今森光彦の里山さんぽ図鑑

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  • 世界文化社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418135059

作品紹介・あらすじ

今、里山が再び注目されています。生物多様性の問題に加え、身近な自然を未来に残そうという運動が活発化していることがその背景にあります。本書は、里山を散歩するときに役立つ、見るだけでも楽しい実用図鑑であり、また、里山の魅力を今森さんの写真と文章で綴った美しいガイドブックでもあります。里山さんぽに最適の一冊であると同時に、自然好きの方へのプレゼントにも最適です。

感想・レビュー・書評

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  • 里山の写真がとてもきれい
    あたたかさを感じる風景がとても良かった。

  • 「雑木林の魅力を訥々(とつとつ)と語ってみる」

    本日のコラムは、都市部のビルの谷間に埋もれているかたにぜひご一読いただきたいもの。こちらは写真家の今森光彦(いまもり・みつひこ)さんが書かれた文章で、密かなブームになっている「里山ウォーク」を図鑑としてまとめた書籍のなかからの一節。

    少し手を止めて言葉が案内する空気感に思考を導かせると、雑木林から漏れる光やさざめきを感じられることでしょう。

     * * *

    こずえの木々の葉が揺れて、さらさらと音を立てています。風通しがよく光が差し込む雑木林は、いつも整然とした美しさで迎えてくれます。耳を澄ますと、シジュウカラやイカルなど、いろいろな小鳥の声が聞こえてきます。木々の奥に目をやると、新緑の葉の中をぬうように飛ぶ、黒いチョウの姿。これは、林内に咲くヤマツツジの蜜がお目当てのクロアゲハです。

    雑木林では、春夏秋冬、どの季節でも、数多くの生きものに出会うことができ、期待を裏切られたことがありません。生命につつまれるような心地よさ、このことが雑木林の一番の魅力でしょう。

    それと、雑木林には、もうひとつの見所があります。それは人の気配。雑木林は大自然の森に見えますが、実は、人が丹誠を込めて世話をしているのです。

    林内をよく見ると、小道が続いています。この小道は、もともとシイタケを栽培したり、薪をとったりするため、農家の人がつくったもの。生活のなかに息づく雑木林は、十数年に一度伐採され、生まれ変わります。

    四季の変化と、十数年をサイクルとする成長。雑木林の豊かさは、人と自然が手を取り合ってもたらされます。

    ~『今森光彦の里山さんぽ図鑑』より抜粋

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プロフィール

1954年滋賀県生まれ。写真家。大学卒業後、独学で写真技術を学び1980年よりフリーランスとなる。故郷の琵琶湖周辺の里山を舞台に、30年にわたり自然や人の暮らしを撮り続けている。1992年に発表した写真集『里山物語』は、里山が世の注目を集めるきっかけとなった。全国の里山の撮影に取り組む傍ら、自身の所有する雑木林を「萌木の国」と名付け、子どもたちに向けた昆虫教室や植林活動にも取り組んでいる。一方、熱帯雨林から砂漠まで、広く世界の辺境地の取材を重ねている。主な受賞歴に、第48回毎日出版文化賞、第20回木村伊兵衛写真賞、2005年日本写真協会年度賞、第28回土門拳賞などがある。

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