いのちの言葉 (3.11後の日本へ)

  • 世界文化社
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  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418115143

感想・レビュー・書評

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  • シンプルなんだけど、シンプルゆえに直接心に響く。そんな言葉の数々。
    そして、篠山紀信さんが捉えた表情(写真)は、いずれも子供のような純粋さを映し出していた。

    素敵な言葉の中でも、もっとも心に響いたのは、誰かが人を殺したら、すぐにニュースになるが、母親が子を抱きしめ、大切に育てることはニュースにならないと。それこそが大切なことなのにという一節。
    マザー・テレサの「私は反戦運動には参加しません。平和運動なら参加しますが」という言葉を聞いたときと同じものを感じた。

  • 東日本大震災後の日本人に向けて、復興に向けたメッセージを語ったもの。人のために生きる事が大切と説く。「苦しいのは、自分の悩みばかり考えているから。他人を気遣えば視野が広がり、自分の問題が些細なものに思えてきます。」など。被災地、今回日本を助けてくれた国々、それ以外の世界の人々とのつながりを大切に出来る事を一つ一つしていこうと思えた。

  • チベット仏教の指導者で、中国政府に圧迫を受けているのでインドに亡命政府を樹立されている「ダライラマ14世」から、震災を受けた日本に向けてのメッセージが収録された本です。

    短いメッセージを集めた本ですが、素晴らしい人が語っていると、心に響くものがあります。

    2011年3月の地震では、私はよく揺れるビルの18階にいて、長時間続いた大きな揺れに一時は覚悟しましたが、幸いにも書類が飛び散った程度で、大きな被害もなく運が良かったのですが、東日本の方は復興を乗り越えて大きく羽ばたいてほしいと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・お互いを思うあたたかい心があれば、平和な空気がそこにある、誰かが怒ると、すぐに消える(p20)

    ・無関心、ことに他人への無関心は、もっとも恥ずべきこと(p22)

    ・本当の幸福は、生きとし生けるものすべてに対する愛と慈悲の心をはぐくむことから生まれてくる(p23)

    ・死とは衣装を着替えるようなもの(p41)

    ・来世で役に立つものは、今世でなしたよい行い(p44)

    ・心が愛で満たされているときは、悪いものが入り込む余地が無い(p68)

    ・毎朝起きるたびに「今日はもっといいことをしよう」と決意し、寝る前に一日を反省する(p89)

    ・人生で大切にしていることは、1)ひとりの人間としての務め(思いやり、許し、寛容、知足、自制)、2)宗教家としての務め(宗教観の調和、相互理解)、3)チベット問題に対する務め(p102)

    ・毎朝3時に起床、朝の勤めの後に散歩、5時ころ朝食、9時から書類業務、夜は8時ころ就寝(p103)

    2012年2月11日作成

  • 村上和雄教授の講演会でダライ・ラマ師のことを聞き、興味を持って読んでみた。
    穏やかで愛深くすばらしいことば。
    心が落ち着く。

  •  この本は、ツイッターで紹介していただいたもの。

     理由はわからないが、最近、疲労感が蓄積してきたので、大変、ありがたい本です。

     ダライ・ラマが東日本大震災を受けて、日本人に語りかけた言葉。こういう本がでるのは、やはりダライ・ラマの人気を表しているような気がする。

    ①介護や奉仕は疲れることです。ときに機械的にこなす日があっても自分を責めないでください。何をしないよりはずっといいのですから。(p25)

     この言葉には救われた。疲れてくると、被災者を救うことよりも、復興対策自体を進めること、広めることが自己目的化してしまう。常に戒めているのだが、こういってもらえると救いになる。

    ②起こってしまった悲劇はかえられません。前を向いて、新しい家、新しい町、新しい国をつくっていってください。(p31)

     はい。

    ③人は誰でも、生まれてくるときと、死ぬときには、人の世話になります。世話にならずにすむ時期はせめて人のために尽くすべきです。(p45)

     今日も力を尽くしたい。

  • ダライ・ラマ14世 (著), 篠山紀信 (写真)
    私たち人間はすべて、生まれながらに宝物を持っている。それは、人を思いやるあたたかい心…。ダライ・ラマ14世が、3.11後の日本へ贈る、愛と希望のメッセージ。その言葉が、より重く、より深く突き刺さる。 写真:篠山紀信

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著者プロフィール

1935年チベットに生まれる。2歳のとき、ダライ・ラマ13世の生まれ変わりと認められ、6歳から僧侶としての修行を始める。愛に満ちた教えによって、チベット仏教の世界だけでなく、全世界の精神的なリーダーとみなされる。1989年にノーベル平和賞を受賞。2011年には来日し、東日本大震災の犠牲者を悼む法要をとりおこなった。

「2021年 『こころにいつくしみの種をまく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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