これならわかる新地方公会計: 簿記・会計から実践まで

  • 税務経理協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784419053314

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  •  この「これならわかる 新地方公会計―簿記・会計から実践まで」〔2009.10(藤井 邦明・監修、地方公会計研究会著)・税務経理協会〕という書籍は、地方自治体の公会計について、財務諸表を「作る」「読む」「活かす」の3つの観点から分かりやすく解説した地方公会計の入門書である。

     新しい地方の発生主義に基づく公会計は、財政以外の職員には、あまり理解されていないのが現状である。しかし、序章に提示したアメリカ政府会計基準(GASB)の「当該年度のサービスにかかる支出負担を、将来年度の納税者に転化するようなことがあってはならない」という期間衡平性は、日本にとっても重要な原則ではないだろうか。

     これまでの現金主義の行政の決算は、ストック情報の欠如とフロー情報の不備で全体が見えないこと、マネジメント情報が不備で、将来計算ができないこと、さらには、コスト情報が不備で行政コストが捉えられないことをが指摘されている。このため、これらを理解して日々のサービスの実践に取り組むか否かは、自治体の将来を左右といっても過言ではない。

     この本は、発生主義の地方公会計を「作り」、「読み」、そして「活用する」という基本的な方法論を示し、その分かりやすさはピカ一ではないだろうか。

     具体的には、第1章で簿記について簡潔に解説して企業会計を理解させ、第2章で財務諸表を読むための会計の常識を紹介し、複式簿記を簡潔に学ばせるとともに、第3章で地方自治体が新たに取り入れた新地方公会計をどう読み、活用するかを理解させようという内容になっている。

     発生主義公会計を地方自治体の予算決算との関連づけで説明し、発生主義公会計の導入による効率化や財務情報のマネジメントへの活用など、行政の経営にどう活かすかを考える上で、非常に役立つ入門書と言えよう。

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