源氏物語 光源氏と女たちの王朝絵巻 (ビジュアル版 日本の古典に親しむ 1)

  • 世界文化社 (2005年10月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784418052226

感想・レビュー・書評

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  • 末摘花はもしかしたら渡来人の血を引いていたのかもとググってみると、同じことを考えていた人たちは他にもいたらしく、末摘花ハーフ説というものもあるらしい。

    六条の御息所の忘れ形見だった梅壺の女御のライバルの弘徽殿の女御の父親である権中納言は頭中将のことか。源氏物語の入門書は何冊か読んでいるのに、なかなか登場人物のことも覚えられない。

    尼になった空蝉を源氏が引き取ったのは知らなかったわ。

    夕霧の章で、夕霧が惟光の娘の藤典侍(とうないしのすけ)を愛人にしていて、子供が5人もいることを初めて知った。北の方の雲居の雁との間には7人。
    これまで読んだ入門書では、藤典侍のことには触れられていなかったので、本当にずっと雲居の雁一筋だったのに、急に二の宮(落葉の宮)に懸想をし始めたという印象だった。
    愛人自体はこれまでにもいたということは、雲居の雁があんなに怒っているのは、夕霧の懸想していた相手が朱雀院の娘、つまり皇女で自分より位が高いために、自分が北の方の地位を追われるという危機感があるためか。

    匂宮の多情なところは光源氏譲りか。
    女性を幸せにできないところは、匂宮も薫も共通している。
    薫が光源氏から強く受け継いでいるのは、人形を求めるところかな…人形というのは、「身代わりの人」という意味の古語。

    夕顔の娘の玉鬘は、竹川の巻では異母姉妹の雲居の雁と親しく付き合っている様子だ。雲居の雁の母親は、嫉妬で夕顔をいじめて身を隠させるほどだったように思ったけれど、子ども世代はそのわだかまりは引きずっていないみたい。
    平安時代が基本的に信じられるのは親族のみという社会だったからかもしれないし、玉鬘が豊かな遺産を相続しているからという理由かもしれないけれど。

    宮がたくさん出てくる。しかも天皇の血縁者はみんな性別問わず宮なので、今はどの宮の話をしているのかがたまにわからなくなる。

    偉大な作品には違いないが、誰も幸せにならない、後味の悪い小説だ。


  • 第10回(古典ビブリオバトル)

  • 語句の説明や物語ゆかりの地の写真、アクセスデータまで載っているのがよかったです。資料やガイドブックといった感じ。

  • 源氏をいつか読んでみたいなと漠然と思っていたときに同僚から勧められてどれか読んでみたら?という流れに。大判で易しそうな絵巻で雰囲気をつかもうと思いこちらを借りて読むことに。

    さらっと軽く親しみを持ちながら味わえました。文学として深くはまだわかってはいませんが、次はもう少し細かな部分も読んでみたいと思います。あとあまり予備知識なしに読んだので他の解釈や人物性を知りませんが、末摘花が出てくる度の扱いの悪さ(いじられ対象?なくらい)に彼女が登場するたびに笑わされてしまいました。個人的に女性としてもっとも魅力的に思えたのは"宇治の八の宮の長女大君"でした。

  • 読みやすくはあったが、物足りない印象。大まかな流れを知るためには良い。

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著者プロフィール

円地文子

一九〇五(明治三十八)年東京生まれ。小説家、劇作家。国語学者・上田万年の次女。日本女子大附属高等女学校中退。豊かな古典の教養をもとに女性の執念や業を描いた。主な作品に『女坂』(野間文芸賞)、自伝的三部作『朱を奪うもの』『傷ある翼』『虹と修羅』(谷崎潤一郎賞)、『なまみこ物語』(女流文学賞)、『遊魂』(日本文学大賞)など。また『源氏物語』の現代語訳でも知られる。八五(昭和六十)年文化勲章受章。八六年没。

「2022年 『食卓のない家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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