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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784422202440
感想・レビュー・書評
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1〜3巻と比べて、読み進めづらかった。監修の後藤先生も、騎馬遊牧民のところが古い、最先端の研究が反映されていないと、一人の著者による歴史叙述の限界を指摘されている。
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1. イスラーム教の成立と発展
1.1 ムハンマドの啓示と教えの変遷
- ムハンマドはメッカで啓示を受け、主に神に関する教義を伝えたが、メディナに移住後には日常生活に関する具体的な教え(食事、飲酒、結婚など)に焦点を移した。
- これにより、イスラームは独自の宗教としての文明と共同体を形成した。
1.2 イスラーム共同体の統一
- メディナを拠点にしたムスリムたちは、メッカを征服し、アラビア半島の他の部族をも統合していった。
- ムハンマドの「ウンマ(信者の共同体)」の思想は、様々な部族を同じ信仰のもとに結びつける役割を果たした。
1.3 伝統的な社会構造の維持
- イスラーム共同体の方針に従う限り、家父長制を含む伝統的な習慣は維持された。
- メッカは偶像崇拝の中心地から新たな巡礼地としての地位を確立し、イスラーム教徒は生涯に一度は巡礼を行うこととされた。
2. ムハンマドの死後の変遷
2.1 カリフ制の成立
- ムハンマドが632年に死去すると、彼の後継者として「カリフ」が選ばれ、「ウンマ」の長としての役割を果たすこととなった。
- 初期のカリフはすべてクライシュ族出身で、ほとんどがムハンマドと血縁または婚姻関係にあった。
2.2 アラブ帝国の分裂
- ムハンマドの共同体はすぐに分裂し、ウマイヤ朝とアッバース朝というふたつのアラブ帝国が成立した。
3. イスラーム文明の拡大と影響
3.1 アッバース朝の繁栄
- アッバース朝の時代、イスラーム文明は農業、科学、文化において大きな進歩を遂げ、コルドバでは数多くのモスクが建設された。
- アラブ文明は中世ヨーロッパに大きな影響を与え、特に学問や技術の面での成果が後世に伝えられた。
3.2 イスラームと他の宗教の関係
- ムハンマドはユダヤ教徒との対立を経験したが、キリスト教徒との平和的関係を保つことができた。
- イスラーム、ユダヤ教、キリスト教は「一神教」と「啓典」において強い結びつきを持ち、互いに影響を与え合った。
4. ビザンツ帝国との対立
4.1 ビザンツ帝国の権力と影響
- ビザンツ帝国はキリスト教の名のもとに権力を正当化し、「文明世界の支配者」としての地位を確立した。
- 皇帝は「地上における神の代理人」として絶対的な権力を持ち、教会と国家の関係が密接に関連していた。
5. ヨーロッパ世界の形成
5.1 フランク王国の重要性
- シャルルマーニュ(カール大帝)は西ローマ皇帝として戴冠し、フランク王国の領土を拡大した。
- 教会との連携を強化し、ローマ教会の権威を背景にして政治的な力を高めた。
5.2 ヴァイキングの影響
- ヴァイキングはスカンディナヴィアから移動を開始し、イギリス、アイルランド、さらにはロシアにまで影響を及ぼした。
- 彼らの活動はヨーロッパの歴史において重要な役割を果たした。
結論
本書では、イスラーム教の成立とその後の発展、ビザンツ帝国との関係、そしてヨーロッパ世界の形成について詳述されており、これらの要素がどのように相互に影響を与え合っているかが強調されています。歴史的な視点から見ると、宗教、政治、文化の交差点に位置するこれらの出来事は、現代に至るまでの歴史の流れを理解する上で不可欠です。 -
RJ3b
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
図や地図が多く非常に読みやすい内容となっていた。
特にイスラームの誕生と初期の歴史は日本では学ぶ機会がなく、非常に参考になった。
また、ビザンツ帝国や初期のロシアについても解説され、あまり知らない事をしれて楽しかった。ビザンツ帝国の皇帝が東方正教のトップも兼ねていたということには驚いた。ある意味で政教一致がなされていたということになるのかな。
また、初期の西ヨーロッパの形成や遊牧民に関する内容も中々に良かった。
最後にそれぞれが独立した物ではなく、相互に関係性を持ち、影響しあっていたということがよく分かる内容だった。 -
【配置場所】特集コーナー【請求記号】209||S||4【資料ID】10508869
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