対人関係療法で改善する 夫婦・パートナー関係

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422114668

作品紹介・あらすじ

「話を聞いてもらえない」「相談されたのでアドバイスしたら怒られた」「細かく口出しされて煩わしい」「仕事ばかりで家庭を顧みてくれない」-パートナーとの間に、そんな不満はありませんか?二人の「ずれ」は、工夫次第で埋められます。あなたのパートナーを最大のストレスから最も頼りになる力へ。

感想・レビュー・書評

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  • 私たちはなぜかくも問題を複雑にしてしまうのだろうか。意識的にならなければ、パートナーとの関係は深まらないのだ。実践的な本でした。

    ・不安を汲み取る。そのために、言葉にする。
    ・攻撃ではなく、自分が困っていることを話す。
    ・攻撃すると、防衛本能から人は頑なになる。
    ・「完璧な妻 対 ダメ夫」から「強迫観念に苦しむ不安に苦しむ妻 対 支える夫」に。
    ・決まった時間にお互いが話し合いに集中する。ダメなときもキャンセルではなく、リスケする。
    ・過去の話の時も今に注目。
    ・離婚後の子どもへの悪影響は、パートナーだった人との関係が悪いままで続いているかどうかだけが関わっている。

  • 様々なケースが書かれていましたが、私の場合男女逆のパターンでイライラしがちな人の気持ちが分かったような気がします。
    その他、様々な性質の方について、過去にいろいろあったのかもしれない、などという考えが良いと思いました。
    言わなくても分かると思っている人や、きちんと話をしない人はまず読んでみて欲しいです。

  • 非常に面白いです。
    初めは自分の患者さんの熟年夫婦関係にどう対応するかというために読んでいました。
    「対人関係療法入門ガイド」を読んだ後なので、余計にこの本自体が対人関係療法に基づいた方法で書かれているとわかりますが、そんなことを知らなくてもよくあるバートナーとのすれ違いについて書かれています。
    どういった小さな身近な方法からパートナーとの関係を改善していくかtipsがたくさん詰まっています。
    そして、夫婦関係が血縁、子供に影響すること、別れが必要なときまで書かれています。
    医療関係者だけでなく、たくさんの方々に読んでいただきたいですね!

  • 不安は怒りの形で出て来やすい、怒りをぶつけられると人は防衛的になりやすくそれはいい結果にならないので、不安は不安、寂しいは寂しいと、むきだしのコミュニケーションをする勇気を持つのが大事、というのは確かに正論。
    ただ、私は自分が攻撃的になりやすいという意識が昔からあり、不満を怒りにしてぶつけないように注意していたので、悲しいとか寂しいとか不安とかいう形にはするようにしていたと思う。そうしたら昔の恋人は喜んだり調子に乗ったりして態度を改めることはなく、結局怒るとか泣き叫ぶとかしなければならなかったのだけど、そういう場合はどうしたらいいのか。
    それが今のパートナーなので、本当に困るんですよね。最初から寂しいなんて言わなきゃよかったような。

  • すごーく参考になった。

  • 相手への不満は「期待していることが満たされていない」状態。何がどう満たされていないのか、そもそもその期待が相手の現実に合った妥当なものなのか。 #メモ

    パートナーは「役割の変化」を支える。 #メモ

    「重要な他者」との関係が心の健康を決める。 #メモ

    「結婚前とは性格が変わってしまった」という場合、単に愛がなくなったわけではなく、単に熱病のような恋愛期が終わって本来の姿に戻っただけという人が多い。 #メモ

    本来の姿に戻ったときが、ようやくお互いの「違い」に取り組むときがきたということ。変わったという事実だけに目を向けるのではなく、変化は変化として認めた上で、今何が2人の違いなのか、その違いがどのように自分にとってストレスなのかを見ていく。 #メモ

    パートナーに対しては甘えが出るものなので、最も重要な相手のことを褒めもせず責めてばかり。 #メモ

    パートナーとの関係に「運命共同体意識」を持ってしまうと「人格を持つ一人の他人を責めている」という実感があまり持てず、自分の一部を叱咤激励しているおうな気持ちになってしまう。 #メモ

    「あなたがそんな服装でいると妻である私がセンスを疑われる」などと「自分の問題」として責任を持って語っているならまだいいけれど、「あなた、そんな服装でいるとセンスが悪いと思われるわよ」などと客観的な事実であるかのように語られてしまう。 #メモ

    夫婦関係がストレスだけど、それはパートナーの努力が足りないからだ、と思っている人の場合、「自分が」取り組むということには抵抗が強い場合も少なくない。

    改善の努力をするのは相手であって、相手が誠意を見せるのであれば自分も努力してもよい。もしくは自分ができる努力はすでに全部やっており、これ以上はどうすることもできない。と思っていたりする。

    夫婦関係に取り組まないことによって自分の不満を示そうとして、何らかの取り組みをしてしまうと、まるで今までのことを水に流して自分から仲良くなろうとしているように見えるのではないかと思う。

    人は他人から与えられた「正解」によって本当に納得して変わることはない。 #メモ

    あらゆる対人ストレスは、役割期待のずれ。

    自分は相手のことを知っているという思い込みを手放す。

    現在の言動は、人それぞれの事情の総合的な結果。

    話を聞いてもらうだけで事態が前に進む理由は、自分ひとりで考えていると、ネガティブな感情で頭がいっぱいになってしまって、前向きな気付きや思考の妨げになるが、安全な環境で口に出してみる(=ただ話を聞いてもらう)と、感情が現実的な大きさにおさまってくるから。

    安全な人に自分の話をして、感じ方を肯定してもらうと、「こう感じて良いのだ」と安心し、自己正当化にエネルギーを使わなくて済み、結果として自分の感情へのとらわれがゆるみ、客観的な見方が可能になる。

    「感じ方の肯定」は自分も一緒になって怒るという意味ではない。

    不安は不安として語らないと「責められた」と受け取られることが多く、それが相手の防衛的な姿勢を生み、事態がさらなる悪循環に陥るということになりがち。

    「言われなくてもわかるはず」という期待。「言わなくてもわかる」ことによって相手の愛情をはかろうとする。

    愛情がなければとっくにこんな生活からは去っているはずであり、続けているということは何らかの愛情がある証拠だという考え。

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    パートナーとの関係では、「相手のことくらいわかっている」という思い込みが強いため、相手の言動について「なぜそうしたのか」ということの確認を怠っている場合がとても多い。

    不満を表す手段として沈黙する。沈黙しているのだから怒っていることがわかるはず、という思い込みがある。

    沈黙はまさにコミュニケーションの打ち切りであり、努力の停止と言える。沈黙に事情はあるかもしれないけれど、沈黙からは何も改善されないという事実は変わらない。

    「率直なコミュニケーション」という名のもとに怒りをそのまま相手にぶつける。

    ただ不満という形で語られるときは相手に対する人格的な決め付けのように聞こえがちであるのに対して、「ずれ」として語るときには、お互いが参加してつくり上げるひとつの人間関係の姿が見えやすくなるもの。

    役割の期待は具体的にしないと、ずれは解消しない。例えば何をもって「協力的」かは人それぞれだから。

    必要とされていることを自発的に汲みとって行動することが重要だと考えている場合は、その役割の期待は「自発的な行動」ということになる。

    多くを求め過ぎなのではなくて、現実的でないことを求めている。

    「相手が気遣ってくれない」という場合、相手なりに最大限に気を遣っていることが多い。要は気遣いの「形」の問題。

    不満から期待へとトーンが変わることによって、相手を攻撃する要素がなくなる。

    自分が満足する結果を出すためには、相手の協力が必要。相手の協力がいらないことであれば、ここまで悩んでいるわけがない。

    相手を強く攻撃すれば変わるはず、という変な思い込みをもっている。

    役割期待のずれに取り組むためには、自分側の役割期待を整理するとともに、相手側の役割期待についても正しく知る必要がある。

    「どちらが正しいか」を手放す。

    介護、教育、経済的問題など新しいテーマが出てきたときは、役割の変化のとき。お互いがどんな変化を乗り越えているのかについて話し合う。

    相手が聞ける時間に話す。「話を聞ける状態ではないときも話を聞くべき」などという役割期待をしてしまうと、それがかなえられることはまずない。

    自分について何かを決めつけられると、それを「攻撃」ととらえる。すると自己防衛に入って、反撃したり自己正当化したりコミュニケーションを撃ち切ってしまったり、ということが起こる。

    「あなた」ではなく「私」の話をする

    私はこうして欲しいけれども、あなたにとってそれは現実的ですか?

    期待のずれを是正するときも、マイナスの行動を減らしてもらうこととプラスの行為を増やしてもらうことと2通りのアプローチがある。後者を選んだほうが成果が得られやすい。「これが望まれている行動なのだ」と知ることができ、次からの行動の目安になる。

    話し合いの場を持つことの重要性

    キャンセルではなく、変更する。

    過去のことが許せないと思うときには、それをそのままぶつける前に、何があってからその気持ちが強くなったのか、ということを考えてみると効果的。

    心が傷ついているときの反応は、怒りという形をとることが非常に多い。これは、二度と傷つかないようにするための防御は反応みたいなもので、少しでも傷つけられそうな兆候を察知すると相手を激しく排除するという仕組み。

    自分が生まれ育った家族から導き出した「人間とはこういうものだ」というデータベースを通してしか目の前の相手を見ることが出来ない。そしてそれは無意識に自分の対人関係パターンに組み込まれていることが多いので、自分が特殊なデータベースを通して見ている、ということにすら気づいていないことがほとんど。

    「パートナーの親離れを支える」という役割を引き受けるのもひとつの選択肢。もちろん、本来なら結婚前に済ませておくべきテーマになぜ付き合わなければならないのか、と考えるのもひとつの選択肢。

    いわゆる「嫁・姑」問題を細かく見ていくと、その根底に「良い嫁だと思われたい」という気持ちがあることに気づく場合が多い。自分はどう思われようと構わない、という場合には、相手は所詮他人なので違和感はあっても生活を支配するほどのストレスにはなりにくい。

    嫁・姑は「ずれ」があって当然の関係性なので、「自分がきちんとすれば相手も自分を評価してくれるはず」という期待はそのまま満たされることはないと考えたほうが良い。

    子供が生まれたときの変化の受け止め方の違い。よく見られる傾向としては、男性は「家族を養うためにもっと稼がなければ」と経済的責任をより強く感じる一方、女性は「子供を育てる」ということにより集中する。

    親としての愛情と人間としての相性は別のもの。子供に対する親の接し方は親本人が自覚しているよりも個人差がある。でも、明らかな虐待でもないかぎり、子供は親のあり方に適応するだけの柔軟性を持っているもの。

    別れについての基本姿勢は、「別れるなんてとんでもない」という狭い見方でもなければ、「嫌いな相手なのだから別れて良かった」という単純な見方にも終わらない。

    別れるために人の力を必要とするケースは案外少なくない。

    離別の場合には、相手の喪失については割りきれていても、既婚者という立場の喪失をなかなか受け入れられない、ということもある。

    パートナーは自分の弱点が最も現れる相手。

  • 十年近くお世話になっているカウンセラーから、宿題として渡された本でした。借りた本なので、ラインが引けないのですが、ふせんがたくさん打ってある状態でお借りして、そのふせんに、かなり思い当たる節があり、カウンセラーの方は僕のために探してくれたのか、と錯覚しました。また、読み返したいので、別途購入しよう。

  • ■パートナーを「重要な他者」と言われたときの感じ方


    パートナーは間違いなく「重要な他者」に含まれるのですが
    パートナーを「自分にとっては全然重要でない」という感じ方をする人も居ると思います。
    それは自分の現実生活の中でパートナーが全く頼りになっていない、役に立っていない
    あるいはむしろ足を引っ張っている、憎しみあっている、というような状況であるかもしれません。

    講演会で面白い?反応なのですが
    パートナーは重要な他者です!というと男性はうなずくが
    女性の聴衆は「えー」というような反応が返ってきます。






    ■ふとしたキッカケで破綻

    パートナーとの関係における手抜きの背景には
    距離のある人との関係は儚く壊れてしまってもパートナーとの関係は
    そんな簡単には壊れないはずだ、という安心感もあると思います。
    特に子どもがいる場合には
    実際に別れることは容易ではありませんし
    子どもがいなくても対外的なことや生活の大きな変化を考えれば
    「まあ、今のままでも仕方ないか」という結論に達してしまいがち。
    普段の生活はそんなうえに成り立っている人も多いでしょうが、
    どうしても看過できないような問題が起こってくると
    こうした関係性の積み重ねも手伝って不和が顕在化してきます。

    現在起こっている問題にプラスして
    「妻はいつも責めてばかり」「夫は私の事を全く気遣ってくれない」という
    長年の積み重ねが問題とされてくるのです。

  • 実生活に役立つ本だと思います。
    自分たち夫婦にあてはめて読み進めて、勉強になりました。

  • とある先生が紹介され、気になっていた本である。
    対人関係療法という名前は一見とっつきにくい名前であり、この手の本は難しく書こうと思えばどこまでも難しく書けてしまうため一般の人には馴染まないと思っていた。

    読んでみると難しい言葉はほとんど出てこない。
    詰まることなくスラスラ読めてしまった。
    誰もが抱える悩みを「ヒラメさん」や「アユさん」などの例を挙げてわかりやすく答えてくれる。

    実は私も結婚当初はケンカの連続で怒りの消えない日々を過ごしていた。
    いつしか怒りは破壊しか生まないことを知り、一つのルールを決めた。
    「大声で言ったことは聞かない」

    お互いが怒っているときは一旦距離を置き、気持ちの落ち着きを待って、言い分はともかく怒ってしまったことを後で謝ることにした。

    この本では色々なケースに対して具体的な第一歩を示しており、どんなパートナーにもためになると思う(同性愛でも)。

    当たり前のことだがパートナーをいつの間にか自分と錯覚していたのだろう。
    「重要な他人」だったのだ。

    他人と思えば強い要求をすること自体失礼なことだと気付く。
    少し頼み方を変えるだけでまさに「最大のストレスは最も頼りになる力」になるのかもしれない。

    分かっているようで全く分かっていないのがパートナー、コミュニケーションって大事だな。

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著者プロフィール

水島広子(みずしま・ひろこ)
慶應義塾大学医学部卒業・同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本改正などに取り組む。1997年に共訳『うつ病の対人関係療法』を出版して以来、日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、国際対人関係療法学会理事。主な著書に『自分でできる対人関係療法』『トラウマの現実に向き合う』『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』『怖れを手放す』『女子の人間関係』『自己肯定感、持っていますか?』『「毒親」の正体』などがある。

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