思春期女性の心理療法 揺れ動く心の危機

  • 創元社 (1988年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784422111254

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  • タイトルそのまま、思春期の女子に心理療法をいかに適用するのがよいのかを考察している。
    精神科で心理士として働く経験を活かして書かれたものなので、本書で描かれる少女たちは
    まだ軽症とはいえ何らかの精神疾患を抱えている。
    しかし、彼女たちが語ったり雰囲気から発せられる悩みはわたしたちに理解できないような特別なものではなく
    「普通」とか「健康」とはこの時期においてはなんとも曖昧なものなのだと思わされる。
    思春期の少女はまだ気持ちを言語化することが難しく、非言語的な媒体や雑談を取り入れることが有効だというのが
    全体を通しての筆者の主張であり、それは筆者が大学院修士課程で遊戯療法に全力を注いでいたこととも関係するのだろう。
    事例を読んでも非言語的な関わりが果たす役割は大きく、また終結も済し崩し的なものが多く
    徹底的な治療よりも、彼女たちの成長する力の発露を待つ「柔軟さ」こそがこの時期の心理療法には大切なのだと思わされた。
    筆者が述べていたことだが、まさに思春期とは児童精神医学と成人精神医学との谷間にあるものなのだろう。

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著者プロフィール

1949年生まれ、京都大学大学院教育学研究科を修了、教育学博士。愛知医科大学精神科・愛知女子短期大学に勤務。その後、京都大学大学院医学研究科人間健康科学系・関西看護医療大学・京都橘大学の教授を経て、京都大学名誉教授。臨床心理士。

私は、本を読むのが大好きで「将来は物語を書くような仕事をしたい」と夢見る子どもでした。ところが、小学5年生のときに転校して、思いもよらないイジメに遭う体験をしました。SOSを出すすべもなく、心を凍らせてじっと一人で耐えるしかありませんでした。学校からはもとの町に戻り、イジメはなくなりましたが、思春期の入口で失った自己肯定感、人に対する信頼感が当時、回復することはありませんでした。

そんな私が、大学に入って巡り合ったのが、臨床心理学・カウンセリングという分野でした。人と人とが向き合い、対話やイメージ表現などを通して心の傷をいやすという仕事です。私はその分野に出会ったことで「自分が求めているのはこれだ」と感じたのでした。

「2024年 『マンガ ねこの言いぶん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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