- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784418112302
作品紹介・あらすじ
おすすめの裏グルメをエリア別にご紹介。読んで楽しいディープな500円グルメ情報。在住6年+通い3年で食べ歩いた本当の香港の味がつまっています。さらに!古き良きオールドカフェ・冰室、南Y島、坪洲、長洲の離島案内もイラスト満載でお届け。
感想・レビュー・書評
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待ってました続編。最近は私も自でローカルフードが楽しめるようになってきましたが嬉しい一冊。行きつけのお店が載ったのも!嬉しかった(^^)
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「香港の地元の人が、食事時間を削ってでも寄りたい調味料のお店とは」
旅先で買う調味料は、見て楽しい、使っておいしい素敵なお土産になりますよね。今回お届けするのは香港のある調味料店のお話。地元の人が平日の貴重なランチの時間を削ってでも買いに行きたいという噂の調味料なのだとか。どんなお店の、どんなものなのでしょうか。
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九龍醤園(がぅろんじょんゆん)
無添加調味料で90年の歴史を誇る名店。料理好きなら必見です!
90年前から中環(Central)で営業を続ける、安心安全な調味料として高い評価を得続けている専門店です。嘉咸街(Graham Street)の露店の奥に店を移転して30年。目立たない立地のため、入り口を見落としてしまいそうになりますが、前を行く人にならっていたらたどり着いてしまったりもして。初めて行くときはやや上を見上げて道に突き出した看板を目印に進んでくださいね。
こちらは昼休みの時間帯になると近くのオフィスビルに勤める人がどっと押し寄せ、さながらセール会場のような熱気に包まれます。「食事を遅らせても、ここの調味料が欲しい!」、そんな女性たちの鼻息の荒さが伝わってきます。
なぜそんなに人気があるのかといえば、防腐剤、着色料などの添加物を一切含まず、香港内にある自社工場ですべての品を作り上げているから。効率うんぬんは後回しで、安心安全を地道に貫いて90年もの歴史を刻んできたから。そして、何より味がいいから。
ビンものは重いのでスーツケースの重量超過が気になるけれど、日々の暮らしに生かしたい香港の調味料は見逃せまい。だけど、超過料金を支払うのはイタイし、どうしようどうしよう、なんて悩むフリをしつつ、結局棚から次々と商品を取り出してしまいます…。
海鮮醤(ほいしんじょん)は、その名のとおりえびやいかなどの炒め物にばっちり合う、やや甘めの濃厚醤油のような調味料。魚介以外でも、お好みで炒め物・煮物などに。芝麻油(じーまーやう:ゴマ油)は風味が強く、熱すると香ばしいゴマの香りが一気に広がります。きんぴらに(和食じゃん…)、ナムルに(韓国料理じゃん…)と幅広く使えます。
ほう油(ほうやう ※「ほう」は「虫」+「豪」と書く:オイスターソース)はかなり濃密。わずかな量でもしっかりと味が立ってきます。濃密ゆえ、中身が減ってくると振り出さねばならず、的をはずすとあらぬところにドシャっと豪快なカキ染みを作るはめになるのでご注意を。そんながむしゃらに振らなくてもちゃんと出るからさ、私。
ひとり英語が堪能な店員さんがいらっしゃるので、わからないことは聞いてみてね。
■九龍醤園(がぅろんじょんゆん)の店舗データ
住所:9 Graham Street, Central
電話:2544-3695
営業時間:月~金 8:00~18:50、土 8:00~18:00
定休日:日・祝
~『香港路地的裏グルメ』(池上千恵)より
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興味深い調味料ですよね。基本(?)のお醤油的なものも気になりますが、海鮮とオイスター風味……。持ち帰るのがやや大変そうですが、とても香ばしい味を演出してくれそうな素敵調味料。行間から漂う“旨み”がたまりません(笑)。
著者・池上千恵さんの公式ブログ
⇒ http://edokomomo.exblog.jp/
■過去配信記事
香港食ブログ人気NO.1著者が教える、香港の美味しい店はココ!
⇒ http://t.co/tXm8g683
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「香港食ブログ人気NO.1著者が教える、香港の美味しい店はココ!」
食欲は人間の三大欲求のひとつですが、香港はそれを満たすのにもっともふさわしい街のひとつです。そんな街で、人はふたつの選択肢をもちます。ひとつは「観光客向けのお店」、もうひとつは「地元の人が通う店」。
後者を選ぶかたが香港へ旅立つ際、おすすめしたいのがこのお店。その名は「德發牛肉丸(たっふぁーあうよっゆん)」。香港のローカルフード、いわゆる「裏グルメ」を愛する著者・池上千恵さんがディープな香港グルメをご紹介します。
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本書を手に取ってくださる香港裏グルメLOVERでも、最初は「え、ココ入っていくの?」とちょっと身構えてしまうかもしれません。
尖沙咀(ちむしゃつい)の海防街のガード下、晴れた日の日中でも薄暗がりな場所に街市(がいしー:マーケットのこと)があるのをご存知ですか? 多くの街市がビル化される中、ガード下という環境からまだ半野外な状態のところです。
2か所ある入り口のうち、北京道寄りのほうから入り、生花店脇の通路をずんずんと進むと熟食中心(街市内に併設されている食堂街)に突き当たります。入ってきた通路を道なりに、呼び込みのおじさんにさえぎられても耐えつつひたすら進むと、ひときわ周辺がにぎわう屋台が現れます。それが牛肉団子麺の名店、德發です。
調理屋台周辺に広げられた丸テーブルが德發の陣地ではありますが、満席の場合、周辺の敵陣さんのテーブルに座り、「德發(たっふぁー)の牛丸麺いっちょ!」と注文するのもあり。注文をちゃんと德發に伝えてくれるのです。なんとおおらかなシステム~。でも、そのおおらかさに甘えるばかりはNGで、そういう場合は、ドリンクを敵陣さんに注文するのがスマートな利用法です。お会計が2か所に分かれちゃうけれど、そんなに面倒くさいことでもないでしょう。
厨房屋台の前には、出番を待つまんまるな牛丸がたっぷりと籠(かご)に入ってスタンバイ。香港の牛肉団子は、基本的に水牛肉を使っています。水牛肉をひたすらに叩いて叩いて粘りを出して作るその団子は「肉団子」と訳されることが多いけれど、日本の肉団子とはカテゴリーが全く違い、肉の練り物といったほうがいいかもしれません。
豚肉の場合は猪肉丸というのに、牛の場合は牛肉丸とはいわず、なぜか肉抜きで「牛丸(あうゆん)」と呼びます。こちらの牛丸、一日に何個くらい仕込むのかを伺うと、麺茹で中の蔡さんいわく、「考えたことないや~」とのこと。麺を扱う動きは素早いのに、言葉はのんびりしていてほのぼのしちゃいます。
この牛丸、スーパーボール的に強力な弾力があるので、うっかり箸だけでつかもうとするとつるんと逃げる可能性大。箸を添えたレンゲでそっと口に運んでくださいね。
ガード下、街市、半屋台で相席。もわっとした重みのある空気を肌にまとわせまがら、逃げる牛丸をどんぶり内で追いかける。100%香港がここにあります。
■ポイント:60年間香港の人に愛され続けている牛丸です。肉の練り物って日本にはあまりないものですよね。弾力の強さから咀嚼(そしゃく)の回数が多くなるので、満腹感もかなりのものですよ。
■德發牛肉丸(たっふぁーあうよっゆん)の店舗データ
住所:Shop 19, Haiphong Road Market, Tsim Sha Tsui
電話:2376-1179
営業時間:10:00~20:00
定休日:水曜
おやじシーシー度(※):★★★★★
※おやじシーシー度とは
香港のおやじ観察が大好きな著者による「おやじが満足げに食後の爪楊枝を使っている店はおいしい」という思い込みをもとに、店の雰囲気やそこに集うおやじたちの数などにより推し量ったローカル度を5段階評価で星付けしたものです。
おやじ星が多いほどローカル度が高い店、反対に少なければビギナーさんでも行きやすい店という意味になります。この星付けは100%著者の主観が基準の荒っぽいものです。そのあたりをお含みおきの上、路地めぐりのご参考になさってください。
~『香港路地的裏グルメ』(池上千恵)より
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⇒ 著者・池上千恵さんの公式ブログ
http://edokomomo.exblog.jp/
いかがでしたか。この「おやじシーシー度」で計られるおいしさの尺度がまたリアルな香港のローカルフードを表している気がしてなりません。香港を幾度となく訪れ、おいしいものを食べつくす旅をしたいかたに、ぜひ。 -
香港映画がジャッキー・チェン作品ばかりではないように、香港のグルメも高級中華料理だけではない。香港一人旅は食事に困る、という経験をした人も少なくないだろうけど、特に贅沢しなくても、かなり安くておいしくて(?)珍しいファストフードや甜品(スイーツ)はたくさんある。
香港一人旅ビギナーから、我々のようなヘビートラベラーにもマルチに対応できる、ある意味ミシュラン以上の最強グルメガイドかもしれないぞ、これ。