吉田 都 一瞬の永遠 英国ロイヤルバレエ・プリンシパルのすべて

著者 :
  • 世界文化社
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本棚登録 : 68
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418115020

作品紹介・あらすじ

世界的プリマの美しき一瞬を永遠にした篠山紀信の写真と吉田都の言葉で綴るフォト&エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 写真がものすごくきれいでした!

  • 都さん すごくかわいいし 綺麗です。 篠山紀信さんの写真は、いつも 被写体を 魅惑的に撮られている。

  • バレエに憧れるかたも、そうでないかたも、多くのかたがその名を知る、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルとして活躍された 吉田都さん。どんなプロフェッショナルにも、「はじめの一歩」があります。世界的プリマへつながる彼女の「はじめの一歩」とは、いったいどんな一歩だったのでしょうか。

     * * *

    木の床、バー、鏡、その空間に漂う匂い、そして、いつか履いてみたいと願っていたトウシューズが置かれているスタジオ。初めてのレッスンの日、その空間に一歩踏み込んだときの感覚は、未だに鮮明に蘇ってきます。「これでバレエが習える」と実感した私ですが、このときすでに9歳。バレエを始める年齢としては、決して早くはありませんでした。

    ところが、当時の私はバレエを習えるだけで満たされていたので、スタートの遅れなどは、全く気になりませんでした。同じクラスの子に追いつくことに必死だったものの、教わったことができなくて苦労することもなく、むしろ苦手を克服したときの喜びや踊ることの嬉しさのほうが勝っていました。

    週に1度の稽古に通い、1回ごとに出席表に絵を描くことができるので、それが1つずつ増えていくことも楽しみでした。しかも1年間休まずに通うと、ロシア製のトウシューズをご褒美でもらえます。まだレッスンでは一度も履いたことがなかったので、たとえ観賞用であっても美しい靴が贈られたときは感激しました。

    バレエを始めてから2年、ようやく待望の練習用トウシューズを手にします。「吉田 都さん」と先生に呼ばれ、直接サテンのシューズを渡されたとき、その1足が未だ見ぬ世界へと導いてくれるパスポートのように思えました。実際に履くのは次のレッスンまでお預け。けれどやっと入手したその宝物は、箱から出して見るだけでは収まらず、こっそり家で試してみることにしました。

    何度も履いているうちに、シューズは少しずつ汚れてしまい、先生に気づかれてしまうのではないかと心配しつつも、ついにトウシューズでレッスンを受ける日を迎えました。その日から今日まで、トウで立ち、踊り続ける日々。私の運命を変えたのは、もしかするとこの一足のトウシューズだったのかもしれません。

    つま先立ちしたときに、見える世界。私が目にするその世界には、今では大勢のお客さまが見守ってくださる客席が広がります。プリンシパルという最高位ダンサーの立場でありながら「主役としてオペラハウスの舞台に立っている!」などと意識して舞い上がってしまうと、到底務まりません。ですから、夢のようなその光景を“自分の日常”だという平常心で見ています。

    それでも、子どもの頃に習ったことのある作品を踊っているときに、ふと当時の気持ちや感覚を思い出すこともあります。初めて舞台衣裳を見たときやバレエ音楽を聴いたときの高揚感。バレリーナに憧れていた子どもの頃の私とプリンシパルとしての日常が、私の中で常に共存しているのです。~『吉田 都 一瞬の永遠』より

     * * *

    物語はこの後、新たな出会い、挫折、ローザンヌ入賞……と進み、現在へと紡がれていきます。小さな一歩から始まったプリンシパルへの道は、振り返ってみれば太い太い一本道へ繋がるものだったことに胸打たれます。

    上記の導入部分で心が震えたかたには、ぜひ最後までご一読いただきたい一冊です。

  • ロイヤル引退前の舞台や練習風景を篠山紀信が写した写真集と、簡単な都さんのバレエの思い出的なエッセイが入ったフォトエッセイ。なんだか編集があまりうまくなくて、ちょっとガッカリ。写真とエッセイの内容ともっと繋がりを持たせてほしかったし、さすがの篠山紀信の写真はもっと大判で見たかったなあ。せっかく良い本が作れた機会なのに、活かせてなくてもったいない。

  • ・バレエは台詞なしで物語を伝えなくてはなりませんから、動きそのものに気持ちを込めて表現しなければなりません。

    ・どんなに辛いことがあっても、自分から辞めたいと思ったことは一度たりともありませんでした。私にとって、そうした挫折や試練は、「何かを追求しなくてはいけない」と思えるチャンスだったからです。

    ・「白鳥の湖」などのクラシックでは体の軸が足の主に乗っている’オンバランス’が多いのですが、マクミランが振付したこの作品ではパートナーに頼って踊る’オフバランス’が多用されているからです。

  • 本日図書館で衝動借りしてしまったのですが、借りて良かった。
    半分以上が篠山紀信さんによる写真です。

    彼女は2010年6月の東京公演で英国ロイヤルバレエ団を退団していますが、
    今もバリバリ活躍中のダンサーがたくさん載っています♪
    返却日まで何度も見て楽しみます。

  • ジーンズで跳ねてる写真が好き。
    プレッシャーは大きければ大きいほど、普段できないことが本番で突然できるようになったりする、という言葉に期待。

  • 激動のバレエ人生をテンポよく軽快に読める。一つのことを極めることの偉大さを感じた。

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著者プロフィール

1965年東京生れ。22年間に亘り、現バーミンガム・ロイヤルバレエ、英国ロイヤル・バレエで最高位のプリンシパルを務めた日本人女性初、世界最高峰のバレリーナ。今もフリーのバレエダンサーとして舞台に立つ。

「2019年 『吉田都 永遠のプリンシパル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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