もうひとつの京都

  • 世界文化社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418165100

感想・レビュー・書評

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  • 尊敬するアレックス・カーの、京都についてのエッセイ集。
    観光客的な視点から、もっと日常に近い感覚で京都の街を歩き、ふすま・屏風・門といった特定の建物部分や物から、日本の文化思想的なもの、カー自身が思い巡らしたことについて書いている。

    写真と紋切り型のガイドブックに飽きたら、このような本をガイドのお供にしても面白い。

  • ただ観光にいくだけでは分からない、京都にある神社仏閣などあらゆるものにどんな意味があるかが見えてきます。旅にいくとき、こういうことが分かったら最高に面白いんだろうな・・・、と思います。

  • 米国生まれの東洋文化研究者の随筆。かつてブルーノ・タウトは桂離宮の美を世界中に発信しましたが、この随筆は、作者の感性が美しいと感じるものを個性的な捉え方で語っている。私たちにとっては当たり前の見慣れたものの美しさを再認識させてくれる。

  • 日本在住40年を超える東洋文化研究家による京都、日本文化解説。一般的な京都案内ではない。神社仏閣、家屋、風習等を説明するのではなく、たとえば「門」「塀」「床」「襖」等の切り口で解説、それは日本人にとってはわかりきったこともあるが、別の視点を通してみると全く違った側面、発見があることに気づかされる。観光ガイドではわからない塀に関する細部にわたる解説等、京都通、日本の文化に精通している日本人でさえ気づきにくいことを解説してくれる。それは著者自身も述べているとおりある部分では独創的、独善的なところもあるが「外」の視点ーー西洋文化ーーを通してみるとそのように感じるのかと驚かされる事も多々あった。
    いろいろな神社仏閣を取り上げながら解説しており、私にとってはとても身近な京都の身近な神社仏閣なので頭の中で建物や街を思い描きながら読み進められ面白かった。たとえ京都や述べられている事物に馴染みがなくとも多くのイラストが添えられておりわかりやすい。今までにない別の視点からみた京都、日本文化論だ。

  • 京都にいるのに何も知らない。地元京都を見つめ直さざるをえなくさせる一冊。帰ったらあそことあそことあそことあそことあそこに行かないと。街や建物を見る目も変わる。

  • 米国人のアレックス・カーが京都にあるのに見落とされがちな美を優れた審美眼で見いだし、アジア全般に及ぶ造詣を踏まえて語るーもうひとつの京都ーです。40年余りを主に京都の亀岡で過ごしているとはいえ、よほどの知性と感性、そして記憶力がないと、これだけのものは書けません。立派な比較文化論です。蕪村は好きな俳人ですが、あそこであの一句が出てくるのが羨ましい。そして、塀に関する一章が秀逸です。

  • 2016/11/1

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著者プロフィール

1952年米国メリーランド生まれ。1964年に初来日し、1966年まで父の仕事の関係で横浜の米軍基地に住む。1974年エール大学日本学部卒業。日本学を専攻、学士号(最優秀)取得。1972~73年まで慶應義塾大学国際センターでロータリー奨学生として日本語研修。1974~77年、英国オックスフォード大学ベイリオル・カレッジでローズ奨学生として中国学を専攻。学士号、修士号を取得。著書に、『美しき日本の残像』(新潮社学芸賞)、『ニッポン景観論』などがある。日本の魅力を広く知らしめる活動を展開中。

「2017年 『犬と鬼 知られざる日本の肖像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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