知られざる縄文ライフ: え?貝塚ってゴミ捨て場じゃなかったんですか!?

著者 :
  • 誠文堂新光社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416716168

作品紹介・あらすじ

現代を生きる私たちにとって、誰もが知っているようであまり知らない、縄文時代。
この本は研究から見えてきた縄文を、小難しいことを抜きにしてザックリ知るための縄文入門です。

縄文時代ってどんな時代だったのでしょう?
1万年というとてつもなく長い年月の中、縄文人たちはどのように暮らしていたのでしょうか?
ご飯は? トイレは? 服はどんなものだった??
そんな身近な疑問をヒントにすれば、意外と知らなかった縄文時代をノゾキ見するための手掛かりがきっと見つかるはず。

遥か遠い昔にこの日本列島に暮らした縄文人の暮らしに思いを馳せてみませんか?

感想・レビュー・書評

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  • ◯絵がとても可愛くて、文章も読みやすい、縄文時代入門の本。
    ◯ただ土偶の写真は前回読んだ本よりも大きく掲載されており、実物を想像しやすくてとても良い。
    ◯この本は高校生くらいを対象にしていそうな感じはあるけれども、自分のような学生の頃に歴史で勉強した、くらいのライト層にもぴったりだった。
    ◯便利さに溢れた現代社会に慣れていても、縄文時代の住居、食事、生活を読んでみると、案外悪いものではなく、むしろ今よりも人間として生きていることを実感できるのかな、と思ったりした。ただ、成人の儀式で歯を抜くのは怖すぎて出来ないと思う笑

  • 今日の縄文ブームに一役買っているはずの、著者の本。縄文の魅力を、豊富な知識と類推を駆使して紹介している。学者ではなく、純粋な縄文ファンだから書けたと思われる。専門性と分かりやすさの同居。弥生ファンである私などは、これを是非誰か「弥生ライフ」でやって欲しいと思う。スソさんのイラストが、絶妙にアシストしている。

    巻末あたりの国宝縄文土偶五体を10ページにわたって紹介しているコーナーなんかは、正に縄文愛に満ちている。以下、そうは言っても「なるほど!」と思った所をマイメモ。

    ・縄文の気候と環境。縄文前期の時代は、早期に間氷期があった他は、ほぼ寒かったし、海は現代よりもかなり沖合にあった。(←ならば、前期遺跡はほとんど海の底なのではないか?何故見つかるのか?)

    ・所謂「縄文海進」はBC40の辺り。現代よりも+2°Cもあって、海面も5-6メートルも高くなっている。でも2000年ほどで終わっている。

    ・土偶によって、ヘアスタイルを想像している(34p)けど、あんな複雑な結い方をするものだろうか?

    ・糞石は、まだヒトかイヌか判断つかないようだ。

    ・縄文犬と弥生犬の形状は違う。縄文は額から鼻にかけてのくぼみが少ない。弥生渡来人とともに犬もやってきたと捉えるべき。

    ・縄文人の平均出産は、15-6歳初潮(栄養状態が良くなかったから)、18歳初産と考えると、平均4人ほどと考えられる。栄養状態が完全ではなかったので、授乳期は妊娠し難いから。

    ・愛情いっぱいの子育てをしていた。子だき土偶(東京・宮田遺跡)や、各地の手形・足形土版を観ると、わかる。

    ・平均寿命は、昔と違い40歳ぐらいという風に言われている。86体の人骨の65歳以上は32.5%という研究報告あり(岩手県蝦島貝塚、千葉県祇園原貝塚等)。

    ・200キロのイノシシを捕らえたら、100キロの肉となるとして、5人家族の五軒の20食分の食糧になる。狩は週に3日ほどではないかと考えられている。

    ・クリの栽培だけでなく、大豆やアズキの栽培もしていた。前期の野生種豆が、中期の豆になると、急激に大きくなっていた。

    ・合掌土偶(青森県八戸市風張1遺跡)のウエストは意外にもくびれている。お尻の穴まで作っている。後ろから見ると、異様な顔は、仮面である可能性が高い。

    2019年3月読了

  • 写真や説明ばかり、でないので、勉強というより雑学かなって思ってたけど、なかなか内容も細かく、分かりやすく縄文時代の事がわかる。

  • いま人気を呼んでいる縄文時代。その魅力をわかりやすい文章と、かわいらしいイラストで紹介しています。

    狩猟採集民といわれる縄文人。それは間違えてはいませんが、一般的に思われているほど彼らの暮らしは原始的ではなく、むしろ自然との調和に根差した、現代人にとってはある意味「理想的」な暮らしであったことがわかります。

    一万年以上もつづいた縄文時代には、単なる懐古趣味にはとどまらない何か特有の魅力があることを伝えてくれる一冊です。作者は「はじめに」で次のように述べています。

    「文字としては残ってはいませんから、彼らが残したモノでしか、私たちは当時の様子をしることが出来ません。それも、確かなことはわからない。それでも、学校で習ったこと以上のことが研究によってわかるようになってきたのです。(改行)私は、この本でそれを皆さんと共有したいと思っています。」

    いわゆる先史時代のことは「文字」ではなく「モノ」を通じてしかわかりません。しかし、言語と事物の相関性の外部について考えさせる21世紀の哲学=思弁的実在論の魅力がそうであるように、本書は「確かなことはわからない」、「それでも・・・わかるようになってきた」、「それを・・・共有したい」という著者の思いにあふれています。

    個人的には、その後のシリーズ作『知られざる弥生ライフ』『知られざる古墳ライフ』を含めても、本書がいちばんのお気に入りです。

  • 縄文世界がイラストと文章で楽しくよくわかる~。

  • 可愛らしいイラストが各ページにあり、分かりやすい文章でサクサク読める。
    暇潰しと知的好奇心が簡単に満たせて読んでいて楽しかった。

  • かみ砕いた説明と、豊富なイラストで、とてもわかりやすかった。
    縄文人についての入門的なエッセイで、小中学生くらいによさそう。

    正面からの写真が多い土偶を、多角的に鑑賞するのが新鮮。
    正面からではわかりにくい厚みや、背面のディテールなどが味わえて、おもしろい。

    文献が残っていない縄文時代、遺物のみから推測できることには限りがあり、想像の「でしょうか」「かもしれません」がおおい。
    文献を根拠にして推定できるのちの時代とは、すこし確度がちがう。

  • 土偶女子 譽田亜紀子 - めくるめく土偶ワールドへようこそ
    https://www.akiko-konda.com/

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    現代を生きる私たちにとって、誰もが知っているようであまり知らない、縄文時代。
    この本は研究から見えてきた縄文を、小難しいことを抜きにしてザックリ知るための縄文入門です。

    縄文時代ってどんな時代だったのでしょう?
    1万年というとてつもなく長い年月の中、縄文人たちはどのように暮らしていたのでしょうか?
    ご飯は? トイレは? 服はどんなものだった??
    そんな身近な疑問をヒントにすれば、意外と知らなかった縄文時代をノゾキ見するための手掛かりがきっと見つかるはず。

    遥か遠い昔にこの日本列島に暮らした縄文人の暮らしに思いを馳せてみませんか?
    http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5304

  • 縄文時代の人々のくらしについて、親しみやすい切り口で教えてもらえる。気になるトピックについては別で掘り下げるのがよさそう。
    イラストや再現写真などは視覚的にわかりやすい。
    国宝土偶たちのいろんな角度の写真があるのが個人的にはよかった。
    2017年初版発行なので、紹介されているグッズたちを調べたらもうないのもあって残念でした。

  • 978-4-416-71616-8
    C0020¥1500E.
    タイトル:知られざる縄文ライフ
         え?貝塚ってゴミ捨て場じゃなかったんですか!?

    2017年3月17日 発行
    2018年3月10日 第3刷
    NDC201.

    著者:譽田亜紀子(こんだ あきこ)
    発行所:株式会社誠文堂新光社

    表そで部分より
    あなたは縄文人について考えた事は有りますか?
    もし、考えたことがあるならどんな姿をイメージしましたか?
    この本は、実際にあった事も声を聞いたことも無いけれど、同じ日本列島に暮らした、私達日本人共通の御先祖様に会いに行く本だと思ってください。あるいは、彼らの暮らしを覗きに行く旅の本だと思っていただいても良いかもしれません。本書では今を生きる私たちの視点から見る縄文時代に関する事柄にひとつずつお答えしていきます。(はじめにより)
    目次より
    はじめに
    彼らに会いに行く前に知っておきたい縄文知識
    縄文基本のキ
    縄文人はどこから来たの?
    DNAでたどる旅の軌跡
    縄文の気候と環境
    1章 縄文人の姿と暮らし
    向こう三軒両隣のお付き合い
    縄文人の1日
    顔つきと体つき
    縄文人の普段着
    ヘアスタイル
    縄文美人のつくりかた
    縄文時代の世帯構成って?
    みんなで作る建築物
    竪穴式住居の「間取り」
    糞石から見える?おトイレ事情
    貝塚は宝の山
    コラム・縄文犬と弥生犬
    暮らしのパートナー「イヌ」
    2章 縄文人の一生
    縄文人のライフステージ
    遊びは学び
    成人式は痛みを超えて
    今も昔もお祭りは出会いの場
    とっておきのお洒落
    コラム:縄文デートと愛の営み
    縄文・トレンドアイテム
    コラム・張り巡らされたネットワーク
    バースコントロールはこの頃から
    愛情いっぱいの子育て
    縄文時代の“布”製品
    病気と闘う縄文人
    意外と長寿な縄文人
    永遠の眠りと埋葬
    コラム・自然とともに生きた縄文人
    3章 縄文人と食
    食糧調達が一番のお仕事
    縄文食糧事情
    春画分かる食糧カレンダー
    冒険の連続だった食の追及
    縄文人の美味しい食卓
    食卓を彩る食器と調理器具

    高カロリーな食卓
    海の民と山の民
    縄文食料地図
    コラム・海路を使って運ばれる交易品
    縄文人も歯が大事
    植物栽培は縄文から?
    コラム・縄文時代隣の国の晩御飯
    4章 縄文の祈り
    太古の祈り
    ストーンサークルと時の流れ
    土偶と祈り
    縄文の造形美『土偶』
     縄文の女神・縄文ビーナス・仮面の女神・合唱土偶・中空土偶
    もう一つの祈りの道具、石棒
    自然に向けられた創造性
    土器は交流の明石
    コラム・縄文伸びの発見者 岡本太郎
    穏やかな流れの中で~縄文から弥生へ~
    日常に取り入れたい縄文グッズ
    資料提供先博物館データ
    写真提供・協力一覧
    参考・引用文献

    ----------------------
    興味深い事は多々あったけれど、
    入江貝塚(北海道)で出土したポリオにかかった骨に添えられた文章が印象的でした。
    20歳前後で無くなったと思われる大きさの頭骨に対し、腕と足の骨がとても細く筋肉が付着した跡が無い。ポリオにかかってから10年くらい生きていた。と、思われる。発達した医療も無い縄文時代では人のつながりが唯一の医療だったと言っても良いかもしれない。
    現在は医療は(当時と比べれば当然ですが)発達したけれど人のつながりはどうだろうか・・。とチラッと思ってしまいました
    ------------------
    北海道には縄文時代のあと弥生時代は無く、「続縄文時代」という物が存在する。山海の食料が豊富であった為、重労働の稲作をする必要が無かった。
    時間をかけて、海を渡ってきた文化と融合し、富を持つ権力者があらわれ古墳時代にうつってゆく。

  • 図書館で借りた本。縄文時代の暮らしについて、イラストや写真付き、分かりやすい文章で構成していて楽しく読める内容になっている。初めて知った事は、ガンが頭蓋骨に骨転移した骨が見つかっていて当時からガン患者がいた事や20歳頃に亡くなったポリオ患者、50歳過ぎの大腿骨骨折患者がいた。介護してもらえる家族や集落の存在があった事。縄文人のヘアスタイル、縄文と弥生の犬の違い、縄文人の一日のスケジュールや祭りや恋愛や建築。海の民と山の民の物々交換など文化があった時代だと分かる本。

  • 絵もふんだんに使われており、読みやすく、分かりやすく、面白い。土偶を愛でたくなる。
    2019/9/10

  • イラスト付きで結構面白く読めました。
    なんとなく現代と変わらない村のような文化があったり、ガンや虫歯があったりするようで身近に感じる部分も発見できます

  • (図書館員のつぶやき)
    表紙から楽しそうな予感でした!縄文ライフスタイルが広くわかります。絵が満載ですし、何だかこの絵に”くすくす”と笑いが出ます!勉強の合間にぴったりです。
    一息どがんね。

  • <目次>
    はじめに  彼らに会いに行く前に知っておきたい縄文知識
    第1章   縄文人のすがたと暮らし
    第2章   縄文人の一生
    第3章   縄文人と食
    第4章   縄文の祈り

    <内容>
    絵や写真で縄文時代の暮らしや祈りを解説した本。読者に子供を想定しているのかとても分かりやすい表記と絵だが、中身は意外と濃い。土偶から髪形や服の話が出たり、屈葬についても通説以外にちゃんと解説しているし、今の暮らしと照らし合わせるような説明は、縄文好きを増やすのではないか。

  • タイトルに目を引かれて読んだ。
    縄文時代については中学校の歴史で学んで以来。
    人骨からそんなことまで分かるんだ!?と終始驚きでした。

  • 「現代を生きる私たちにとって、誰もが知っているようであまり知らない、縄文時代。
    この本は研究から見えてきた縄文を、小難しいことを抜きにしてザックリ知るための縄文入門です。

    縄文時代ってどんな時代だったのでしょう?
    1万年というとてつもなく長い年月の中、縄文人たちはどのように暮らしていたのでしょうか?
    ご飯は? トイレは? 服はどんなものだった??
    そんな身近な疑問をヒントにすれば、意外と知らなかった縄文時代をノゾキ見するための手掛かりがきっと見つかるはず。

    遥か遠い昔にこの日本列島に暮らした縄文人の暮らしに思いを馳せてみませんか?」

  • 縄文入門書。イラストがとにかくかわいい。縄文土偶好きとしては、見開き&カラーの国宝土偶紹介がうれしい。

    子供も読める平易さながら、縄文人の起源などの最近の学説まで抑えてあり、縄文時代を総ざらいできる。
    火焔型土器が特定地域のマイナー土器だなんて知らなかった!あれはあれは土器の王だと思うのだけれど。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 面白かった。イラストたくさんだからサクサクと読める。
    縄文に興味を持った人が初めて読むのにふさわしい。縄文のなかの細かい時代区分とかはなし。

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著者プロフィール

(著)譽田 亜紀子:文筆家。岐阜県生まれ。京都女子大学卒業。奈良県橿原市の観音寺本馬遺跡の土偶との出会いをきっかけに、考古学に強く興味を持つ。各地の博物館、遺跡を訪ね歩いて研究を重ねている。東京新聞・中日新聞に「譽田亜紀子の古代のぞき見」、雑誌『ひととき』に「こんだあきこのドキドキ遺跡旅」を連載中。『知られざる縄文ライフ』『知られざる弥生ライフ』『知られざる古墳ライフ』(すべて誠文堂新光社)のほか、『はじめての土偶』(世界文化社)、『ときめく縄文図鑑』(山と渓谷社)、『土偶界へようこそ』(山川出版社)、『「縄文」のヒミツ』(小学館)、『かわいい古代』(光村推古書院)など著書多数。

「2023年 『知られざるマヤ文明ライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

譽田亜紀子の作品

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