東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)

著者 :
  • 世界文化社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418202201

作品紹介・あらすじ

本書は、東京藝術大学で実際に行われている
講義に基づいて作られた西洋美術の入門書です。
通史的に作品を概説するのではなく、
著者の視点で選んだ個々の作品について、
そこに込められたメッセージをわかりやすく読み解きます。
クローズアップや補助線の導入など、
読者の理解を助けるビジュアルも多用。
楽しみながら、知らず知らずのうちに
鑑賞眼が鍛えられることを意図しています。
カルチャー・センターなどでは学べない作品も多数掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 入門書となっていますが、芸術について造詣のない身としては少々難しいです。

    通常の作品を紹介する本とは違い、作家同士の繋がりや影響、人生的なところまで、確かに講義だなぁと思います。

    ゲインズバラ、レノルズ、ロセッティ、ミレイは興味深く読み返しました。

  • 【聞きたい。】佐藤直樹さん 『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』 - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/210411/lif2104110009-n1.html

    『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』が刊行されました - 東京藝術大学西洋美術史研究室
    https://geidaiseiyo.tumblr.com/post/641887589252710400/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E8%97%9D%E5%A4%A7%E3%81%A7%E6%95%99%E3%82%8F%E3%82%8B%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E7%BE%8E%E8%A1%93%E3%81%AE%E8%A6%8B%E3%81%8B%E3%81%9F%E3%81%8C%E5%88%8A%E8%A1%8C%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F

    東京藝大で教わる西洋美術の見かた・佐藤 直樹 (著) - 世界文化社|書籍・ムック
    https://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/20220.html

  • タイトルにある「西洋美術の見方」からは、印象派をはじめとする、誰もが知る画家や作品をとりあげてその見方を開設する本だろうと思うのが通常だと思うが(私もそう思っていた)、本書では印象派については一切出てこず、誰もが知る作品としては「モナリザ」のみ。

    古代ギリシャの彫刻から中世の西洋美術がどのような影響を受けたのか、とかそこから発生したルネサンスが切り開いた表現の方法、古典主義とロマン主義を経てモダニズムまでの流れ等々を、ジョット、ファン・エイク、ラファエッロ、デューラー、ダビンチ、レノルズ、ミレイ他、一般的には無名か、あるいはあまり有名でない作者の作品を取り上げながら、時には相互の関連も含め体系的に紹介している。

    作品の写真も豊富で、注目ポイントも拡大したり、あるいは矢印や丸で囲う等、わかりやすくかつ見やすく配置されている。
    加えて本文中で別章で紹介されている作品に言及する際には、それが掲載されているページ数も記してあるので、すぐに探せるところも配慮が行き届いている。

    世に多くある西洋美術の見方については、それはそれで重要かつ有用なものであることは間違いないが、本書のようなそれらとは異なる独自の視点で、他作家からの影響にも言及した解説も併せて知ることで、両者が相互補完的な働きをし、西洋美術の見方がより立体的になるのでは、と思った。

  • 芸大生ってこういう勉強をするのか。
    知らない画家や作品に触れることができたのはこの本ならでは。

    やっぱり目を奪われるのはカラヴァッジョ。
    どの美術本を見ても変わらない!

    あとデューラー。
    デューラーの自画像は何で一度見たら忘れられない程印象に残るんだろうと思っていたが、それが少し分かったような気がする。

    美術史やアカデミーなどの知識がほぼない私には高度な一冊だった。

  • 西洋美術を横断的に捉えた本。ナザレ派、ラファエル前派など、美術に詳しい人でないと知らない単語が盛りだくさん。

    それでも私には、とても面白かった。出来れば、取り上げた絵画、建築、写真を別冊資料集にして欲しいくらい。

    特に印象的だったのはダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体」をデューラー自身も作成していたこと。デューラーはダ・ヴィンチと交流がなく、イタリアの工房では秘密にされていたもの。デューラーは古代の参考になる彫像なく、独学で理想的人体比を研究していたことになる。分野は違うが、「収斂進化」という言葉が頭に浮かんだ。
    ルネサンスが明るく開放的なイメージとはかけはなれたものであったことも驚き。

    またブリューゲル(父)の絵画の視点の定まりにくさを「染み」が散らばることで定まりにくさを理論的に説明したゼードルマイアの研究には至極納得。「イコノグラフィー研究」(描かれているモチーフひとつひとつの意味を研究する)なんて、なんて楽しそう❗ブリューゲルは、その研究では最高では?

    イギリス絵画の「ファンシー・ピクチャー」も楽しい。可愛らしいものがいっぱい。でも腕の開きかたで性的な意味を込めている、と断じるのは何故?もうグルーズさんは、そのような絵しか描かないと思われていたのだろうか。

    フェルメールが使っていたと言われるカメラ・オブスクラ。18,19世紀には明るい部屋でも使えるカメラ・ルチダが販売され、それを使う英国人が揶揄されている。新しい機器が出現した時は古いほうに肩入れする人が一定数いる。なんだか現代でもありそう…

    本当に勉強になる本だった。来月は絵を見に行こう。

  • 読み飛ばしたところもあるけれど、結構面白かった。

    著者の先生は、カラヴァッジョの《聖マタイのお召し》のマタイはひげの男性派だった。
    (私は俯いている若者派)

  • 西洋美術に詳しい方であれば、歴史とは変わった切り口で面白いと思う。
    絵画の奥深さを教えてくれる本。

    ・藝大で行われた西洋美術授業を15回に分けて解説。
    ・王道ではなく変わった切り口で絵画を見る。
    ・初心者にはちょっと難しい。絵が好きな人には面白い。

  • 絵とか芸術って感性で見るもんでしょ、とこの本を読むまでは思っていた。
    だから、感性がないとどうしようないんだと。
    この本を読んでから、美術を見るのってこんなにおもしろいのか、と驚いている。
    とりあえず、もっといろいろと知って、美術館へ行ったり、画集を見たりしたくなった。

    この本ではルネサンスを土台として、美術史も踏まえながら、タイトルのとおり西洋美術の見かたを教えてくれる。
    絵画が多く扱われているのだけれど、絵画にしても何にしても、芸術作品は単体で見てもその真価はわからないんだと思った。
    1つの作品が出来上がった背景には、作家が参照している作品や人間関係、歴史など、いろいろとわかっているからこそ見えてくるものがある。
    作品内のモチーフの見方など、丁寧に美術の見方を教えてくれる本になっていた。

    自分にとっては、新しい世界を開いてくれる本になった。

  • 借りたもの。
    東京藝術大学准教授による、美術史講義。
    他の書籍にあるような、オーソドックスに美術史の大まかな流れを解説しているものではない。
    確かに著者の専門性(好きなもの)に寄っているのは事実だが、時代・地域ごとにある傾向が如実に表れている作品、その描画を細かく解説しながら、それ以前の作品と比較して違いと革新性を解説していく。画面上の構成ややデザインの動き、その斬新性も指摘している。
    これぞ美術史!!
    その時代背景、思想、風土についても言及し、それらが作品にどの様に影響を与えたかを言及。

    方向性が異なるので、比較するのは憚れると思うが、『ルーヴルに学ぶ美術の教養』( https://booklog.jp/item/1/4799324365 )よりもディープで。
    (美術好きには知名度があっても)意外と知られていない、定番画家以外で紹介しているのが嬉しい。
    それらを知らなければ、定番も語れない。

    Youtubeチャンネル『山田五郎 オトナの教養講座』( https://www.youtube.com/channel/UCq1r8Nq3nwI9VhvyiwcpF2w )を見ていると、自分が知らないことが沢山あって、こうしたバックボーンの知識を改めて深めたいと思っていた。それを満たしてくれる。

  • 画家カラバッジョの名は知らなかった。
    バレッタある聖ヨハネ大聖堂でには、カラバッジョの作品があり、多くの人が観ていた。
    ある程度画家・作品について知ってから、鑑賞すると見かたが変わり、細部まで関心を持ってみることができる。
    アプローチの仕方のポイントをわかりやすく教えてくれる本は、ありがたい。

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著者プロフィール

日本医科大学循環器内科教授

「2018年 『高血圧の毎日ごはん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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