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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784419056872
感想・レビュー・書評
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フォーマルな仕組みは論理であり、組織で働く人の理性に働きかけるもの。人の行動を変えるには、インフォーマルなアプローチによって感情に働きかけることが必要となる。
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”酒井穣さん(@joesakai)のメルマガ紹介を読んで購入。フォーマルを管理し、インフォーマルを決起させつつ、パフォーマンスにこだわるというコンセプトに強く共感。気になったフレーズは、速いシマウマ、「プライドビルダータイプ」マネジャー、組織の外に踏み出す、(共通の)価値観にもとづいた意思決定。まずは「価値観」表明から実践していこう。
原題は"leading outside the lines: How to Mobilize the (in)Formal Organization, Energize Your Team, and Get Better Results"。
<読書メモ>
・最高の成果を上げる経営リーダーを特徴づけるのは、仕事の「ハード」な側面と「ソフト」な側面のバランス、そして環境に応じて両者をダイナミックに使い分ける能力であることがあきらかになっている。(略)どちらか一方だけでは、最高のパフォーマンスを維持することは難しい。(p.2:まえがき)
★組織が本当に変わるときは、そこにいる一人ひとりの心が動き、少しずつ情熱に火がつく流れがあるものだが、プログラムで人為的にそうした流れをつくるのはとても難しい。しかし一方で、組織で影響力あるオピニオンリーダーやカリスマが「人間関係」を生かし「感情」に訴えて自然発生的に変革を起こすのを待っていても、そのような流れが定着するとも限らない。本書はこのような古くて新しい問題意識に対して、「フォーマルな組織」と「インフォーマルな組織」というコンセプトから、すっきりとした全体像と行動のヒントを提供するものである。(p.6:訳者まえがき)
・インフォーマルの魔法(pp.26-27)
組織におけるインフォーマルな要素はめったに文書化されることはありませんが、名前を挙げることはできます。
- 共通の価値観 人やグループの行動・意思決定に現れる共通の考えや基準。…
- インフォーマルなネットワーク 知識の共有、信頼、情熱などにもとづく人と人との前向きな結びつきのこと。…
- コミュニティ 部署を問わず同じ目的のもとに集い、同じ習慣や個性をを持つ人たちのグループ。…
- プライド 人は自分の力で意味のある目標を達成したとき誇りに思う。…
・インフォーマルな組織の強みは日常の定型業務には現れませんが、不測の事態や未知の状況、組織を越えた取組み、要件が不明瞭な場合や変革が必要な場合に力を発揮します。(p.40)
・特にOQが低い新人は、OQの高い人が組織の機微を学んでいく後についていけず、苦労することになります。(p.51)
#OQ…組織の知能指数(Organizational Quotient)。★組織そのものを評価する指標ではなく、「組織を感じる力」のようなもの?
・我々が「バランス」という言葉を使うとき、フォーマルとインフォーマルの両方が別々に存在しながら、うまく働いている状態を意味します。一方で「統合」という言葉を使うときは、フォーマルとインフォーマルが一つになって影響力を持つことで、フォーマルトインフォーマルから得られるものが区別できない状態を意味します。(p.64)
★従業員に変わらぬモチベーションを与え続けるのは、日々の地道な達成から得られる仕事へのプライドです。そしてこのプライドが従業員から最高の成果を引き出すことにつながります。多くの従業員が気持ちよく働ける環境を生み出せるマネジャーは、ごく少数のエリート向けのフォーマルな報酬制度に頼ったマネジャーより優れていると言えます。(p.73)
・図表 マネジャーのタイプ別比較(p.85)
「優秀タイプ」マネジャー、「人間関係重視タイプ」マネジャー、「プライドビルダータイプ」マネジャー
#「プライドビルダータイプ」の重要視するのは「個人の成功を定義して会社のニーズとつながること」と「部下に全力を出させること」。かくありたい。
・今後必要となる難しい選択やその後の変革に対して従業員の支援を得るには、価値観に導かれた社内文化が重要になるとスタッフは考えました。(p.102:ヒューストンのエネルギー会社リライアントの復活にあたって)
・「先週の土曜日、俺たちがスープづくりの最高記録を作ったっていうのは本当かい?」
「本当だ」キャロランは声を上げました。
「ストックポットの操業以来、一日当たりの最高量だった」
「そいつはすごい!」
従業員は拳を振り上げ、歓声をあげました。
キャロランは笑いました。我々が別れを告げると、彼は走り去って行きました。キャロランがチームをパフォーマンスに駆り立てる努力は明らかに成功したのです。(p.120)
・あるとき仕事で中国にいると、テレテックが素晴らしいパフォーマンスをしたとの知らせが入りました。シーイーは全員を祝福したかったのですが、そのためにはシフトが変わるときを狙って電話をかける必要がありました。それができるのは中国時間で午前三時しかありませんでした。シーイーはその時間に電話をかけ、お祝いの言葉を伝えました。これはテレテックの従業員にとって非常に意味のあることでした。ほんの数カ月で、テレテックはバンク・オブ・アメリカのコールセンターの最下位からトップにまで上りつメタのでした。(p.125)
★「速いシマウマ」(fast zebra)(p.134:ブッシュ政権時の米国国連大使 マーク・D・ウォレス)
この「速いシマウマ」とはウォレスが好きな例えで、情報を迅速に吸収して突然の変化に素早く上手に対応できる人を意味します。(中略)
速いシマウマとは要するにフォーマルとインフォーマルのどちらも同じように器用に活用できる人です。
・人はなぜフォーマルな仕組みのボトルネックを回避する別の方法を探さないのでしょう。「別の方法を知らないからです」とウーは言います。
「人は既成概念にとらわれ、『こんなことをやってもいいか』と聞くことを恐れています。しかし、どうしてもできないことを示す証拠がなければ、やってみればいいのです」(p.146)
★程度の差こそあれ、誰もがインフォーマルなネットワークを持っています。しかし、ネットワークを広げることで自分の仕事を豊かにしようとしたり、ネットワークの人に効果的に働きかけて高い成果につなげようとしたりするなど、本当の意味で深く考えている人は多くありません。
(中略)たいていの人が、あと何人かの同僚と感情・理性の両面でつながる方法を身につけるだけで、組織の生産性と業績を著しく向上させることができると我々は考えています。(p.150)
・社内のベストプレーヤーと「そこそこレベルのマネジャー」との5つの行動の違い(pp.157-158)
- 部下を知る
- 成功を称える
- 方向性を維持する
- 事実をもとに判断を下す
- 仕事の枠を広げる
・「管理する(managing)」より「決起させる(mobilizing)」という言葉がより的確と言えます。この言葉の違いが二つのアプローチの重要な違いをよく表しているのです。
「決起させる」という言葉が、少しでも大勢の人たちの行動とアイデアから最大の可能性を引き出そうと、人的資源を結集することを意味しています。リーダーは管理したり制御したりするのではなく、インフォーマルな組織に刺激を与えて、正しい方向を示す必要があるのです。(p.170)
当然、リーダーがインフォーマルの決起とフォーマルの管理の両方にバランスよく労力をかけるのは難しいものです。(p.170)
・このシンプルでほぼ偶然の産物であった「プライドを取り戻す」という言葉は、エトナのモチベーションにおけるキーワードとなりました。(p.179)
・ザクリーの文化と社内での人間関係に長年接してきたことから、さまざまな場所や人々から発せられるさまざまな反応を解釈する上でも、ブライトとバイロンは貴重な存在でした。たとえば、訊き部門の一部に不安が広がっているのを察知し、ザクリー家にそのグループに向けたメッセージを発するようアドバイスしました。彼らは、計り知れないほどポジティブな感情エネルギーを発揮し、ネガティブなエネルギーを逆転させました。(p.188)
#かくありたいね。
★インフォーマルを結集することはあくまで「パフォーマンス向上」という目的に対する手段であり、通常はその目的のことばかり狭く考えてしまうからです。(pp.191-192)
・アイデアの提案者たちが、たとえ自分の提案が認められず最終段階に届かなくても、全社のアイデアポートフォリオ全体で最高のアイデアが推進されることにプライドを持っていること
研究開発から顧客サービスまで、あらゆる機能からの視点が、フォーマルな決定プロセスで判断材料に活用されていること。そのためには、プロセスが率直な議論と勝れた意思決定を尊重する、インフォーマルなチームの規範に支持されるものでなければならない。(p.195)
★中間管理職としてやるべきこと(pp.207-210)
- ミドルパフォーマーのモチベーションをあげる
- 自ら組織の外に踏み出す
- 価値観にもとづいた意思決定を行い、尊敬できる同僚と話し合う
★本書を読んだ効果を最大にするベストな方法が一つあります。学んだことを一つ選んで、自分の立場にあてはめ、これまでと違うやり方を実践することです。つまり、組織を変えようとする前にあなた自身が何かを変えるのです。
(中略)来週の月曜日から試してみましょう。新しい年度や、大きなプロジェクトが終わるタイミングや、昇進や異動を待つべきではありません。しばらく試して、最初の行動がうまくいけば、次を試してください。最初の行動がまったくうまくいかなくても、あきらめずに次を試しましょう。最終的に変革が起こり、パフォーマンスが向上するはずです。(p.216)
<きっかけ>
酒井穣さんのメルマガ「人材育成を考える」Vol.0088での紹介文を読んで即購入。インフォーマルな人間関係づくり、とフォーマルな組織の仕組み。両方が大切というのがテーマ。” -
インフォーマルの重要性をしっかりと説いた本。
日本に当てはまらないものも多いが、考えさせられる。ヒントはたくさんある。
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