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Amazon.co.jp ・本 (180ページ) / ISBN・EAN: 9784422115306
感想・レビュー・書評
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「生命そのものは死なない。死ぬのは個々の生きものだけである。身体をもつことによって生命が生命の中へ入ってくる」…など、かなり難解な表現が多くて、半分も理解できませんでした。しかし、こころの病理学を学ぼうと思えば、このような哲学的表現にも慣れていかなければならないのだと思いました。もちろん、なんとなくではありますが、理解できたり、共感できた部分もありました。私にとって、この書籍を読んだ最大の発見は、私が今まで人を疾患や症状というフィルターを通してでしか、見ていなかったことを知れたことです。例えば、大声を出す人。大声を出す人を見たとき、今までは、大声しか見えておらず、その人のこと、その人間のことを、きちんと見たり、もっと知ろうとしてこなかったような気がします。大袈裟でなく、この書籍を読む前と、読んだ後では、見える景色が変わりました。この書籍をもっと深く理解できれば、さらに景色が変わるのではないかと期待しています。
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臨床心理学者の河合隼雄さんの本の中で「手に負えないと判断したら早めに精神科医のほうに回すことが重要」という文章を読んだことがある。木村さんは精神科の医者だから患者は誰かに連れられて来る病んだ人だが、河合さんが請け負う患者の範囲は、発病する前の人で自分一人で来訪できる人が多い。つまり、野戦病院の軍医と内地の大病院の学者の差である。
木村さんは野戦病院の経験値から臨床哲学を編み出し、河合さんは大病院での経験値から臨床哲学を編み出した。
この差は文章に出ていると思う。木村さんのこの本には「宗教」「魂」「物語」「夢」といった河合さんの本には必出の言葉がほとんど無かった。
この意味するところは、木村さんの哲学は医学的であくまでも西洋的、河合さんの哲学は文学的で日本的と言えるのではないだろうか。
以下、印象に残った言葉。
p8 ヴァイッゼカーの言葉。
<生命>そのものは死なない。死ぬのは個々の生きものだけである。身体をもつことによって<生命>が生命の中へ入ってくる。
p116 私たちがこの世界の中で無事に生きて行くためには、最低限三つの条件が必要で、それは
(1)心身が健康であること、
(2)食べて行けるだけの資金があること、
(3)周囲の人たちに受け入れられていること、
の三つだということです。それ以外のことは、いってみれば贅沢というものでしょう。
p159 大発作癲癇を惹き起こしている「作用因」ないし「動力因」はというと、それは個人以前、個別化以前のゾーエー的生命以外の何ものでもありません。大発作の全身痙攣にしても意識喪失にしても、ゾーエーがいったん達成したビオスヘの個別化を撤回して、個人と大宇宙との一体性を回復しようとする試みにほかならないのです。だからそれは{自分を忘れるという意味で}一時的な<死>であり、祝祭そのものであり、「聖なる病」であるのです。 -
木村敏先生の中ではこれが読みやすいかな。精神科医の”たしなみ”として、あいだ論やビオスとゾーエーは知っておいて良いでしょう。
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哲学
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面白かった。統合失調の話がメインで阪大の臨床哲学よりもっと医学より
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精神病理学の巨頭・木村敏先生が行った、一般聴衆向け講演をまとめたもの。難しい言葉、事柄を分かりやすく平易に説明してくれており、木村先生の統合失調症、うつ病論を理解するための入門には格好の書籍だと思います。
DSMによる操作的診断基準による症状の羅列だけの診断に対して、その症状の向こう側にあり、さらに生化学的な説明を超えた根本的な作用は一体何なのか、についての考察は迫力があります。 -
この筆者の本は読みにくいというか常にわかりにくいというか人に理解してもらうことを始めから期待していないと思わせるものが多いのですが、この本は、そういう意味では読みやすいです。でもやっぱり精神病理学は人の役には立ちそうにないなあ。
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おもしろかった。
人間科学やグループ・ダイナミックスの着想とすごく相性が良いように感じた。もちろん現象学も。
非常に文体が口語的でわかり易かったのも特徴だと思う。
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