神話にみる女性のイニシエーション (ユング心理学選書 20)

  • 創元社 (1998年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784422112206

感想・レビュー・書評

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  • 著者が女性であることもあり、女性が読んで違和感を感じない心理学書であると思う。死と再生のイニシエーションについてギルガメッシュ叙事詩を読み解くかたちで解釈しているが、イシュタルとエレシュキガルの関係など、女性にとってのシャドー(影)についても考察する材料を提示してくれている。勿論、ユング心理学の観点から女性の心理を探求したい男性にとっても有用な書物である。

  • 追手門大学図書館

  • イナンナの冥界下り
    イナンナとはシュメールの女神である。誇り高き万能の彼女が恥辱に耐え、冥界を下るものがたりがあるが、それは現代女性が女性性を取り戻すための重要なモチーフたり得る。
    彼女はそのなかで、衣服をはぎ取られ、柱に張り付けとなる。前者はペルソナも知識も、なにも持たない「裸」に戻ること、後者はファルス(男根)との一体を示す。
    また、イナンナと同時に重要なのが、彼女が訪ねる先の冥界の主である「エレキシュガル」である。イナンナは情熱的な性愛を肯定する豊穣の女神であり、いわば積極的に他者を受け入れる「能動的な受容性」を司るが、彼女の姉でもあるエレキシュガルは、他者には無関心であり、孤独と冷酷をもつ女神である。
    だが、この二者の間を往復することで、父権的社会にいきる女性たちは、父権的パーソナリティの押しつけてくる価値観と、自らが持つ価値観の「ズレ
    」に気づき、それを癒すことができる。

  • 女神の下降について神話が、とても古くからあることがわかった。女神は、権力や宗教によって支配の為に、その女性性を貶められた神話となっていることがわかる。女性が本来持っていた力自体が、今はゆがめられた上、全ての女性が自分には力が無いと言うことを信じ込まされているような気がした。
    とは言え、これを理解するのは、女神の下降と言うような、苦しみを経験した後でないと難しいかも。それが過ぎ去った後、その苦しみだったものを整理したり、理解するのに、この本は役に立つと思う。

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著者プロフィール

北海道大学大学院環境科学院准教授/理学博士(東京大学)


「2010年 『Sustainable Low-Carbon Society』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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