ『聖女ヒルデガルトと喜びのレシピ』( https://booklog.jp/item/1/489479196X )にあるものを可視化した感じ。
    ……両方ともヒルデガルドのレシピに基づいているからなのだが。
    フェンネルのスープと、こちらでは“フェンネルのクリームスープ”など。

    飽食の時代に旬を食べ、地産地消、自給自足の生活をすることを見直す(ある意味、情景?)。
    人間は本来、1日2食で充分であるなど、改めて再確認する。
    そうした食事は質素な印象を与えるが、この本は素晴らしいコース料理となって再現されている。満足感がありそう。

    しかしこちらも、『聖女ヒルデガルトと喜びのレシピ』同様、日本で馴染みがない食材があって戸惑う……
    簡単にパパッと作るというよりは、本格的。
    私にはまだ敷居が高かった……

    聖女ヒルデガルトが開いたアイビンゲンの修道院の写真が美しく、本のイマジネーションを上げる。
    ヴィジュアルが良い。
    巻末にはヒルデガルド略歴、 スパイス、ワイン小史など。

    レシピは日本人シェフによるドイツ料理。
    ZUM EINHORN(ツム・アインホルン http://www.northfacejacketoutlets.us.com/ )オーナー。

  • ホースラディッシュの消費の仕方を調べるために。食パンと牛乳とホースラディッシュナツメグ味ソースを作る。
    タイ料理で使うガランガーが出てきていたのはちょっとびっくり。確かに生姜より古い感じはある。コールラビは既にあるのね。

  • スペルト小麦と、ガランガーを多用するんだなー。スペルト小麦や根セロリなど、食べたことがない食材があって気になる。作ってみたい。

  • 薬効ベースかと思っていたが実際に読むと、著者がちゃんとしたシェフという事でどれも美味しそうな料理ばかり。もちろんハーブや食材の知識についても一通り書かれている。

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著者プロフィール

野田浩資:東京・六本木一丁目にあるレストラン「ツム・ アインホルン zum Einhorn」シェフ。ドイツをはじめ、ヨーロッパ各国で修業を重ね、帰国後、1994 年にレストランをオープン。伝統料理やドイツ直送の季節の味を求めて、在日のドイツ人も足繁く通い、日本でドイツの食文化を最も感じさせる店と高く評価されている。アートに造詣も深く、店内に国内外のアーティストの作品を展示したり音楽会を催す等、文化活動にも力を入れている。講演やテレビ出演も行う。著書に『音楽家の食卓』(誠文堂新光社)ほか、『野田シェフのドイツ料理(新装版)』(メトロポリタンプレス)、『ドイツの森の料理人』(教育出版センター)、『ワイン街道美食の旅』(グローバルメディア)、『ビールの国の贈りもの』(里文出版)など多数。

「2022年 『中世修道院の食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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