改訂新版 ボーダーラインの心の病理:自己不確実に悩む人々

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  • 創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422113395

作品紹介・あらすじ

精神科での診断困難例の典型とも言うべきボーダーライン。その病像を、さまざまなデータや事例をもとに明らかにし、社会とのかかわりについて言及したロングセラーの改訂新版。新しい研究成果を随所に反映。

感想・レビュー・書評

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  • 外国の研究の紹介だけでなく、著者自身の臨床経験、研究成果も含まれて書かれている点がよかった。
    ボーダーラインを症状で診断するだけでなく、ボーダーラインの本質は自己同一性の曖昧さと衝動性の抑制ができないことによる、と書かれていた点も、スッキリしていてわかりやすいと思った。

  • 境界性人格障害(ボーダーライン)の実態、有名人等や、チェックリストを紹介した本。

    有名人で言えば、マリリン=モンロー、太宰治 などがボーダーラインだと推察されるが、実際の行動、判定するためのテストのその統計、その発生理由などを考察している。

    やや学問的な説明が多く、読み物よりも解説であると思った方がよい。

  • 当時のデータでは都市化が進むにつれてボーダーラインが増加傾向にあるという。貧富の進行とともに人間社会の心の分裂、二極化も進んでいく、ということか。

    カーンバーグやコフートからの引用が多く、主にそこらへんをベースにしてのボーダーライン論だったように思う。典型例としての太宰治やマリリンモンロー、ヘッセからの病跡もあり。

  • 立ち読み:2010/12/22

    巻末のボーダーライン・スケール、45/50 だった。

  • この本の特徴としてボーダーラインの原因を社会的な変化によるものだとしている。農村部と都市部での調査では農村部でのボーダーが少なかったという。情報化などの社会変化が人格の安定を揺るがし自己同一化を困難にしており、そこに衝動性が加わりボーダーラインとなるという。モンローや太宰治、ヘルマン・ヘッセを具体例として挙げている。

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著者プロフィール

1945年新潟県糸魚川市に生まれる。1968年東京大学文学部心理学科卒業。1976年横浜市立大学医学部卒業、東京大学付属病院分院神経科勤務。1986年国立精神・神経センター精神センター精神保健研究所室長。1994年町沢メンタル・ヘルス研究所開設。1998年立教大学コミュニティ福祉学部教授。現在は精神科医・医学博士、町沢メンタルクリニック院長。
専攻は思春期・青年期精神医学/社会病理学・異常心理学/心理療法・犯罪学。
主な著書として、『ボーダーラインの心の病理』(創元社)、『成熟できない若者たち』(講談社)、『ボーダーライン』(丸善ライブラリー)、『閉じこもるフクロウ』(朝日新聞社)、『あなたの心にひそむ』(PHP研究所)、『こころの健康辞典』、『心の壊れた子どもたち』(朝日出版社)、『臨床心理学』(医学書院)、『ぼくの心をなおしてください』(幻冬社)、『ADHD』、『心の健康ひろば』(駿河台出版社)、『人格障害とその治療』(創元社)。

「2012年 『多重人格とボーダーライン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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