歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん

著者 :
  • 世界文化社
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本棚登録 : 180
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418135080

作品紹介・あらすじ

恋愛小説などの復刊ブームにより、女性の間で大ブームを巻き起こしている田辺聖子さん。<br/>そんな中、今感じていることを語りつくした、この時代だからこそ生まれる思いを語りつくしたエッセイ集が登場です。<br/>歳月を重ねた今だからこそ、見えてくるもの……田辺聖子さんがすべての女性に向けて、伝えたい言葉が、ここにあります!

感想・レビュー・書評

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  • この一冊を読む間に何度泣いたことか。ぐっと心に迫ってくる言葉のあまりの優しさにたまらなくなってしまうこと多々。嗚呼。おせいさんに言わせると、私なんてまだまだ子どもなのだろうな。1年後、5年後、10年後、20年後…少し経験を積む度に引っ張り出して、再度この優しい言葉たちに包まれようと思う。永久保存必至。

  • 田辺聖子はいかなるときもユーモアを忘れずに過ごすことができる達人です。
    カモカのおっちゃんも少しでてきて嬉しかった。

    うん、うん、と頷きながら読んだ本。
    読者それぞれの年代で感じるものがあると思う。

    刺さったフレーズ
    目の前にあるものだけが自分のすべてとおもうことを「未熟」というのです。


  • 私の来し方の中で、いつも懐い笑顔で寄り添ってくれたのが
    田辺聖子さんのご本でした。

    最近では昔執筆されたお作が新たな装丁で出ているようです。
    この本はわりと最近のエッセイ。
    女性雑誌に聞き書きで連載されたそうです。

    優しい言葉でご自身が大切になさってこられた
    生き方のコツを話されています。

    でも、優しいのと甘いのは違っていて。
    ただふわりふわりしてるだけの口当たりのいい言葉じゃないのが
    本書の魅力だと思います。

    田辺さんのご本の中で、私はこれが、一番したたかで、いい意味で
    骨のある表現をされているなあと感じることが多かったです。

    小説やエッセイでも鋭敏な観察眼や人生の滋味を知る姿勢を
    表してこられましたが、やはり小説という世に広く読まれたい形式の時は
    そういう慧眼の鋭さをマイルドにしておられたんだなとはっとしました。

    文章そのものは大変行き届いた、優しさに満ちたものですが
    やはりオトナとして人生を渡り抜いてこられた方の骨太さや
    言うことはきちんと言う姿勢が出ていて興味がありました。

    年齢を重ねられて、嫌な感じでなく闊達さが加わった印象ですね。

    女性向けですが、気軽に男性にも読んでいただきたい。
    読みやすいので、あっという間に読み終わります。

  • 女性としての基本の「き」に立ち返らせてくれる、優しいエッセイ。心がほぐされるような著者の言葉がすっと入ってきました。

  • 田辺聖子さんが今、どうしていらっしゃるのか
    ずっと気になっていたので、この本が出てホッとした。
    去年のインタビューをまとめたとあるので。
    女性誌で連載していたことを全然知らなかった。
    こうして本にしてくださって感謝!です。
    聖子さんの優しい語り口調に、私は冒頭から涙です。
    とっても胸に沁みました。
    85才の聖子さんは女としての大先輩。
    そのお言葉を胸に、私もまだまだ人生たのしみたい!
    そう思わせてくれる、元気のでる本です。
    すべての女性におすすめ!

  •  女学校を卒業し、19歳で金物問屋に勤め始めて、36歳で芥川賞をとるまでの間、投稿して落選した原稿で行李はいっぱいに。38歳で結婚していっぺんに4人の子持ちに。田辺聖子(1928.3.27~2019.6.6)「歳月がくれるもの」、2013.6発行。①女性は言葉を欲しがるけど、男の誠実は言葉にはない。日常の小さな振る舞いに人柄(誠実さ)が現れるもの ②挨拶は人生の勉強。なにげないやりとりの底にいろんな気持ちが含まれている ③桜が咲いた。それだけなのに、様々に思いが巡るのは、やっぱりそれだけ歳月を重ねたから。

  • 女性誌の連載をまとめたエッセイ集。
    読んでいるだけでも、楽しい気分になる。
    家族や仲間と美味しいものを食べて、笑って過ごす。何でもないような大切なことを、ちゃんと教えてくれる本でした。

  • 芋たこなんきんのドラマをみて 久々読んでみました。
    おせいさんらしく、からっと振り返らない一言一言が良い

  • 10代20代の頃田辺さんのエッセイも小説も大好きで
    たくさん読んだ。
    久しぶりに田辺さんの文章を読んで
    あー、この柔らかな関西弁、やっぱりいいなあ〜
    と嬉しくなった。

  • さくっと読めて、こころが休まりました。
    2017.12.16

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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