- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784418122202
作品紹介・あらすじ
山には豊かな言葉が満ちている。日本を代美する登山家・田部井淳子による文章と美しい写真で編んだ「目で見る山の小事典」。
感想・レビュー・書評
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山で使う用語や山に関連する単語を、登山家の田部井淳子さんが自身の体験も交えながら解説する。
『登山』『山彦』といった基本的なものから、山の季語や高山の山行で使われる専門用語まで、取り上げられている単語は実に幅広い。
基本的には用語解説なのだが、美しい写真とともに、田部井さんのこれまでの登山経験をさしはさみながら語りかけるような柔らかな言葉で伝えてくれるので、まるでエッセイを読んでいるような気持になる。
登山に興味のある人ならさっそくどこかに行きたくなるのではないだろうか。
私はもっぱら日帰り登山、時々山小屋泊の高山登山、といった程度なので、紹介されている単語は半分ほどしか知らなかったが、十分楽しめた。
登山に興味のない人は「?」と思うかもしれないが、そういう人はそもそもこの本を手に取らないから大丈夫だろう。
惜しむらくは、単価を抑えるためか、最後の50頁ほどがモノクロ頁になっていること。なんだか急にとっつきづらく感じてしまったのが残念である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このガレ場が終わったら、一本立てましょう。
私はお花摘みに行ってきます。
それにしても素晴らしいピーカン、360度の大パノラマ、下りはシリセードが楽しそう。なんて具合に使うのかしら?
すでに幅広く浸透していて馴染みのある言葉や、知っていてもあまり使わない言葉や、山用語満載です。
岩登りなど専門用語は、実際の山の写真が例に挙げられていて非常にわかりやすいです。 -
山に纏わる言葉を、写真付きで簡潔に解説している、単語帳。山に行く前、行った後、読みたくなる。これは、買い!
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この本は買うものだわ。借りるモンじゃぁ無いわ。とは言え読んじゃったからなぁ・・・買うのかなぁw たまにふと読んで見るのがいいかな。
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自分はインドア派で、普段登山はあまりしないのですが、
ふいに山の景色がみたくなることもあります。
そんなときは山に関する本を読んで、卓上旅行ならぬ、
卓上登山をするようにしています。
今日読んだ本『山の単語帳』も卓上登山の一環だったのですが、
これがかなり当たりでした!
本書は、山や登山に関する用語を「山ガール」にもわかるように解説するというコンセプトの本ですが、写真付きで用語を解説してくれるのがありがたい。
しかも写真も凝っていて、「逆さ富士」などの解説は写真もかなり綺麗で読むと、つい山へ行きたくなります。
解説してくれる用語は、梅雨明け10日などの日常で使える話も多く、へーと思いつつ読み進めてしまいました。
お手洗いに行きたいときの隠語としての、雉撃ち、お花摘みなどの言葉って、登山から来ているんですね。
森林浴が身体によい理由として植物が出す揮発性の物質フィトンチッドの話や、オコジョが日本に生息していることなど、山に詳しい人には常識かもしれないことが、普段山に行かない自分にとっては興味深く感じました。
本書は、写真をながめるだけでも癒されるし、同時に登山にも詳しくなれる。
まさに登山初心者に二度おいしい一冊でした。
オススメです! -
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB07299833
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「山ガールが覚えておきたい山のことば7つ」
山岳用語には日本語・英語・ドイツ語・フランス語などが入り混じっているそう。今回はなかでも山ガールが覚えておきたい山のことばを7つお届けします。山のことばを教えてくださるのは、女性で世界初の7大陸最高峰登頂を果たした田部井淳子(たべい・じゅんこ)さんです。
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■水場(みずば)
山のオアシス。飲み水が確保できる地点のことです。沢や湧き水、雪渓から滴る水もあります。山では水場がないとテントが張れないので本当に貴重な場所です。汗をかいて歩いてきて水場で冷たい水を飲むと今までの疲れが吹き飛びます。
■ガラ場、ガレ場(がらば、がれば)
やや大きめの石で埋め尽くされた崩壊した斜面のことです。こんな場所につけられた登山道では浮石(不安定な状態で積み重なった石)や落石に注意が必要です。こういった場所では途中で休まずになるべく速やかに通過しましょう。
■尾根(おね)
2つの谷を分けて高く連なる部分のことです。登山口から取り付いて尾根に出ると登るにつれてぐんぐん眺めが良くなります。
■バカ尾根(ばかおね)
ひどい呼び名ですが、だらだらと長い登りが続く尾根のことです。丹沢塔ノ岳の大倉尾根などがこう呼ばれます。
■偽ピーク(にせぴーく)
頂上の手前にあって本当の頂上とまちがえやすいピークのことです。あそこまで行けば登りから解放される、とぬか喜びしないように気をつけましょう。
■稜線(りょうせん)
山頂から山頂へと続く尾根のことです。尾根のことを稜線という場合もあります。展望の良い稜線を景色を楽しみながら歩くのを「稜線漫歩」といいます。北アルプスなどの雄大な稜線歩きは大好きです。自分まで雄大になったような気分になれます。が、雷が鳴ったら即、稜線からは下りましょう。
■ラク!(らく)
落石を起こしたり、見つけたときに、下の登山者に注意を促すために発する警告です。落石の「落」から。偶然ですが、英語のrock!と発音が似ているため、外国人にも伝わるようです。
~『山の単語帳』(田部井淳子・著/栗田貞多男・写真)より
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山で使う語彙は多種多様にあり、これはほんの一部分。岩登りや沢登り、冬山の要素も取り入れて、写真とともに解説をした『山の単語帳』。山ガールのイメージトレーニング(?)にもおすすめです。 -
美しい写真と単語の説明.単語の数は多くないけれど,日頃よく使う,当たり前だと思っていた山用語を再確認できた.「偽ピーク」の説明が好みでした.