桃紅 私というひとり

  • 世界文化社 (2000年12月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784418005260

感想・レビュー・書評

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  •  篠田桃紅(しのだとうこう)とは、書の技法や表現の可能性を押し広げ、日本画の画材を用いた作風で海外に認められた美術家です✧ 1913年生の彼女は、含蓄のある言葉を紡ぎ、エッセイストとしても名を馳せています☆

     もしや、一般の日本人には、美術よりポジティブエイジング風のエッセイで知られているのでは。『百歳の力』『一〇三歳になってわかった~』といった年齢くくりのタイトルで書店に並んでいるのを、しばしば見かけます★
     どんな切り口であれ、すぐれたものが目に触れる機会を得られるのはありがたいもの。日本では年齢を冠した本が売れるのも、わかり切っている、けど。年齢は関係ないような気も……?

     ゆえに『桃紅: 私というひとり』(2000)の装丁と題名が、彼女が織り成す表現に最もなじむもののように感じます★
     みずからの手で何かを作り出し、美を生む心(あるいは無心)の言語化に、感銘を受けました☆

     研ぎ澄まされた美的感性をより広い世界で発揮するため、欧米へと打って出た勇敢さ。明らかに日本国内より海外で高く評価されている現実。女性芸術家が生きづらい、男性中心的で閉じている日本……。
     そうと知っていても、篠田桃紅は日本へ戻ってきた。水墨の表現は、日本という環境、気候条件がなければ極められないのを悟ったからです★
     おさめられた文章のなかには、彼女が長年、感じ取り表してきた「日本」の精神が宿っています。真の国際化は、日本人としての芯があってこそ成し得る、と教えてくれるようでもあります✧
     現代の日本は桃紅さんに失望されないでしょうか? 日本あっての篠田桃紅という希望を感じつつ、その日本が日本でなくなっていくような絶望も感じつつ……。

     しかし近年、同伴文化が根づいている欧米より、日本こそが、女性ひとりで生きるに適した環境を整えつつあります★ 良いほうに流れ始めているかもしれません。あとは美学があればもっといい!

  • ものを創りだす人間の苦悩、自分への問いかけ、世界に対する見方が
    むつかしくない日本語で的確に書き表されていました。微妙な細部までも
    言い切っている言語能力の巧みさに感動しました!!

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 2013.7.1市立図書館
    1960年から2000年までにいろいろなメディアによせた文章、著作に収められた文章からのアンソロジー。
    中ほどのグラビアページに作品の図版、肖像や年譜も収められている。
    きどりはなく淡々とつづられた短い文章ながら、味わい深いものが多い。生まれながらの性格と育ち方があいまって、いさぎよく凛とした芸術家になられたのだなと納得がいった。

  • 343夜

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著者プロフィール

美術家

「2021年 『朱泥抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田桃紅の作品

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