新選組検定公式ガイドブック 最新版

菊地明

• 世界文化社 (2020年3月30日発売)

作品紹介・あらすじ

今年は「新選組」の年！
５月には岡田准一さん主演の「燃えよ剣」が全国公開、
そして８月にはこれまで５回開催されている
「新選組検定」が東京・大阪・福岡で開かれます。
本書はその公式ガイドブックになります。
４級から１級の「過去問」もついているので、
腕試しにトライしてみてください。

感想・レビュー・書評

[tokudaidokusho2さんの感想 · 2020年7月15日]

　幕末・維新期…それは戦国時代とはまた違った意味で動乱の時代でありそんな時代に活躍した新選組は現在において知名度が高く人気があります。そして新選組がモデルとなったキャラクターもなかなか多いです。
　この本はそんな新選組について四章構成で解説した本となってます。
　第一章には新選組の誕生からその終わりまでが出来事ごとに見出し付きで紹介されています。歴史の教科書に載るほど有名な池田屋事件は勿論，なぜ彼らが上洛するに至ったのか，なぜ彼らは衰退していったのかもわかる内容となっています。私が一番印象に残ったのは彼らの衣装についてです。新選組というと浅葱色のだんだら羽織を思い浮かべます。しかし実際にはその派手さ故に隊士達が着用することはあまりなかったそうです。それが今や新選組のイメージとして大衆に浸透しているのはなかなか面白いことだと思いませんか？
　第二章には新選組の強さの秘密について項目ごとに記されています。例えば新選組を新選組たらしめていた局中法度。これは犯した者は切腹という非常に厳格なものでしたが、この厳格さが隊士達の士気を上げ質を底上げすることに一役買っていたそうです。この他にも隊士達の入隊基準や訓練法，資金のやりくりの方法などが紹介されています。
　第三章には新選組の隊士達の紹介が載っています。近藤勇や土方歳三，沖田総司といった有名な人たちは勿論途中粛清されてしまった芹沢鴨や伊藤甲子太郎，明治まで生き抜いた斎藤一や新選組顛末記を遺した永倉新八などの生い立ちや人物紹介がされています。
　第四章には新選組検定の過去問が載っています。新選組検定は今年第六回目が行われる予定の検定で最近新選組に興味をもった人から新選組関連の書籍を一通り読み専門家レベルの知識を持つ人まで楽しむことができる検定です。4級から1級までそれぞれ隊士・組長・副長・局長と名前がついています。
　このようにこの本は一冊で新選組がどのような組織で何をしたのか，どんな人達がいたのかがわかる新選組の魅力の詰まった本です。新選組に少しでも興味のある人はぜひ読んでみてください。

HN：mia
蔵書：なし
2020/7/15

著者プロフィール

昭和26年（1951）、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。新選組を視点にした幕末維新史の研究を在野で続ける。新選組検定運営事務局主催の「新選組検定」（第１回～第５回）の監修を担当。新選組をテーマとした著書に、『新選組謎解き散歩』（新人物文庫）、『新選組謎とき88話』（ＰＨＰ研究所）、『新選組の新常識』（集英社新書）、『土方歳三日記（上・下）』（ちくま学芸文庫）。共編に『新選組日誌（上・下）』（新人物文庫）などがある。

「2020年 『最新版　新選組検定公式ガイドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」