プロカウンセラーの共感の技術

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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422115801

作品紹介・あらすじ

相手の気持ちに寄り添った温かい人間関係を築くためには、相手への深い共感が欠かせない。人の話を聴くプロのカウンセラーは、どのようにして相手への共感を自分の中に生み出すのだろうか? 本書は、共感とは何かをわかりやすく説くだけではなく、愚痴の聴き方からネガティヴな感情との関わり方、対立する相手への共感、言葉を使わない共感の伝え方など、プロカウンラーならではの技の数々を紹介する。ベストセラー『聞く技術』に続く、豊かな人間関係を築くための一冊。

感想・レビュー・書評

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  • うつ病からの寛解を勝ち取った今、願っていることがある。
    この経験を人のため、社会のために活かしたいということだ。それには、病気に対するきちんとした知識を身につけたい、と思っている。

    リワークプログラムに通っている時にある心理士のスタッフから言われた。
    「皆さん方は、下手な医者や心理士より、メンタルヘルスについての専門家です。病気の辛さと回復する感覚を、実感として持っているから」

    題名にある「技術」という表現は、誤解を招くかもしれない。しかし、きちんとした「技術」なく対話の現場に出れば、大火傷をしてしまう。

    共感とは、優しい癒しのイメージで捉えらがち。しかし、それは勇気の挑戦であり、一種の賭けでもあると著者は語る。

    疲れるし、エネルギーも使う。
    だからこそ、報われた時の喜びも大きいのだと。

    「苦しみは分け合えば半分になり、喜びは分け合えば倍になる」

    心は工なる画師の如し。
    対話によって、共感によって、自身を見つめ、心を通わせる。

    多くの現場を踏んできた著者のわかりやすい具体例の数々。
    知恵は現場にあり、だ。

  • 自分と向き合うことに手を貸してくれる本。
    実際に著者と言葉を交わしているわけではないのだが、彼の眼差しや温かさが伝わってくる気がする。よくもここまで書いてくださったと思う。
    恐らく、タイトルにある「技術」とは、広い見識や深い思索といった目に見えない「人間性」が伴ってこそ、完結するのだろう。一生「完成」を目指し、向上し続けるとも言えるが。

  • プロのカウンセラーが日々の仕事の中で得た知見を分かりやすく開陳してくれた貴重な本である。
    カウンセリングで大事なのは、傾聴と変化である。結果と言い換えてもいい変化を意識しすぎると、傾聴による信頼関係が弱くなり結局変化しないという結果になりがちである。そういう豊富な事例からTIPSとしてまとめたのが本書である。
    また、相手に共感しすぎていると見えることも、ある狭い範囲に固定して共感しているに過ぎない場合が多い、という知見はハッとさせられた。共依存もそうだが、視野狭窄になってしまうと変化しにくくなる。しっかりと共感をした上で、立ち位置を変えてより広い範囲を見ることで別の解決方法も見えてくる。これがカウンセリングの本質なのだろう。
    人間関係苦手だとする人、なぜか人間関係が上手くいかないと思っている人は読んでみるのも良いかもしれない。

  • 文字通り、プロカウンセラーの共感の技術について書いた一冊。

    共感について深く知ることができた。

  • 受容と共感、そして変化促進
    話し手に寄り添い、受け容れ感じる。自分の思いは棚上げにして相手の思うことを感じ取る。
    一言難しい。

  • 個人の境界をしっかり認識することで共感は高まる。
    とは奥深いと思った。

  • 共感、とても深く
    大切なものでした。
    学び直すためにいつか
    再読します。

  • ★★★★傾聴するときにどんな言葉を発して何は言わない方がよいのか。ただ聴くだけでなく受容して行動変容を起こさせるには。考えずに感じることなど、共感の方法について細かく深く、具体的に書かれている。実践していきたい。

  • 2015年の56冊目です。

    相手に共感することを、自分の信条としていました。
    特に、女性の話を聞く時は、共感を心がけようとしていました。その共感とは、相手の感情に同意するというレベルだったと思います。相手「凄く、苦しかったです」。私、「そうか、それは、苦しかったですね」。相手と同じ感情を抱くといえば、少し高度な感じがしますが、それが私の理解している共感でした。
    しかし、著者は、共感は個人の境界を超えることだと定義しています。境界を超え、響き合うことだと述べています。
    本のタイトルからしたら共感のKnowhowが並べてあると思いましたが、そのような表面的なことはほとんどなく、そこからさらに踏み込んだ経験的考察による考え方が説明されています。カウンセラーが良く行う「オウム返し」(悲しいよ。悲しいんですねみたいな感じ)=反射にも、多様なバリエーションがあり、相手の状況を観察して、自分から何かを付けたすことが無い範囲で、具体的な反応をすることも反射の一つとしています。まさにプロカウンセラーの言葉だと納得できました。

  • p46 あなたは共感しようと努力する必要は少しもありません。ただ、いつの間にか共感している自分に気がつくだけです。
    p56 誰かに共感するためには… 観察力、想像力、注意のコントロール力、表現力
    p62 価値判断を留保した態度で、そのままに、ありのままに受けとめる態度が受容であり、そこで感じられることに注意を向けて感じ取ることが共感なのです。
    p108 葛藤の両面をつなぐときに、そして、それと同時に、その一方でといった接続詞を使ってその二つを穏やかな関係でつなぐ。コメント全体を穏やかな声で言う。
    p155 自分の気持ちに注意を向けることをしない習慣を長年にわたって発展させてきた人の場合、単にそのときあなたはどんな風に感じましたか?という質問をシンプルに尋ねるだけでは、いったいなにを尋ねられているのか、質問の意図がピンときてないことが多い。
    p178 悪意のある話の背後に、必ず傷つきの体験があると保証できるわけではありませんが、私の経験からはしばしばそうだと言えます。悪意そのものよりも、その悪意の背後にそうした傷つきが感じられるかどうかがら、その人と共感を深めていけるかどうかの重要な分かれ目だと思います。
    p185 率直に謝ることは強さであり、それ自体が大切な教育です。
    p186 共感があからさまに失敗したこうした最悪の瞬間を修復する作業が、共感を深めます。共感は、「共感の傷つき」を共感自体で癒し、それによって太く育つのです。

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著者プロフィール

京都大学学生総合支援センター教授(カウンセリングルーム室長) 教育学博士(京都大学) 臨床心理士 略 歴 一九六一年 神戸市生まれ。 京都大学教育学部、京都大学大学院教育学研究科にて臨床心理学を学ぶ。 大谷大学文学部専任講師、京都大学保健管理センター講師、京都大学カウンセリングセンター講師を経て現職。 主な著書 『技芸としてのカウンセリング入門』創元社 二〇一二年 『12人のカウンセラーが語る12の物語』(共編著)ミネルヴァ書房 二〇一〇年 『統合的アプローチによる心理援助』金剛出版 二〇〇九年 『大学生がカウンセリングを求めるとき』(共編著)ミネルヴァ書房 二〇〇〇年 『臨床心理学入門』(共編)培風館 一九九八年 主な訳書 『心理療法家の言葉の技術 第二版』(ポール・ワクテル著)金剛出版 二〇一四年 『説得と治療:心理療法の共通要因』(ジェローム・フランク&ジュリア・フランク著)金剛出版 二〇〇七年 『心理療法の統合を求めて』(ポール・ワクテル著)金剛出版 二〇〇二年

「2018年 『SNSカウンセリング入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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