ヴェネツィアの歴史 海と陸の共和国 (創元世界史ライブラリー)

  • 創元社 (2018年3月22日発売)
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本 ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784422203423

作品紹介・あらすじ

地中海交易で財をなし、共和国として千年以上にわたって命脈を保った海上国家ヴェネツィア。ビザンツ世界とローマ・カトリック世界の間という特殊な立地を活かした海上交易や海上領土の存在が注目されがちだが、実はその陸上領土が重要な役割を果たしていた。本書では伝説上の5世紀の建国から説き起こし、18世紀末の共和国滅亡とイタリア王国への編入までを扱う。「史上最も長く続いた共和国」の好個の通史。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    現在ではイタリアの一都市である、水の都ベネチア。世界史を習えば必ずポイントとして出てくる都市であるが、独立した共和国だった歴史を持つ。そんなベネチアの歴史を深く知ることができる1冊。
    ベネチアの歴史そのものもそうだが、私がこの本を読んで唸ったのは、「第四回十字軍」と「コンスタンティノープル陥落」の記載。世界史を学べば、面白ポイントの1つとして「打倒イスラムなはずが、なぜかキリスト教国の東ローマを倒しに行っちゃう」という第4回十字軍、そのキーとなるのがヴェネツィアであるが、世界史の本としてここまで詳細に書かれているのは初めて見た。また、ヴェネツィアからの視点だと、なるほどそういう利権・戦略が働いていたのか、と納得。
    またコンスタンティノープル陥落についても、オスマン帝国にやられちゃいました、くらいな情報だったのが、さらに深く知ることができたし、大航海時代に繋がる国際関係の理解も深めることができた。

    本に記載されている内容自体は非常に細かいので、「世界史の入門書」ではない。3冊目、4冊目くらいのレベル感だ。ただただ、非常に面白かった。

  • ビザンツ帝国やイスラム世界と西欧の橋渡し役、第四回十字軍の派遣など、さまざまな角度から国家としてのヴェネツィアの歴史を知ることができます。本書で特に強調されているのが、北イタリアの陸上領土(テッラフェルマ=動かない大地)の拡大です。ヴェネツィアは交易ルートの終着点ではなく、東西の中継地点として機能していたため、西欧に通じる陸路や河川を押さえることはとても重要でした。海上交易のイメージが強いヴェネツィアですが、陸地にも勢力を伸ばしていたことを知り、歴史は多面的に見るのが楽しいと改めて思います。

  • <閲覧スタッフより>

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    所在記号:237||ナカ
    資料番号:10242614
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  • ヴェネチアの歴史本は数多いが、かなり充実した一冊と感じる。ヴェネチアを理想国家のようにとりあげる「ヴェネチィア神話」を説明するところなど、塩野七生へのオマージュかと思ってニヤッとした。人工増減や歳入の内訳などデータからの解説もあって、納得感がある。海洋国家から大陸国家にに変容する過程とその理由は他書では没落時代として語られることもあるが、そうでもなく、イタリア地域国家として必然の流れだったのだ。

  • 東2法経図・6F開架 237A/N33v//K

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