紛争地のポートレート 「国境なき医師団」看護師が出会った人々
- 集英社クリエイティブ (2022年4月26日発売)
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感想 : 22件
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784420310949
作品紹介・あらすじ
「国境なき医師団(MSF)」看護師として、2010年から18回も紛争地・災害地へ赴き医療活動をしてきた著者は、圧倒的な暴力に翻弄されながらも、人間にとって最も尊い何かを握りしめて生きる人々を見続けてきた。医療支援に携わる中で、ずっと語りたいと思ってきた「紛争地の人間愛」を筆頭に、「活動中の暮らし」「MSFの仲間たちの素顔」などのエピソードをいきいきと描く。
紛争地が危険で過酷で恐ろしいのは事実である。著者自身、勤務先の施設への空爆や、反政府組織による襲撃を経験した。しかしそこに生きる人がいる以上、現実にあるのは「怖い話」だけではない。国際貢献したい人が本当に知りたいこと。紛争なんて異世界のことだと思っている人に知ってほしいこと。紛争地医療のリアルが鮮やかに見えてくる一冊。
ウェブ連載に、2021年のアフガニスタン派遣談を加えて刊行。
[目次より]
◆I 忘れられない面影
「世界で一番新しい国」の母子/元少年兵と車いす/世界一大きな監獄の少女 ほか
◆II 心の声に導かれ、MSFの看護師に
メルボルンで見た「国境なき世界」/初めての紛争地で出会った"戦友"/看護の力の真価を知る
◆III 紛争が破壊するもの
ジャーナリズムが報じない"戦後"/兵士の治療と国際人道法/なぜ医療施設が攻撃されるのか?
◆IV 医療の前線を支える仲間たち
MSFの"柱"、ロジスティシャンに感謝を/ジャガイモと一杯の紅茶/顔も知らないあなたの力〜寄付と信頼 ほか
◆V 派遣地での暮らし
"寝床"快適度ランキング/紛争地の「猫会議」/料理の時間〜国境なき「スーパーシェフ」たち! ほか
◆VI 再びの旅立ち
現場を離れ、採用担当に/迷いと葛藤を乗り越え、混乱のアフガニスタンへ
[著者紹介]
白川優子(しらかわ・ゆうこ)
1973年、埼玉県出身。小学1年生で「国境なき医師団(MSF)」に憧れる。高校卒業後、坂戸鶴ヶ島医師会立看護専門学校を卒業して看護師となる。日本で外科・産婦人科を中心に看護師として計7年間勤務。2003年にオーストラリアに渡り、2006年にオーストラリアン・カソリック大学看護学部を卒業。その後、現地の病院で手術室などを中心に4年にわたり勤務。2010年、37歳で念願を叶えMSFに参加。手術室看護師として、シリア、イラク、イエメン、南スーダン、パレスチナ(ガザ地区)、ネパール、アフガニスタンなど、紛争地や被災地を中心に活動。2018年以降はMSF日本事務局に採用担当として勤める。2021年9月時点で10カ国、18回の派遣経験を持つ。著書に『紛争地の看護師』(2018年、小学館)がある。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
紛争地での医療活動に従事する看護師のリアルな体験が描かれており、著者の人間愛や彼女の仲間たちとの絆が鮮やかに表現されています。著者は「国境なき医師団」の一員として、シリアやイエメン、南スーダンなど、数...
感想・レビュー・書評
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「紛争地の看護師」に感銘を受けて、本作も読んでみました。筆者の白川優子さんは「国境なき医師団(MSF)」の手術室看護師として主に諸外国の紛争地でもある、シリア、南スーザン、イエメン、パレスチナ等に派遣された経験を持っています。
前作との違いは、同じエピソードでもより住民目線で描かれています。白川優子さんのお人柄にも触れることができ、看護師だからできることがあると言っておられますが、私は彼女だからこその支援ができているのではないかと感じます。彼女が関わった患者さんやその家族、医療関係者…表情がやわらかいんですよね!掲載されている写真がカラーだからというのもあるけれど、それだけではないと思います。興味を持って読めたのは、イスラム教徒の女性が黒い布(アバヤ)で全身を覆うのはなぜかとか、派遣された国での白川さんの生活の部分です。
ただ、やはり世界に紛争地があること、そして日々住民が恐怖に慄き、受けるべき医療が受けられない現実もあるということ…、その地で日々身を粉にして働いている、白川さんのような頼もしい存在がいることを忘れてはいけないと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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覚悟を背負って赴任したアフガニスタン 宿舎のガーデンで出会った子猫 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
https://www.asa...覚悟を背負って赴任したアフガニスタン 宿舎のガーデンで出会った子猫 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
https://www.asahi.com/and/article/20220513/417773605/2022/05/14 -
「紛争地のポートレート」を書いた 白川優子(しらかわ・ゆうこ)さん:北海道新聞 どうしん電子版
https://www.hokkaido-n...「紛争地のポートレート」を書いた 白川優子(しらかわ・ゆうこ)さん:北海道新聞 どうしん電子版
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/695617?rct=s_books2022/06/20 -
【浅野純次・読書の楽しみ】第76回|JAcom 農業協同組合新聞
https://www.jacom.or.jp/column/2022/0...【浅野純次・読書の楽しみ】第76回|JAcom 農業協同組合新聞
https://www.jacom.or.jp/column/2022/07/220716-60387.php2022/07/17
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白川優子(1973年~)氏は、埼玉県生まれ、高校卒業後、坂戸鶴ヶ島医師会立看護専門学校定時制課程を経て、看護師資格を取り、地元の病院に勤務。その後、国境なき医師団(MSF)への参加を目指し、英語を習得するために、2004年にオーストラリア・カトリック大学看護学部へ留学、卒業後、ロイヤル・メルボルン病院で働き、2010年に帰国。帰国後すぐにMSFに参加登録をし、同年にスリランカに派遣されて以来、パキスタン、イエメン、シリア、南スーダン、フィリピン、ネパール、パレスチナ(ガザ)、イラク、アフガニスタンなど、紛争地を中心に10ヶ国/18回の緊急医療援助に従事。現在、MSF日本事務局で採用業務を担当している。
本書は、『紛争地の看護師』(2018年)に続く著書で、2022年に出版された。尚、初出は、集英社ウェブイミダス「『国境なき医師団』看護師が出会った人々」として、2018~2021年に連載されたものである。
前著では、白川さんがMSFの看護師になった経緯を含め、これまでの活動について概ね時系列に書かれていたが、本書では、活動の中で出会った患者や現地の人々、医療や支援を行う仲間、派遣地の暮らしなどについて、赤裸々に綴られている。
私は、前著を読んだときに一番印象的だったのは、世界中の紛争地にこれほど頻繁に赴き、医療活動を行っている白川さんが、実はとても普通の感性を持った人だということだった。そして、本書の中でも、(強い信念がなければこうした活動などできないことは大前提としても)「私だって本当は行きたくないのだ」と書いてしまうのだが、それ故に、紛争地で起こっていることが、別世界の出来事などではなく、我々が当たり前に過ごしている日常につながった所の出来事なのだということを、一層強く感じるのである。
また、白川さんは、現場での医療行為が、その根本原因となっている紛争を止める力になっていないというジレンマを感じ、ジャーナリストへの転身を考えたことがあったものの、シリアのイドリブ県でのある女の子との出会いをきっかけに、ひとりひとりに寄り添える看護の力に気付いたと書いているが、そうした思いが現場に不可欠の医療を支えていることがよくわかる。
私は従前より、国家・民族・宗教間の対立に強い関心を持っており、自らプライベートかつ一人で、(米国が大使館をテルアビブから移転する直前の)エルサレムとヨルダン川西岸(ガザは当時でも入れなかった)に滞在したこともあるが、こうしている間にも、ガザやウクライナ(や、日本では報道されることすらない世界中の紛争地)で、市井の人々が戦火に苦しんでいることに胸が痛む。本書冒頭には、白川さんがガザの街中で人々に囲まれている写真(2015年か2016年)も載っているが、彼らは今も無事だろうか。。。
遠く離れた日本に住んでいる一般人にできることは、関心を持つことに(ほぼ)限られるが、その関心を持つためにも、一度は読んでおくべき類の一冊だろう。
(2025年9月了) -
国境なき医師団の看護師として世界各地を回る看護師さんのリアルな物語。とても尊い仕事だと思う。
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待ちに待った白川優子さんの著書。
ほぼ泣きながら読んだ。なんと尊い方なんだろう。その生き方が羨ましくてたまらない。もちろん真似できるものではないので、こうやって著書を読ませていただくことができてありがたい。
信頼する医師との出会いのお話も素晴らしかった。素晴らしい出会いは何物にも代え難い。 -
戦争や紛争の悲惨さだけでなく、そこに暮らす人々の日常、スタッフたちの姿が丁寧に書かれています。「国境なき医師団」のことを知ってほしいです。あなたの寄付が救いになります。
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白川さんの1冊めの本よりも、一人一人の難民に焦点を当てた内容でした。患者さんそれぞれには強みがあって、医療をしている側が患者さんから勇気や希望をもらえることがたくさんあるんだなとわかりました。そして、日本に帰ってきてすごく平和だけら、安心するのではなく、心身にトラブルが生じてしまうことを知り、上手く変えていかないといけないのではと思います。
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N090
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MSFについていろいろわからないと思っていたことがよくわかった。活動に加わりたい思いもあるが、キャリアを積んでいくこととのバランスを考えると難しい、、というのがやはりこの本を読んでの今の思い。まずは技術修練を積むしかないのだが。
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いつも聴いているpodcastの番組に著者の白川優子さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。
白川さんは現在「国境なき医師団(MSF)」日本事務局に採用担当として勤めていますが、18回の派遣経験を持つ看護師です。
以前、白川さんが著した「紛争地の看護師」を読んだのですが、そこで紹介されている世界各国の紛争地の実態に大いに驚きました。本書でも紛争現場の様々な立場の人々の素顔がリアルに描かれています。
同じ人間が生み出している悲惨で理不尽な人道危機。白川さんをはじめとして「国境なき医師団(MSF)」のみなさんの現地での献身的な医療支援活動には本当に頭が下がります。 -
[NDC] 329.3
[情報入手先]
[テーマ] でーれーBOOKS2023/エントリー作品 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000058175
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岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00626715
「国境なき医師団(MSF)」看護師として、2010年から18回も紛争地・災害地へ赴き医療活動をしてきた著者は、圧倒的な暴力に翻弄されながらも、人間にとって最も尊い何かを握りしめて生きる人々を見続けてきた。医療支援に携わる中で、ずっと語りたいと思ってきた「紛争地の人間愛」を筆頭に、「活動中の暮らし」「MSFの仲間たちの素顔」などのエピソードをいきいきと描く。
紛争地が危険で過酷で恐ろしいのは事実である。著者自身、勤務先の施設への空爆や、反政府組織による襲撃を経験した。しかしそこに生きる人がいる以上、現実にあるのは「怖い話」だけではない。国際貢献したい人が本当に知りたいこと。紛争なんて異世界のことだと思っている人に知ってほしいこと。紛争地医療のリアルが鮮やかに見えてくる一冊。ウェブ連載に、2021年のアフガニスタン派遣談を加えて刊行。
(出版社HPより) -
N090/シ 2023.08迄おすすめ図書書架に配架
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329-S
閲覧 -
前著の焼き直し的な部分もありつつ。
文章上手くなったな、という印象。
こういう世界を知れたのはよかった
白川優子の作品
