- Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422214610
作品紹介・あらすじ
謎めいた廃墟の円形石塔は、今でもアイルランド全土に100ほどが散在し、この国の荒涼とした原風景を形作っている。ヴァイキング襲撃とノルマン人の征服という11~12世紀の不安の時代、いったいどのような目的で建てられたのだろう。本書は著名なラウンドタワーを紹介し、それがつくられた歴史的背景、建造方法、廃れた理由などを考察する、日本で初めてのラウンドタワーの解説書。モノトーンの版画がたいへんに美しい。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
・修道院長と十字架
ラウンドタワーに関する最古の記録は、西暦950年、スレインのクログ・チャハ(ベル・タワー)が火災に遭ったという年代記の記述である。したがって数々のラウンドタワーが築かれた年代は、少なくともそれ以前でなければならない。
・入口と窓
ほぼすべてのラウンドタワーの入口は、地面からかなり高い位置にある。修道院が襲撃を受けた際に梯子を上げて防御できるよう、入口を高い位置に設けたという説が一般的だ。しかし、地面に入口を設けた塔もあれば、入口の位置がきわめて高く、そこまで届く長さの梯子が塔内に収まりきらなかったと思われる塔もある。
・鐘の鋳造
初期キリスト教の鐘はカウベルに似た形で、やや重い鋳造の鐘も含めて、すべて手で鳴らしていた。アイルランドの慣習では、鐘を鳴らす人の社会的地位は次のように定められていた。すなわち「クログ・チャハの鐘を鳴らす人の地位は高く、ハンドベルを鳴らす人の地位は低い」とされていたのだ。 -
2015-2-5
-
誰が、どうやって作ったのか、気になる建築物。
それを、解明してくれる本です。
挿絵の版画が素敵です。 -
アイルランドに点在するラウンドタワー。その研究書ってその時点で珍しすぎる。