本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784422117706
作品紹介・あらすじ
【新装復刊!】
ユング派の代表的分析家である著者が、結婚は〈幸福〉への道ではなく、伴侶が対決しつつ歩む〈自己実現〉への厳しい道の一つであると説く、大胆でラディカルな書。
結婚というものはそもそも快適でも調和的でもなく、むしろそれは、個人が自分自身およびその伴侶と近づきになり、愛と拒絶をもって相手にぶつかり、こうして、自分自身と、世界、善、悪、高み、そして深さを知ることを学ぶ個性化の場なのである。(本文より)
感想・レビュー・書評
-
東2法経図・6F開架:152A/G91k//K
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
聖典…!パートナーシップについて、恋愛について、結婚について、あるいは男について、女について、なんかカウンセラーとか相談とかアドバイスとかしてる人は少なくともこれは読んだ方がいいよ…。これくらい、結婚やパートナーシップは、深度をもって扱うべきことだよ…。
人は結婚に幸福を夢見ているが、結婚とは幸福に至る道ではなく、個性化に向かう道の一つ(あくまでも一つ)であり、個性化に向かう道とは安寧であるはずはなく、苦難と対決は避けて通れない。(もちろんそこには至福や喜びもある。)
という前提に立ち、力強く論が展開される。
そして読むうちにものすごく「これでいいんだ!」と勇気づけられる。
男性的元型と女性的元型はそれぞれ無数にあり、男性性=ロゴス(を初めとした男性的として語られる様々な要素)、女性性=エロス(同様)などという分け方で語ること自体をやめなければならない!
例えばアテネやアマゾネスは、いわゆる「女性的」な女性像ではないが、それらもまた一つの元型である。
そもそも男性性と女性性が結びつく必要はなく、調和する必要もない(!)。
そして、結婚だけが個性化への道ではない、結婚も一つの個性化への道であり、独身もまたそれぞれの個性化への道。セックスもまた、あろうがなかろうが、どちらもが個性化の道である。もちろん、アセクシュアルや同性愛も。
子どもを生み育てるために結婚という制度に頼らなければならないなんてバカげてる!子どもを生み育てることはもっと賞讃され、補償されるべきだ。
そのなかで、夫婦関係とは、セックスとは、離婚とは、親戚づきあいとは…などなど、それは個性化にとってどんな意味があるのかを解いてゆく。
(私の言葉でまとめてるので、ちょっと端的に表現されてるけど概ね間違ってはいないと思う…でも逆にこれを読んでつまらないと思われたらすごくすごく心外だ。)
原著は1979年に出版された本だけど(書かれたのはもっと前らしい)、すげーなー。こういう抽象的でセンシティブなことを、時代や文化をも超えた視点で書けるっていうことがすごい。
グッゲンビュールは、ユング派の、むしろ哲学的な著作をたくさん書かれている方。
個性化とはなんぞや?そんなにまでしてしなきゃあかんものなの?と思った方は、ユング派心理学についてもうちょっと本を読んでしまおう!
あー素晴らしい。これ、結婚する前に全員読んだ方がいいぞ。いやー無理か。20代でこの本読んでもなんのこっちゃかなぁ?いやいや、いくつであっても、その時に受け取れるものを最大限受け取って、この不思議な営みにジャンプインするのがよろし。
もう結婚しちゃったよ、今からどうせいっちゅーの?という方にも、という方こそ、ぜひ読んでほしいです!!
著者プロフィール
樋口和彦の作品





