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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784422112220
作品紹介・あらすじ
昨今、発達障害については、脳科学や認知科学によって中枢神経系の障害として捉える見方が趨勢を占め、対応も療育や訓練を中心にしたものがほとんどである。それに対して本書は、発達障害への心理療法的アプローチのエッセンスを一般に伝えようとする意欲的な試みの記録である。ことに、発達障害の人たちの「主体性のなさ」という特徴に注目している点は、発達障害のさまざまな局面を理解する上で極めて斬新な視点を与えてくれる。
感想・レビュー・書評
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2階心理学:146.8/KAW:https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410164155
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/55655 -
興味を持って私は読み始めましたが、途中から、河合隼雄の「匂い」がしてきて、読むのを私はやめました。
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題名に惹かれて購入したが、開いて一読、京都大学のユング派の人の本であったので、難解さを予想したが、意外と読みやすかった。発達障害の本質を「主体の欠如」より捉えている。そのために、発達障害の人はさまざまな症状を身に付けやすい。しかし「本物」の症状に比べて粘りと必然性のないのが鑑別になる。心理療法の方法としては、主体の存在を前提とした従来の方法ではなく、主体が立ち上がってくるような方法が必要である。留意点として、「深層」というファンタジーの放棄、「中立性」のスタンスの放棄、「適応」という目標の放棄があげられている。また境界例、解離性障害、発達障害と時代に応じて目立ってきた病理や症状について、我が国と西欧のそれは主体性の確立の点で違った病理ではないかという社会学的な考察は興味をそそられた。
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むかつく。むかつく、が、当事者として言う。どうしてそんなに持って回った言い方をするの、というのが感想。
内面がないという言い方より、私としては「健常者の回路を想定すると、推論が破たんする」と言った方が正しい気がする。別に、異物扱いをしろだとか、心の動かない可哀想などうこうというのではない。単純に、軽度のひとで話がある程度通じそうなら療法家は、そのひとはどの考え方なら馴染みがあって納得でき、どの考え方は馴染みがなくて共感しにくいかをきちんと見極める必要がありそうだということ。文中で「強力な同型」という言葉が出てくるのは「発達障害のあるひとと同じ考え方をしている、ただし、その人が将来うまく適応できた場合にありうる”少し先の未来から来たその人”として接すのが理想」という意味だと私は解釈している。
そのためには、療法家は可能なら発達障害者の考え方を真似てみたり理解することが必要だし、自身の考え方の中身を今一度きちんと細かく検分して、それを最初から最後まで説明すべきであり、しかもそのような考え方を複数種類用意する必要もあるかもしれないということ。
ピンとこない言い方をされても、多分納得しないからね。興味がないことには全く別のアプローチを探さないとならないだろうと思うし。
本人が納得できる考え方に沿ってアプローチをする、という方法について、文中では「今までの適応努力が破たんした今がチャンス」のような主旨のことをのべていると思う。それというのは「より現実に近い認識を、本人がそれまで培った認識と地続きに新たに付け加え、それに沿った行動をきちんと考えだせるようにする」が目的だと思う。
何しろ、認識できてたらトラブルなんぞ起こしちゃいないので。
追加。「主体性がない」のではなく、「状況にあまりにも飲みこまれ過ぎている」または「本人がトラブルと認識できていない/パソコンのダイアログ表示程度の認識」などの可能性。も。視野に入れてほしい。。。
著者プロフィール
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