より道・わき道・散歩道

著者 : 河合隼雄
  • 創元社 (2002年5月発売)
3.53
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  • 本棚登録 :40
  • レビュー :3
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422112756

より道・わき道・散歩道の感想・レビュー・書評

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  • 河合隼雄のエッセイ。河合先生ならではの人間への柔らかい眼差しに満ちている1冊。そんな中にも問題を提起する鋭い視点がちりばめられている。

    ○P112  日本人の倫理が「場」に依存しているのに対して、彼らは「個」に根ざした倫理をしっかり持っていると思った。このような、個人が唯一の神とつながる関係における倫理観は、個人主義が利己主義に陥るのを防いでいる。これに対して、日本人が「イエ」を破壊し、「世間様」の目を気にしなくなり、キリスト教抜きで欧米の個人主義を輸入するならば、それは容易に利己主義になってしまうのではないかと危惧されるー。
    個々が宗教を持つべきだといった話ではなく、個人主義が行き過ぎてしまい、倫理観すら多様化してきてしまう社会がすぐそこにあるのではないかと感じた。

  • 心に残ったフレーズをいくつか…

    「子どもたちは自分たちの責任と関係なく、
    いろいろな運命を背負って生まれてくる。
    人間は責任をもって運命を受けとめるのではなく、
    運命を生きることによって責任を果たすのである。」

    「最近の風潮(1997年)を見ると、
    少しでも得にならないことはやめておこうという人が、
    多いように見受けられる。このような考えになるひとつの原因は、
    人間の心もお金と同じように「使うと減る」
    と思っている人が多いからだと思われる。
    確かに、「気を使う」ことをすると疲れるから、やっぱり心も使うと、
    心のエネルギーが消費されるので、元気もなくなるのだと思われる。」

    この本が出版されて10年が経とうとしているが、
    河合さんの鋭いご指摘が、
    そのままハッキリと課題として残っていることに気づかされる。
    河合さんを亡くしたことは、確かに日本の将来にとって大きな損失だと思うが、
    小さき者ながら、河合さんの意思をしっかりとつないでいけたらと思う。

  • <font color="#666666"><table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:0;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4422112759/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://blog12.fc2.com/image/noimage.gif" border="0" alt="より道・わき道・散歩道"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/goods/4422112759/yorimichikan-22" target="_blank"> より道・わき道・散歩道</a><br>河合 隼雄 (2002/05)<br>創元社<br><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4422112759/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"> この商品の詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>今の日本、嘆くべきことばかりではなく、まだまだ面白いことや楽しいことがある。もう少し気楽に、リラックスして自分の人生を楽しもう。『毎日新聞』に連載したコラムのほかに、生きる知恵に満ちた65編のエッセイを収録。</strong></p></blockquote>
    つい先日79歳で亡くなられた臨床心理学者河合隼雄氏の五年前のエッセイ集である。

    氏の懐の深をいたるところに感じることのできる一冊と言えるだろう。職業柄ということもあるだろうが、向き合った物事をまず自分の中に取り入れ受け容れて、自分なりに咀嚼してから判断を下す姿勢が、普段の暮らしにも生きていることが見て取れる。
    また、考え方の柔軟さにも尊敬を覚える。
    子どもについての考察や養生に関する話など、深くうなずかされることが多かった。</font>

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