- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784418195039
作品紹介・あらすじ
心にしみる万葉の歌、1日10分なぞり書き。「万葉集」から厳選した103の歌を一首一首読み、筆ペンとえんぴつで書き写していく本。各歌にはもちろん、現代語訳と解説がついています。新元号「令和」の典拠となった巻五・序文も巻頭に収録。「初春の令月にして・・・」で始まる、あの情景豊かな一節を、あなたの手で書き写してみませんか。
※本書は2006年刊『自分で書く わたしの万葉集』に新たな内容を加え、再構成したものです。
感想・レビュー・書評
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日本最古の歌集である「万葉集」から選り抜かれた103首(+元号「令和」の典拠となった一文)を、なぞり書きできるという趣向の本です。
最低限の振り仮名や現代語訳と解説もついていて、響きや意味を辿りながら一日一首を追っていけます。
鉛筆と筆ペンで書き写していく前提ですが、私はボールペンと万年筆でなぞりました。たまたま最近カラーの万年筆を入手していたので、意味や響き、想像した情景などによって6色から選んで楽しみました。
鉛筆用をボールペンでなぞる分には違和感ありませんが、筆ペン用の下書きを万年筆でなぞっていくのには若干物足りなさはありました。それでも筆ペンも万年筆も、力加減を変えることで強弱をつけられる筆記具ですので、つづけるうちにだんだんと興が乗ってきました。
いままで通読した和歌の歌集は、小倉百人一首(鎌倉時代に編集。飛鳥時代~鎌倉時代までの歌を収録)くらいだったので、各時代に共通する時代の空気感はさほど感じていませんでしたが、こちらをなぞり書くことで万葉集の時代(奈良時代末期に成立)の歌のおおらかで素朴な雰囲気を感じることができました。百人一首に収録された歌でも、平安時代くらいの歌になると技巧面での進歩が目立ってくるように思えますからね。
昔、この手のなぞり書き本で漢詩を扱ったものを購入したことがあります。そちらは正直、10年以上かかって完走しました。その記憶があったため、これもいつ終わるかと自分をまったく信用せずに「いずれ終わればいいかな」くらいの期待でしたが、2023年5月11日にスタートして、103首を写しきったのが2023年9月3日。自分を誉めたいです笑。
※漢詩がつまらなかったということでは決してありません。楽しかったのですが、当時けっこう忙しすぎた…。
和歌をすきま時間で、それでも丁寧に、味わいたいかたにお勧めします。
私が次にまたなぞり書きを楽しむなら、今度は古今和歌集か新古今、あるいは詩歌から離れて般若心経とかを書き写したいです(般若心経だと書写というか、もはやしっかり写経ですねー)。詳細をみるコメント0件をすべて表示