本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784420310833
作品紹介・あらすじ
2018年7月、オウム真理教の教祖・麻原彰晃と幹部信者13人の死刑が執行された。弁護士一家殺害事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件……。
「戦後最大の刑事事件」と言われたオウム真理教の数々の事件の背景には何があったのか? 実態はどうだったのか? 彼らが信じたものは何か? そして、何を残したのか?
著者は、1995年の地下鉄サリン事件以降、オウム報道にかかわり、元信者や裁判の取材を続け、死刑囚・無期懲役囚との面会や手紙のやり取りを続けてきた東京新聞社会部のベテラン記者。
400通に及ぶ手紙を死刑囚や無期懲役囚らと交わし、事件の被害者、元信者、死刑囚の家族たちからも話を聞いてきた。破滅願望と支配欲にまみれた「教祖・麻原」に出会い強烈な神秘体験をしていたら、
同じ時代を過ごした自分も巻き込まれていたかもしれない……著者はそんな思いを抱きながら、オウム真理教と一連の事件、および刑事裁判、警察・検察の問題点に迫っていく。
本書後半の、死刑執行された12人への「墓碑銘」と題された文章では、一人ひとりの幹部信者たちがどんな人柄で、裁判や刑期中にどのように過ごしていたのか、死刑執行をどのように迎えたのかが語られる。
教祖にホーリーネームを与えられ、「殺人マシーン」のように思われていた若者たちの「その後」は、それぞれに個性的である。
あの怒涛のような80年代後半から95年にいたる一連の騒動を覚えている人も、事件後に生まれ何も知らない人も、この驚愕の20世紀の歴史的事実と今、向き合ってほしい。
教祖の妄想から作り出された不可解な価値観を信じ、外部に敵をつくり暴走した教団。陰謀論やフェイクニュースがはびこり、単純な思考によって攻撃的になる現代社会は、
オウム的な世界とどこか似ているのではないだろうか? さらに「オウム化」していないだろうか?
山形刑務所にいる杉本繁郎無期懲役囚は5000枚に及ぶ手記や回想録を書いている。
著者は、杉本との長年の交流に基づき、本書に記された教団で起きた出来事について、知る限りの「ファクトチェック」をお願いしている。
目次:序章/第1章 時代/第2章 超能力/第3章 欲望の象徴/第4章 武装化/第5章 救済殺人/第6章 師弟対決/第7章 捜査迷走/終章 終わらないオウム事件/墓碑銘
著者プロフィール:瀬口晴義
1964年生まれ。東京新聞記者。87年に中日新聞入社。東京新聞社会部で司法担当記者を長く担当。95年3月の地下鉄サリン事件以来、オウム真理教事件の報道を続ける。
元信者や刑事裁判の取材、死刑囚、無期懲役囚との面会、手紙のやり取りを重ねる。2009年8月から2013年10月まで、東京新聞の朝刊1面コラム「筆洗」を担当。
2015年には金子兜太・いとうせいこうを選者とした「平和の俳句」を企画、担当した。著書に『人間機雷「伏龍」特攻隊』(講談社)、『検証・オウム真理教事件』(社会批評社)ほか。
みんなの感想まとめ
本書は、オウム真理教の教祖・麻原彰晃とその信者たちが引き起こした一連の事件を深く掘り下げ、その背景や信者たちの心理に迫ります。著者は、事件後の長年にわたる取材を通じて、死刑囚や元信者との面会、手紙のや...
感想・レビュー・書評
-
書店で見かけた「14人目の死刑囚は、私だったかもしれない」という帯文にひかれて購入。麻原が裁かれるのは当然だけど、純粋に彼を信じた人たちが死刑になったことにずっとモヤモヤしていたから。
読めば読むほど、なぜこんな純粋な人たちが人を殺め、そのうえ死刑に処されなければならなかったのか、ますます分からなくなる。そして国家は死刑という制度をふりかざしてこんな風に人を殺すんだなぁと。宗教が浸透してる国だったらどんな判決になっていたんだろう?
著者は「インターネットが作り出している世界は、麻原が作り出そうとしていた世界そのものじゃないのか?」という疑問も呈している。
ネットの誹謗中傷や、曖昧な情報を垂れ流す政治家の会見みてると、ほんとそうだなと思える。
事件を引き起こした信者たちが、私なんかよりずっと純粋で優秀な人たちだったことを思うと、信者の脱会支援を続けた弁護士さんの「悪意の殺人には限度があるが、善意の殺人には限度がない」という言葉が響くなぁ。
マスクマンの空中浮揚をマジでやってる人たちがいるよ~から教団の存在を知り、面白カルト集団としてテレビに出ていたり、学校帰りに大須に寄ると親から「オームの店に気をつけなさいよ~」と軽口叩かれたり、インド行きたいとか言ってる弟が入信したがりそうだわ~なんて心配したり、警察がアジトに突入するのをずっとテレビでみてたり、受験を考えてた大学のすぐ近くで起きたサリン事件が受験前にあれよあれよと解決してちょっと安心したり。思えば青春時代を通じてずっと彼らの歴史を見てきたんだな、、、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
事件について多くを学べた。面会や手紙のやり取りなど、筆者独自の情報があり読み応えがあった。一方で、時系列がアトランダムで読みにくい部分があり、また筆者個人の意見が特に後半で強くみられ、本旨と関係ないところでウーンと思ってしまった。
-
★★★
今月7冊目
ほんと麻原ってのは天才だな。
もうあの事件を起こした時の麻原の年齢越えたがそんな世界を乗っ取るなんて事考えるなんて凄すぎる。
事件や背景、死刑執行された犯人たちについて勉強になりました -
東京新聞記者の著者による、当事者への取材に基づいた著作です。事件当事者である死刑囚とのやり取りの中で、その事件の本質を当事者視点で追っています。また事件当事者は、将来を嘱望された優秀な青年たちであり、そのような方々が、どのように事件に加担していったのかを分析しています。善良であった普通(相当優秀ですが)の人々が犯罪を引き起こす過程が記録され、再発させないためにも貴重な著作物であると思いました。本書では、当事者取材の結果として裏社会との関わりを否定的な立場の論調です。警察公安部の捜査のついても問題提起しています。
死刑囚当事者との取材に基づいた本書は、事実の迫力を感じました。
本棚登録 :
感想 :
