十字軍:ヨーロッパとイスラム・対立の原点 (「知の再発見」双書 (30))

制作 : 南条 郁子  松田 廸子 
  • 創元社 (1993年9月1日発売)
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  • レビュー :8
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422210803

十字軍:ヨーロッパとイスラム・対立の原点 (「知の再発見」双書 (30))の感想・レビュー・書評

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  • 十字軍招集以前のイスラム・キリスト双方の情勢に始まり,マムルーク朝によってフランク人がシリアから完全に放逐されるまでを,様々な資料を交えながら辿る内容.バランスとしては,サラディンの活躍した第三回十字軍の直前までを特に詳しく扱っている.
    専らイスラムとキリスト教という二大対立として捉えられる問題だが,実際にはユダヤ人も少なからず(時には積極的な殺戮の対象とされて)残忍な侵略の犠牲になっている.
    またそれぞれの宗教としても一枚岩ではなく,特にビザンティンや,シリア地域に土着していたキリスト教徒,またイスラム帝国からは距離を保っていた各地のアミールなどと,主たる参戦勢力であった十字軍側・イスラム帝国側との力関係が流動的であり,結果として宗教の枠を離れた対立・協調関係も見られ,これがしばしば戦局を左右していたことが分かる.
    サラディンの活躍についても,彼の反撃成功の下地を前の世代で築いたヌールアッディーンは晩年,必ずしもサラディンと良好な関係にあったわけではないことが示唆されており,前述した各地の有力者・軍事勢力との流動的な関係も相まって,フランク側をイェルサレムから撤退させるに至ったイスラム側の結束というのは,実際のところかなり際どいところで作られたものだったと考えられる.それが成されたのはサラディンの力によるところが大きく,だからこそ彼が後世まで称賛されることにもなっているということだと思う.

  • 十字軍に関する入門書として購入しました。
    全体的に紙面の都合などありちょっと駆け足的な説明だった気もするが、十字軍の歴史がコンパクトで分かりやすく書かれている。
    視点もフランク、ビザンチン、イスラムと多角的な視点で捉えており好感が持てる。
    興味深かったのが、私はこれまでイスラム側の英雄サラディンがその天才的能力により単独でイスラム側の統合を成し遂げたとばかり思っていたが、実は彼の能力による面もあるがサンギー、ヌール・ウッディーンと進められてきたイスラム統合の事業を引き継ぐ事によりそれを達成することが可能となった事実である。
    また、あのアラビアのロレンスが十字軍時代の城塞について論文を書いていたことも興味深かった。本書巻末の資料編にはその論から抜粋されたスケッチなどが掲載されている。
    少し残念だったのが、十字軍時代の考古学的資料が少ないのか各ページに掲載されている写真が写本等からの絵ばかりであった事である。

  • キリスト教は本当に必要が無いと思った。
    異教徒を自分達と同じレベルで見ようとしない傲慢さが現れているクレモン公会議での教皇の演説。崇めているキリストさえをも貶めていると判断しかねないこの演説には嫌悪を感じます。

  • 十字軍遠征が行われた背景と全体の流れについて、西欧・中東両者の立場から、豊富な図版を駆使してビジュアル的に説明しようと試みている書籍。一見読みやすい本に見えるが、翻訳書独特の言い回しが多く、意味を把握するのに二度読みする必要のある箇所が多く、やや難解。初学者には厳しい。

  • 高校で世界史を選択できなかったので、興味はありながらも学ぶ機会はなかったですが、とても読みやすい内容でした。(地名・人名などは整理しにくかったですが。)
    植民地支配だけではない、もっと根本にある、キリスト教徒とイスラム教徒の関係。

  • 両者の側の資料があり、わりと中立の立場で書かれているのでよかったです。
    サラディンについては詳しく書かれていたけれど、尊厳王や獅子心王についてはあっさりしたものでした。
    個人的にはサラディンと同時代の人物たちについて詳しく知りたかった。あと、サラディンの後継アル・アーディルやアル・カーミル、ボードワン4世あたり。
    どこか資料ないかな〜。

  • ヨーロッパ世界とイスラム世界に、その後、永きにわたる憎悪と亀裂を残すことになった、十字軍遠征。双方から、資料や文書などの紹介が多く取上げられ、偏った内容にならないようになっている、のだと思う。とはいえ、無理解な世界。中世の騎士物(修道騎士も)が好きだけど、生きる力とはすごいものだ。

  • あらすじ的。

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