修道院の歴史:聖アントニオスからイエズス会まで (創元世界史ライブラリー)

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  • 創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422203393

作品紹介・あらすじ

古代エジプトの隠遁生活に起源をもち、現代まで脈々と受け継がれてきた修道制。修道士たちは俗世から離れて共同生活のなかに神を希求する一方、写本による学問の継承、糧を得るための生産活動、女子修道院や騎士修道会の創設、海外宣教など、西欧社会に大きな影響を与えてきた。本書ではローマ・カトリック世界を中心に、その原初から近代のイエズス会の活動までを通観する。キリスト教文化をより深く理解するうえで必読の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 通信制大学のテキスト。
    修道院の通史がよくわかる本。

    修道院も色々あるのねー。
    瀟洒なものを受け入れるところもあれば、かなり自分に厳しくするところもあり。

    欧米の映画では『薔薇の名前』『ダヴィンチ・コード』辺りに出てきますな。



    ただ、個人的に今はキリスト教から離れていたい時だったから、読むのがしんどかった。

  • カロリング期のキリスト教政策と修道院にくわしく、またクリュニー会とシトー会の関係が対立ではなかったこと、ベルナルドゥスと尊者ピエールの関係などが興味深い内容であった。万霊節をはじめたクリュニー修道院の院長オデュロンなど興味深い人物もおおい。シャルトルーズ修道院(カトゥルジオ会)についても一章をもうけているのは貴重な本である。

  • 231119-2-4

  • 読み応えのある内容だった。世界にある修道院の種類がざっくりと理解できた。

  • 砂漠で隠遁した聖アントニウスから宣教のため世界を駆け巡ったイエズス会まで、修道院の歴史をまとめてある本。「修道院は時代に背を向けて存在するように見えるかもしれないが、むしろ移ろいゆく時代の申し子」と筆者は書いているが、確かにキリスト教と時代の要請にこたえて豊かな文化を生み出していった様子がよくわかる。対立するように見える修道院同士にも交流があったりするのが面白い。
    ヨーロッパの歴史と関連しての修道院が変化していく流れや修道院ごとの特徴など分かりやすく、最近の研究による位置づけの変化などもさらりと触れてあってとてもよかった。しかも巻末の参考文献がすごく充実している。この人のほかの本も読みたいなと思う本だった。

  • 教会改革って、ルターが最初じゃなかったんだ! シトー会もフランシスコ会も、教皇庁のあり方に対する異議申し立ての面があったんだ。目から鱗。

  • 中世はどうしても「暗い」イメージがつきまとい、近代と断絶しているように思いがちですが、当然、連続していることは当たり前ですし、修道院こそが文化、芸術をはらんでいたのでしょう。

  • 修道院の通史。エジプトの聖アントニウスからベネディクトゥス、クリュニー・シトー、騎士修道会、托鉢修道会、イエズス会まで、まとまりよく説明されている。
    ときたま『薔薇の名前』のエピソードが出てくるのもなんかうれしい。
    老荘に限らず社会から身を引いて充実を求める価値観や、貴顕の次男三男が大寺院の座主を勤めるような仕組みなど、世の東西問わず自ずと考えることは似通ってくるようだ。

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著者プロフィール

1959年、東京都生まれ。上智大学文学部史学科卒業。同大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。中央大学文学部教授。博士(史学)。中世ヨーロッパの修道院関連の著書多数。

「2022年 『世界を揺るがした聖遺物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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