こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳

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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422112831

作品紹介・あらすじ

気持ちが沈んだり、ちょっと不安になったり、人間関係に悩んだり、自分を変えたいと思ったり…このノートはそんなあなたのやさしい味方です。毎日すこしずつ読んですこしずつ書き込んでいくうちにあなたのものの見かたや考えかたが変わり、憂うつな気分や不安がしだいにほぐれていきます。

感想・レビュー・書評

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  • 認知療法は薬物療法と同じくらいの効果をもつと聞いてテキストを探したところ、著者である大野先生のサイトからこの本に行きつきました。
    伝統的かつ最もオーソドックスな認知療法の解説本です。内容は難しくなく、とても親切に分かりやすく説明されていると思います。それでも私はしばらく手の付け方がわからずお蔵入りさせていました。
    今では別冊の7コラム表のフォーマットを何度もコピーして使い回しています。頭の中でも7コラム表を展開できるようになってきました。

    きっかけは病院のリワークで認知療法の講義をきちんと受けられたことです。
    もし認知療法の理解が10点満点あるとしたら、この本で5〜6点まで行けると思います。それは内容不足というのではなく、残りの点数は自分の書いたコラム表を逐一PSの方に見せるなりして書き方のアドバイスをもらった方が結果につながりやすいという点です。

    この著書にもちゃんと書いてあるのですが、1人でやるとどうしても引っかかりやすいポイントがあります。
    ・「状況」では客観的事実だけになっているか
    ・「根拠」では状況の検証になっていないか、または主観的な解釈が入っていないか
    ・そして苦しい気持ちが湧き上がった一場面だけを切り出しているか
    認知療法は気が滅入っている時に行うので、気分や気持ち、悪い先読みや深読みなどが入り込んでしまうことが避けられません。私も、ずっと恐怖(90%)とかでコラム表を書いていたので根拠なんてほとんど書けませんでした。
    根拠が書けないと良い反証が出てこず、結果的に認知療法の効果が思ったように得られないこともあると思います。また反証も、他の人からたくさんアドバイスをもらった方が回復につながりやすいということを経験しました。

    くどくどと知った風なことを書いてしまいましたが、この良著を100%使い切って思考のゆがみを直していけば、いつかは薬に頼ることのない、辛くない生活が待っています。それを信じて何度も繰り返し書きましょう。

  • 何度かこの自習帳に助けられました。
    辛い時極端な考え方で自分を追い込んでしまいがちな私にとって、自分の想いや考え方の癖を整理できるこの自習帳はぴったりでした。
    自分の考え方の癖を理解できるので自己覚知にもつながるのでは。

  • 読むのは簡単だが、実際に書き出してみると難しい事もある。まずさ自動思考を理解する7ステップに取り組んでみたが、問題解決までは同日にたどり着かなかった。いくつか実践してみて慣れる事が必要か。

    気分、根拠、反証は自分の主観が強いとどんどん別の考えが浮かんできて、あちらこちらに行きやすい。

    大野先生の名前は産業医から紹介された。別の文庫は読み易かった。

  • 自分でてきる認知療法の本。
    ひとつひとつ、段階的に整理しながら進められるので取っつきやすいしやりやすい。心理学とか認知療法とか知らなくても全然いけます。
    認知療法は考え方を理解しワークシートなどを見つけても、自分の問題に即して取り組もうとした場合、「こういう場合はどう考えればいいんだ?!?!」などどうすればいいのかわからない点が発生し、なかなか難しいのではないかと思います。
    しかしその点、この本は例が豊富で考えるためのヒントなども書かれているので、やりやすい。(自分でも軽くやったみたところ、やりやすかったです。)
    ただ、軽い心配事については有効ですが、結構うつ状態が深刻な場合は進めるのが難しいだろうな、と思いました。そもそも取り組むことはそれなりにエネルギーを必要とするので、できなくて無力感に陥ってしまうかもしれません。。そういう場合は、医療機関にかかるかカウンセリングを受けてみるのがベストなのでしょうね。

  • とにかくわかりやすい。

    うつに関する基本的な情報と
    一人で取り組めるワークブック形式が
    お手軽さを増している気がします。

    最近なんだか少し調子がおかしいけど
    まずは自分でなんとかしてみようという気がある人、
    うつって何かわからない人、
    どんなふうに向き合えばいいのか関心がある人、
    認知行動療法がどういうのか知りたい人、
    いろんな人に読んでもらいやすい一冊です。

  • 物事を頭で整理する事が得意と思って生きてきた結果、ストレスに押し潰されました。
    この本をもっと早く読んで、方法論としてストレスへの向き合い方を学ぶべきでした。
    ストレス、問題を外在化し、細分化して、客観的にみる。
    この本を通じて、さらに強くなれたと開き直って過ごしていこうと思います。

  • 簡単で読みやすいが内容は濃い。
    認知療法のやり方と、実際に書き込める部分が記載されている。これは読むだけではなくて実際に取り組まないと意味をなさない本だと思う。時間はかかるが一つずつでも取り組んでいけば改善できると思われる内容。

    うつ病の認知療法とのことだが、ストレスを知る、人間関係の改善問題解決の仕方、考え方の癖に気づく、など普段の生活でも役にたつものが多い。うつ病というフレーズにとらわれず、どんな人にも手に取ってほしい。

    コラムも非常に参考になる。面白い。

    20周年ということで、特製ノートがついていた。ワークがノートにまとめられているので手に入るのであればノート付きを購入するのがおすすめ。コピーして書き込んで実践していきたい。

  • 認知療法の自習帳。
    自分の感情や考えを記入する表とその記入例が豊富。解説も分かりやすい。全体で約130ページだがもっと薄く感じる。
    この手の本は元気な時には必要を感じなくて読まず、うつ状態になっている時には読んでも理解や実践が難しいということに今回やっと気がついた。
    手元に置き、必要に応じて開いて試してみるべき。

  • 安価だし、わかりやすいし、第一歩としては取り組みやすいと思う。ただ、スキーマのところの内容が薄くて残念。

  • 現代文の小説の問題は、認知行動療法の考え方を使うと、
    あっさり解けてしまう。
    ぼくは大学受験のときは、自然とそうやって解いていた。


    大学受験のように、「答え」がある問題の場合は、
    認知療法は非常に有効である。
    しかし、実際の問題には、「答え」はないことも多い。
    話は単純ではない。
    実際にうまくいくのか、そもそも続けられるのか、
    いろんな困難があって、多大なエネルギーを使う。
       
     
    本書は、とてもシンプルでわかりやすく、
    患者自身が読める本である点で優れている。
    でも、認知療法はツールでしかない。
    うまく行かないツールなら手放せばよい。
       

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著者プロフィール

一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
1950年、愛媛県生まれ。慶應義塾大学教授などを経て現職。日本認知療法・認知行動療法学会理事長。認知療法活用サイト「こころのスキルアップトレーニング」監修。著作に『はじめての認知療法』(講談社、2011)、『こころが晴れるノート』(創元社、2003)、『認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアルガイド』(星和書店、2010)、『不安障害の認知療法』(監訳、明石書店、2013)、『〈正常〉を救え──精神医学を混乱させるDSM-5への警告』(監訳、講談社、2013)、「認知行動療法の新しい潮流シリーズ」(監修、明石書店)ほか多数。

「2016年 『ベックの認知療法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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