線文字Bを解読した男 マイケル・ヴェントリスの生涯

  • 創元社 (2005年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784422202303

感想・レビュー・書評

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  • 線文字Bの解読についてはサイモン・シン「暗号解読」で紹介されていますが、もう少し詳しく知りたくなって手に取ってみました。

    1900年に発見されてから半世紀の間解読されていなかった線文字Bが在野の言語オタクのヴェントリスによって解読されるわけですが、
    一気に研究が進んだ1951年からの2年ほどの間は映画のクライマックスシーンを見ているようです。

    解読の最後の一押しとなるのは、わずかながら、ただし決定的な仮説を置くことでした。
    この閃きにより一気にゴールに向かっていくのですが、奥ゆかしい天才はこれを論理の飛躍・欠陥と捉えていたようですね。先達の業績の上に論理的に理性的に理論を積み上げてきたからこそなのでしょう。

    こういったヴェントリスの人となりや建築家としての一面が線文字Bの解読に繋がっている点も興味深く、彼でなければ成し遂げられなかった仕事なのだろうなと感じます。

  • サイモン・シンの「暗号解読」に出てきた線文字Bの解読の話をもっと詳しく知りたい、ということで手に取った本。線文字Bの解読者マイケル・ヴェントリスの伝記。「暗号解読」に負けず劣らずの面白さだった。ヴェントリスという興味深い人物と、線文字Bの興味深い解読の軌跡がオーバーラップして、読み物としてとても楽しい。個人的にはヴェントリスの、建築家という本業と趣味の解読の間でアイデンティティを混乱させてるところにシンパシー。200ページ程度で割と短くまとまっているのもよい。絶版なのが残念。

  • 言語学者ではない人が解読をしたというのが驚きでした。
    線文字Bを解読をしたヴェリントスについて、彼の人生に触れながら解読までの道のりを追いかけられましたでで、あっという間に読んでしまいました。

    ヴェリントスが言語能力が高く、2週間くらい学べば色々な国の言葉を話せる方というのは羨ましいですね。

  • 偉業を成し遂げる人は、集中力が違う。
    線文字Bは、紀元前1450年から紀元前1375年頃までミュケナイ時代に、ギリシャ本土からエーゲ海諸島の王宮で用いられていた文字のことです。
    ウィキぺディアによると、「1900年に、クレタ島のクノッソス宮殿跡から出土した粘土板に刻まれていた文字群の一つ。発見者であるイギリスの考古学者サー・アーサー・エヴァンズにより線文字Bと命名された。同時に発見された線文字Aから派生したとされる。エヴァンスは、クレタ文明独自の言語で書かれていると誤って推測し、解読は絶望視された。しかし、1939年にギリシャ本土で同文字が記された粘土板が大量に発掘され、また、名詞の単・複数形等とおぼしき語尾変化のパターンの発見等、地道な研究成果が蓄積されていく。そして1953年、イギリスの建築家マイケル・ヴェントリスと言語学者ジョン・チャドウィックによりギリシア語として解読された。アマチュア研究者ヴェントリスの研究手法は手堅いものであったが、ギリシャ語と看破したのは、彼の独創と言える。」とあります。

    この本は、この線文字Bを解読したマイケル・ヴェントリスの生涯を描いたものです。少年時代に線文字Bと出会い、空軍勤務や建築家としての生活をしながら、線文字Bの解読を行った彼は偉大なアマチュア研究者でした。
    小さい頃から言語に堪能で(解読者に共通の能力とも言えます)、ヨーロッパの言語を短期間でマスターする能力と、他の言語学者とは違う建築家としてのユニークな考え方を持っていました。またひとつの事に没頭できる集中力を持ち、その事が偉大な業績につながるのですが、解読が成功した後は目標を見失い、34歳の若さで不運にも自動車で事故死してしまいます。
    偉大な研究・発見をする人に共通しているのは、ひとつの事に没頭できる集中力の高さだと思います。彼にも家庭生活がありましたが、子供の頃から興味があった線文字の解読のほうが人生の大きな部分を占めていたようです。
    そのため家庭生活への関心も薄く、解読成功後は建築家として苦悩の日々を送っていたようで、おそらく死因は今で言う鬱の影響ではなかったかと思います。
    偉大な人物も人生いろいろです。
    ちなみに、線文字Bについては10年ほど前に「線文字B 大英博物館双書 失われた文字を読む」という本を読んだ事があります。
    私にとっては、線文字Bの解読法よりも解読者マイケル・ヴェントリスの人生のほうがはるかに面白いと思いました。

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