小説 恐怖新聞 (APeS Novels)

  • 誠文堂新光社 (2019年7月16日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784416719251

作品紹介・あらすじ

株式会社秋田書店と株式会社誠文堂新光社による新たな文芸エンタテインメントを生み出す新レーベル【APeS Novels】がいよいよ始動!!
そのスタートラインナップは、本年7月に創刊50周年を迎える大人気コミック誌『週刊少年チャンピオン』の、
輝かしい歴史を彩った名作コミック『恐怖新聞』のノベライズです!!

「平成」の時代、日本では数多くのホラー映画が制作され、「Jホラー」と呼ばれたそれらは大きなブームを巻き起こしました。
そのさらに20年以上前、「昭和」の時代にもUFOや超能力、そして心霊現象など、
やはり人々の「不可解なものへの畏怖」を刺激するエンタテインメント、「オカルトブーム」がありました。
その、2度の「恐怖」ブームのどちらにも深く関わりを持つ作品が、つのだじろう氏の傑作オカルトホラーコミック『恐怖新聞』です。
「オカルトブーム」ではその中核を成すコミック作品として人気を博し、
「Jホラーブーム」では原案・原作として『予言』のタイトルで映画が制作されました。

そして始まったこの「令和」の時代に、『恐怖新聞』が小説として新たな命を吹き込まれます。
執筆には、流麗な文体でグロテスクな恐怖を描く数々のホラー小説で人気を博す大石圭氏を迎え、
死を予言する異様な新聞に、不運にも魅入られてしまった美しき女子大生の体験する恐怖として、再構築された『恐怖新聞』の世界。
新しい時代の最初の「恐怖」を、あなたにお届けいたします。

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生まれ故郷の新潟を離れ、都内の大学に通う女子大生・桜子。
二年の春を迎え、ボーイフレンドの孝二郎と過ごすはじめてのゴールデン・ウィークを前に、浮き立つ気持ちを押さえられずにいた。
しかし、その夜――。
日付けが変わると共に、桜子が暮らす地上十一階の部屋の窓から、突然飛び込んできた「新聞」。
そしてそこに書かれた孝二郎の事故死を報せる記事。
慌ててかけた電話からはいつもと変わらぬ孝二郎の元気な声を聞けはしても、まんじりともしないまま朝を迎えた桜子は、着の身着のままで孝二郎の家へ向かう。
すでにアルバイト先に向かったあとだった彼を追った桜子を待っていたものは、悲しくも恐ろしい運命だった。
そのうえそれは、桜子を苛む恐怖のほんの始まりに過ぎなかったのだ……。
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死を予言し恐怖を伝える新聞に魅入られた、美しき女子大生の運命を描く物語として、オカルトホラーの傑作『恐怖新聞』がいま蘇る!

■目次
プロローグ
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
エピローグ
あとがき

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感想・レビュー・書評

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  • 1973年から1975年まで連載された、つのだじろうさんの漫画『恐怖新聞』を大石圭さんの手で現代風にアレンジした小説。

    世田谷区内のマンションの11階に暮らす19歳の女子大生、早川桜子が主人公。

    「コツ、コツ、コツ、コツ」と深夜ベランダから聞こえるハイヒールの音、そして投げ込まれる新聞。

    その新聞には、近日中に起きる不幸を予言する内容の記事が掲載されている。

    桜子のキャラが良く、いかにもホラーの王道の様なスタイルで緊張感がある。

    ただ大詰めの第七章で唱えられるひらがなの念仏は、ツボにハマってしまい笑いながら読了。

  • あの有名な作品をオリジナル小説化。といっても、原典は読んでいなくてあまりよく知らないのですが。それでもホラー好きなら楽しんで読める作品です。
    強制的に届けられ、読むたびに寿命が100日縮む「恐怖新聞」に取り憑かれてしまった美人女子大生。彼女の身の回りで次々に起こる不幸、そしてどんどん縮んでいく(らしい)彼女の寿命。それまで当たり前のように享受できていた幸せがあっけないほど脆く崩れてしまう、というなんとも悲しい物語です。でも悪いのは新聞じゃなくて、それを届ける悪霊の方だったのか……。この悪霊の怨念と憎悪がもう半端なくって、ぞくぞくしました。霊能者との戦いのシーンも圧巻。
    ヒロインの運命やいかに、というサスペンス感も読み心地として重要ですが。読み終えた後に感じたのは、不思議なほどの安息感でした。たしかに死は恐ろしいものであるという認識があるけれど、いずれは訪れるものなんだよなあ。そう思うと、生にしがみつくよりはいかに今を生きるか、に重点を置くべきなのでしょう。ただし、そうわかっていても割り切れるかどうかは別問題なのだけれど。

  • ええー…
    まぁ、本家らしいのかな?
    けど悪霊の本名が、ださい…

  • 美少女を羨む憑依霊、この組立ては原作だったらありそう。しかし、せっかくの現代小説版なので、もう少しリアリティある設定で良かったのでは。桜子チビリ過ぎ。

  • 高層マンションに住んでる女子大生が主人公ということで、ちょっとどうかなと不安だったけど、意外と違和感がなかった。原作の力もあるのかもしれないけど、けっこう面白かったです。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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