図説世界の歴史 1

  • 創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422202419

作品紹介・あらすじ

文明はどこへ向かうのか。世界史研究の最高権威J.M.ロバーツが語りおろす人類400万年の歴史物語。「歴史の始まり」から9.11同時多発テロまで、史上、幾度も訪れた危機や混乱に、人間はいかにして立ち向かったのか。第1巻は、人類の誕生から、古代メソポタミア文明・古代エジプト文明の誕生とその終焉までを解説。

感想・レビュー・書評

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  • 出口治明さんの書籍を読んでから、歴史が面白くなったので本書を通読。歴史に苦手意識があったが、各ページに2つずつ写真が載っておりイメージしやすい。

  • 2003年に逝去した歴史学の泰斗による全10巻の世界史シリーズ。

    ※以下の感想はシリーズをまとめて。

    1冊につき約250頁程度の分量があるが、図版が多めな上、語り口も平易で、非常に読みやすい。ですます調であることも、親しみやすく柔らかな雰囲気を作り出すことに成功している。

    ただ、さすが人類の発祥から現代までを描くとなると、これだけの頁数では全然足りず、かなりはっきりした取り捨て選択がなされている。

    そういった意味で「これだけ読めば、歴史がすべて分かる」とは言えない訳だが、初心者にとってはまず大まかな流れを知ることが重要で、「少しがんばれば読み通すことができる」本シリーズの意味はとても大きいと思う。

    また、単なる初心者向けというだけでなく、時折、著者の鋭い歴史観が(英国人らしい皮肉混じりで)語られ、はっとさせられるあたりも◎。

    もう少し深い歴史本を読むための基礎力をつける本として強くオススメしたい。

  • 4訂翻訳版2002年(原本初版1976年、原本4訂2002年)刊。著者は元サザンプトン大学副学長。


     欧米から見た世界史とは。一人の通史的な叙述ならそれはどうか?。
     創元社「図説世界の歴史」(本巻は1巻)はこの観点から見るべきシリーズなのだろう。

     本巻は古人類学から先史時代、そしてメソポタミアとエジプト文明。さらにはギリシャ、シリア・小アジアなど肥沃な三日月地帯に筆を進めていく。

     その基礎は
    ① 民族移動や交易などの情報伝達が様々な文明の変容・改良・革新を促していく視座、
    ② 文字史料に止まらない縦横無尽さだ。

    カラーで見せる遺跡・遺物などをふんだんに盛り込む叙述スタイル、簡明な叙述で見通せる点、分量もさして多くなく、細かな年代はそれほど重要視しない点で一気読みが可能な点は買い。

  • Oxford Hisotryシリーズの総監修を勤めたJMロバーツ氏による世界通史の1巻。初版が1976年、その後、80年、83年、87年、88年、92年、97年、99年と改訂され、本書は99年版が底本になっている。氏が「はじめに」にて「長期的に見てその出来事が人間社会にどれだけ広く大きな影響を与えたかという点に基づいて歴史的事実の取捨選択を行っている」と述べているが、これは世界通史の名著と言われるWHマクニール『世界史』に通じる点だろう。実際、両者の大きな構成は似ており、僕が学生時代に学んだ世界史とは大きく異なっている。
    ただ、マクニール本は歴史、人間の営み、社会の営みに通底する構造的なものを拾い出し、それをアカデミックに記述しているため、ページを繰るスピードがどうしても遅くなってしまうが、本書はわかりやすいやさしい表現を心がけており、しかもほぼ全ページにわたって写真が掲載されており、文章とともに頭に入ってくる。読んでいて飽きがこない。世界史は同時代に起こったこととその波及の流れがいくつもの地域で複雑に絡み合うため、前に覚えたことを思い出しつつ、次を読むことが多い。その苦労がこれら写真によってかなり軽減した気もする。

  • BC1379年、エジプトのアメンヘテプ4世が王位に着いて太陽神アテンを信仰する宗教改革に乗り出し、史上初の一神教となった。

    BC2000年頃、カッシート人が馬に引かせた二輪戦車や騎兵でメソポタミアへの攻撃をしかけ始めた。戦車や騎兵はBC1000年までにオリエント各地とエーゲ海に広まり、BC1000年を過ぎると鎧を着た騎兵が登場した。

    紀元前二千年紀の中頃にラクダが家畜化され、砂漠を横断する交易ができるようになった。

  • 分かりやすくて、写真も沢山あるので持っていて損のない本です

  • 全10巻読むと
    この世界の押し広げられ方が見える気がして
    わたしたちは因果関係の続きに生きていると
    はっきり言えるような気がして。

  • 世界史研究の第一人者であるJ・M・ロバーツが執筆した本。第一巻は「歴史の始まりと古代文明」
    いかに多くの人類に影響を及ぼしたかに重点を置き、その記述は先史時代から始まる。エジプト文明が他国にあまり受け継がれなかったことから、そこまで大きく捉えられていないことに驚かされた。

  • <きっかけ>
    「選ばれるプロフェッショナル」で紹介されていて関心を持った

    <学んだもの>
    人類の始まり

    <内容/感想>
    歴史上の事実を、現在の人類にどれだけ影響を及ぼしているか、という大局的な価値判断に基づいて叙述している。話し言葉で書かれていて読みやすい。ただし、歴史好きでないと、何となく手に取っても読むのは大変。

    1.人類の起源
    ホモ・サピエンスが人類の祖先で、ネアンデルタール人は優秀な種族であったがその遺伝子を残すことはできなかった。
    ホモ・サピエンスの祖先としてのホモ・エレクトゥスが本当の意味で人類の起源である。ホモ・エレクトゥスは、火を起こすことはできなかったが、初めて火を使用した。
    2.古代文明
    文明が大河の流域で発展したのは、そこが農業に適していて人が集まったから。そして文明と宗教は密接に関係している。
    メソポタミア文明:世界最古のシュメール文明から発展。くさび型文字や数字を発明し、世界初の通貨もここで生まれた。周辺地域と貿易が行われ、その後の文明の発展の基礎となった。
    エジプト文明:素晴らしい建築物と芸術を残しながら、ヒエログリフという文字の基礎・パピルス紙の発明・医学の発達以外には重要なものを残さなかった。

  • 歴史を遡り、追いかける。

    全10巻の世界の歴史の1冊目。先史時代から古代文明の発生まで。
    「はじめに」にあるように、「その出来事がいかに多くの人間に影響を及ぼしたか」という点に基づいて取捨選択を行い、偉大な文明を軸に歴史を「物語る」ことに主眼を置いている。
    「歴史は繰り返す」とは悪い意味で使われる事が多いが、ヒトが他の生物とは一線を画す存在である事も示している。
    そういった考え方(ヒトは環境を自分達に合わせる事で発展してきた)は西洋的だと感じてしまうが、世界の歴史は概ね西洋史を中心に語られる事が多いので西洋の考え方に合わせて読むのも一興かと。
    年号も「西暦」だしね。


    歴史の始まりとはいえ、その記述を逐一読み進めていく事には早々に挫折した。
    図説なので資料中心に見ていきながら、途中気になったところは精読、というスタイルで読んでいくと大まかな流れは理解できた。(けれど、精読するにも適した論理展開だとは思う)
    目を引いたのは、宗教、女性の位置づけ、庶民の暮らし、が項目にあるところか。
    偉人、歴史的出来事中心の教科書みたいな歴史書とは違った視点が興味深い。

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