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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784422112206
感想・レビュー・書評
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著者が女性であることもあり、女性が読んで違和感を感じない心理学書であると思う。死と再生のイニシエーションについてギルガメッシュ叙事詩を読み解くかたちで解釈しているが、イシュタルとエレシュキガルの関係など、女性にとってのシャドー(影)についても考察する材料を提示してくれている。勿論、ユング心理学の観点から女性の心理を探求したい男性にとっても有用な書物である。
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追手門大学図書館
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イナンナの冥界下り
イナンナとはシュメールの女神である。誇り高き万能の彼女が恥辱に耐え、冥界を下るものがたりがあるが、それは現代女性が女性性を取り戻すための重要なモチーフたり得る。
彼女はそのなかで、衣服をはぎ取られ、柱に張り付けとなる。前者はペルソナも知識も、なにも持たない「裸」に戻ること、後者はファルス(男根)との一体を示す。
また、イナンナと同時に重要なのが、彼女が訪ねる先の冥界の主である「エレキシュガル」である。イナンナは情熱的な性愛を肯定する豊穣の女神であり、いわば積極的に他者を受け入れる「能動的な受容性」を司るが、彼女の姉でもあるエレキシュガルは、他者には無関心であり、孤独と冷酷をもつ女神である。
だが、この二者の間を往復することで、父権的社会にいきる女性たちは、父権的パーソナリティの押しつけてくる価値観と、自らが持つ価値観の「ズレ
」に気づき、それを癒すことができる。
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山中康裕の作品
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