かの名はポンパドール

著者 :
  • 世界文化社
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本棚登録 : 110
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418135103

作品紹介・あらすじ

時代は18世紀のフランス。平民の身分ながらブルジョワ階級の娘として貴族の子女以上の教育を受けて育ち、16歳で社交界にデビューするやパリ中の評判となり、その美貌と知性でルイ15世の心を一瞬にして奪ってしまったジャンヌ・アントワネット・ポワソン。ルイ15世の寵姫、ポンパドール侯爵夫人となり、フランスのみならずヨーロッパの芸術、文化の発展に目覚ましい貢献を果たし、事実上の宰相・外相の役目まで務めた、ポンパドール夫人の類い稀な活躍を華麗に描きます! 自らの努力と才覚で果敢に生き抜いたポンパドール侯爵夫人の前向きでひたむきな生き方は、現代を生きる女性たちへの含蓄のあるさまざまな示唆に富んでおり、時空を超えて女性読者が共感できる歴史小説です。ポンパドール侯爵夫人の輝きを物語る貴重な資料として、ポンパドール侯爵夫人の肖像画をカラーで多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • 公式寵姫というものを知ったのはベルばらでの「デュバリー夫人」だった。
    (誇張はあれども)初めての「寵姫」の印象は何だか嫌な女だな~~という感じで、ルイ15世に対しても若干嫌悪感・・・
    ところがポンパドール侯爵夫人の肖像画を見てびっくりした。こんな知的そうな物静かそうな人が(あの)ルイ15世の寵姫???
    そして最近になってまたしても「公式寵姫」というフレーズに出会う。それが、マリアテレジア・エカテリーナ女帝・ポンパドール夫人の「ペチコート作戦」だった。
    ここへきて一気に彼女に興味をそそられこの本を選んだ。

    小さい頃から頭のいい女の子だったのだろう。
    ルイ15世との出会い方や彼女の選ぶ言葉に、大きな野心も垣間見える。そして、自分のより良い見せ方を良く知っている人だったのだろうな。

    寵姫といえども、早い段階で男女の関係を断っていたというのにびっくりした。彼女の強さや奥ゆかしさ、聡明さを知るにつれ、ルイ15世にとっては体の関係がなくとも魅力的な存在だったことも頷ける。

    しかし、時代は波乱を含んだ革命前。。。
    あっちでもこっちでも権力争いや足のひっぱりあい。
    この時代、信用できる人なんていたんだろうか???
    中でもモールパ伯爵とのやり取りが読み応えあった。
    あ~~これがベルサイユだったんだな。と。

    陰謀や策略、自分自身も翻弄しつつ、最後の最後、彼女は幸せだったのだろうかと思わずにはいられない。
    そして落胆せずにはいられない彼女が息をひきとった後のルイ15世の言葉と態度。結局は孤独な寂しい王様だったのだろう。。。

    現在でも彼女の肖像画がたくさん残っていて嬉しく思う。
    いつか、ベルサイユ宮殿にも、プチトリアノンにも行ってみたいなと思う。

  • H29/8/12

  • フランス革命前にこんな女性がいたのか…正に彼女とルイ15世の出会いが、ある種革命への揺籃となったのではないだろうか。

    寵姫の意味合い、ペチコート外交などなど歴史的にも勉強になった。

  • 革命前夜のフランス版「大奥」!
    読物としてたいへんおもしろかったです。
    佐藤賢一さんの作品はしっかりとした骨のあるものが多いと思います。「小説 フランス革命」らは好きなのですが読むのに時間がかかってしまいます。
    しかしこの「かの名はポンパドール」は初出が女性向け雑誌連載だからか、スルスル読めました。

  • 2015/05/23完讀

    龐帕度夫人ジャンヌ・アントワネット。出身布爾喬亞階級,在一次撞見王的狩獵車隊後,路易十五世對她的美貌留下深刻印象。國王寵姬身故後的化妝舞會,全法國女性無不摩拳擦掌,但國王對她伸出了手,開始了受寵信的人生。一開始雖然被歧視忌妒,但為整個凡爾賽宮帶入新的流行和歡樂的氣息(小劇場),堅信自己可以開創自己的命運,驚滔駭浪中將前仆後繼的政敵與陰謀一一擊破。雖然一度發現自己不過是モールパ伯爵陰謀下的棋子,但也最終將他擊退,努力地想證明自己的信念,只要努力是可以扭轉一切的,無論身分或性別,她也漸漸獲得國王的絕大信任。建設了士官學校和セーヴル窯,保護文人(百科全書那段被禁那段,夫人想出讓國王自己看內容的招數實在很有趣)和啟蒙主義(因此被耶穌會和王太子路易怨恨),建立Belle-vue城等等,但也一身承受任何國王失政的攻擊。後來她向國王坦承性冷感後,國王對她轉成友情禁止她搬出凡爾賽宮,許多陰謀家又對寵姬位虎視眈眈,但她一一度過驚滔駭浪,不過女兒和親人也在這段時間離世,讓她陷入悲傷之中。三百年來的敵人奧地利要求同盟(當時宮廷幾乎都是親普魯士派,但此時法國正要和英國開戰,普魯士策畫與英國結盟),龐帕度夫人以女性的直覺認為奧地利女帝是正確的,開始她的"干"政之路,在她的房間漸漸變成閣議之處。後來因為答應太子妃拯救被普魯士併吞的薩克森首都德勒斯登出兵,釀成七年戰爭,法國和英國交戰也終告失敗,但龐帕度夫人在這段期間內掌著法蘭西的大舵,努力地將傷害降到最低。後來發生路四十五遭刺事件,她一度有被太子派逐出凡爾賽宮的危機,但國王還是最相信她,陰謀遭滅。國王為她建設小特利安農宮,想和她一起在那裏安享農家樂,然而1764年她在國王的看病之後藥石罔效,結束二十年的寵姬和四十二年的生涯。
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    這本的人物塑形,最有趣的其實是路易十五,他和龐帕度夫人和氣靄靄的相處和對話的場景讓人心頭一暖。路易十五對夫人有絕對的信任,也在許多地方都很為夫人設想,其實非常溫柔。雖然也會在外酖於肉慾曾想把夫人撤離寵姬之位或在枕邊細語之下寫下放逐的私信,但這兩個命運共同體終究還是有超凡的「絆」,夫人悲傷或生命時國王一定相伴,國王無助時夫人也挺身而出幫忙解決。最終遇刺後陰謀家包圍者路易十五不讓他見夫人,但傷勢平穩後,第十一天他還是推著咖啡車若無其事地出現在夫人的房間。

    此外,整本書不知為何有一種輕快洛可可風的感覺,雖然不斷有各種歧視、陰謀,但不知為何讀起來非常歡樂,相較於厚重的法國大革命那一套,這部好像是前傳,也是相當有趣的小品。龐帕度夫人為有許多沉重傳統的凡爾賽宮注入布爾喬亞積極活潑的新血,改變法國三百年來政策和奧地利同盟,之後的瑪麗安東尼才會嫁過來;因為她不惜重金育成セーヴル窯,法國才有機會成為瓷器輸出國;因為她獎勵文藝保護前衛知識分子,知識分子才得以暢所欲言,許多諸如法意(這也被耶穌會抗議並禁過)、百科全書等等才得以問世。雖有大興土木之嫌,但她建設的士官學校、她的美意識的極致艾麗榭宮仍流傳至今。法國自詡為正義的國家出兵薩克森,但後來也因為這樣的價值觀出兵協助美國獨立,後來也成為財政難,成為法國大革命導火線之一。一切都是有聯結的。另外我覺得這個結尾寫的真有韻味。
    「確かなことは、革命に先駆けて、ひとつの時代が存在したということである。美がすべてを支配したロココの時代ーといえば、もはや一面的でしかない。それは美しくあることを突き詰めていくうちに、新しい価値を、それも不朽のものとなる価値を、思いがけずも発見した時代だった。
    百科全書然り。ポンパドール侯爵夫人のセーヴル陶磁器は、今日まで高名を博している。
    もてなしの粋を極めたパリの屋敷、当時はエヴリュー館と呼ばれた建物とて、今はエリゼ宮と名前を変えながら、フランス共和国大統領官邸となっている。
    その肝煎りで設立された陸軍士官学校といえば、シャン・ドゥ・マルスの名前で知られ、こちらも今なおエッフェル塔の足下に緑の芝生を青々と繁らせている。
    あるいは後の世に受け継がれたのは、生まれの高低に関係なく、男女の違いさえ越えられない壁とはせずに、己の努力と才覚で道を切り拓くという、果敢な生き方のほうが。いずれにせよ、それまでなかったものが、それからもあるように作られた時代が、革命に先がけて存在した。
    ーーかの名はポンパドール。
    それはポンパドール侯爵夫人の世紀だった。

  • 「新しい女の形を体現したロココの女宰相」

    平民の子として生をうけたジャンヌ・アントワネット・ポアソンはその類いまれなる美貌で、セナールの森に狩りに来ていたルイ15世の目にとまり、その寵姫としてヴェルサイユに迎えられる。権謀術数渦巻く中、深い教養と機知を以ってルイ15世の信頼を得たジャンヌはポンパドールの名を与えられ、ロココの女宰相としてヴェルサイユに君臨する。

    世に名高いブーシェの作品をはじめ、口絵にはこれでもかと言わんばかりに美しいポンパドールの肖像画が掲載され、単なるシンデレラストーリーかと思いきやそこには18世紀フランス宮廷のドロドロの陰謀劇が…。ポンパドールはルイ15世の寵を得ようと野望をもってその渦の中にみずから飛び込んでいく。

    彼女のすごいところは、単に国王の閨房の相手としてだけではなく、宮廷を牛耳る政治家たちともわたり合える影の政治家でもあったことだろう。ましてやこの佐藤版ではポンパドールは蒲柳のたちで不感症という女性としては致命的な欠陥を抱えていたとある。それがカミングアウトされた時点で本来は宮廷を去るべき身であるにもかかわらず、彼女に厚い信頼を寄せていたルイ15世は彼女をヴェルイユに残す。

    〈「いいえ、そうではありません。これは新しい挑戦なのです。ええ、抱かれるだけか女の価値じゃないはずだもの。それなしでも、いる意味があるはずだもの、ええ、ええ、わたくし、挑戦してみます。ポンパドール侯爵夫人という、新しい女の形の創造に」〉

    彼女はその決意のままに、率先して、イエズス会と対立していた啓蒙思想家や文芸家、芸術家たちのパトロンとなり、セーブル焼などの磁器産業を奨励した。政敵を宮廷から追放させ、外交においては長きにわたり敵対していたオーストリアとの同盟を結ぶことに力を尽くし、あまつさえ艶福家である国王の情欲の後始末まで買って出た。旧態然としたロココの宮廷にポンパドールは時代を先取る新しい女の形を体現してみせたのだった。

    今一度表紙、ブーシェの描いたポンパドールの肖像画を見る。おそらく彼女の宮廷人生のうちもっとも円熟し輝いていた時であろうこの画の、その表情からは、単に「寝るだけの女」ではない、凛とした知性と機知が宿っているのが見て取れる。その部分に光をあてた本書は今でこそ、女の価値を底上げした女の人生として読むことができる。しかし彼女の死の直後厚い信頼を寄せていたはずにもかかわらず、「ポンパドール侯爵夫人の働きには感謝する」とのみ言い「寝るだけの女」をさっさと新たな寵姫に迎えたルイ15世の反応に、歴史の上での彼女の登場が早すぎたことを悔やむばかりだ。

  • ポンパドール夫人のことをあまり知らないまま読む。
    この当時の女性では、破格の待遇。そして前人未到。
    彼女がこの時代に生まれ、この責務を負うということ。数奇な運命に巻き込まれ、沈みそうになりながらも、泳ぎ切った姿に感動しました。
    彼女が虚弱体質ということも。余計に。
    ただ政治、戦争で失われる命って、トップには本当に数字でしかないんだなと。恐ろしいなと思う。
    この後に待ってるフランス革命も、ポンパドール夫人、そしてマリア・テレジア女帝など、それまでにあまり見ないぐらい政治に携わった女性たちが布石になっているのだと思いました。

  • フランスのロココ時代のお姫様といったら、贅沢三昧で王の気をひくことしか考えていないものかと思っていたけど、どんな時代でも女らしさに縛られず力を発揮する女性がいて。
    その女性の魅力を理解できる国王もいた。

  • カタカナの名前に苦手意識があって、この時代の話は疎遠でしたが、読んでよかった。フランスに行ってお城を見に行きたいなぁ。

  • ルイ15世の寵姫ポンパドール夫人の生涯。マリードメディシスといい佐藤賢一はフランス女性描くのが好きですね。ポンパドール夫人の宰相執政は夫人が悪いというかルイ15世が政治に興味が無いグズだったせいで、まぁ本人ばかりが悪い訳では。啓蒙主義者として百科全書の後ろ盾になったり、セーブル磁器を立ち上げたりと、ロココの豪華絢爛を彩ったゴスロリ推奨の女傑です。

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