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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784422110967
感想・レビュー・書評
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著者は精神医学、臨床心理学を専門にされている先生です。
本書は、アンデルセン童話の中から8作品を選んで、その内容を精神分析的アプローチで解説し、読者がなぜ彼の童話に心打たれるのかということを示したものです。解説にあたっては、著者自らが実践してきた、カウンセリング現場における実例なども記されています。
アンデルセン自身が、ここで指摘されているようなことを意識して物語を創作していたとは思えません。しかし、文学や美術、音楽などに関わらず、作家の手によって生み出されたものには、意識的にせよ無意識にせよ、多かれ少なかれ、何かしら作者の内面が反映されていると考えられます。アンデルセンの生い立ちや経験したことを思えば、むしろそれが当然のことと言えますし、作品を読んでいても感じられることです。
すぐれた童話というのは、子供に喜ばれるだけでなく、おとなの鑑賞にも、充分耐えられるものでなければならないと思います。アンデルセンの童話は、まさにそういった作品です。
アンデルセンは、童話を文学へ高めた偉大な作家だと言われていますが、その内面は混沌としています。おそらく多くの人は、アンデルセンの創作した物語に、自分の姿を重ね合わせている、あるいは物語の中に自分の姿を見出しているのではないでしょうか。
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資料番号:010905735
請求記号:949.7ア
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