森と樹木の秘密の生活 だれも知らない神秘の世界 (アルケミスト双書)
- 創元社 (2021年10月18日発売)


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本 ・本 (66ページ) / ISBN・EAN: 9784422215358
作品紹介・あらすじ
樹木は光合成によって有機物と酸素を生み出すことで、
地球のすべての生命を支えている。
それと同時に、われわれ動物と祖先を同じくする仲間でもある。
樹木は化学物質をつかって
敵を「見たり聞いたりして」いるし、
仲間に敵の襲来を知らせもする。
重力を感じ、眠るし、痛みも感じる。
彼らはどのように食べ、呼吸し、成長し、
コミュニケーションをとっているのか。
世界的に知られた
フィンランドの樹木の専門家であるオラヴィ・フイカリが、
貴重な古い版画や絵を使って
樹木の秘密の生活を探る。
感想・レビュー・書評
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樹木を、いくらか擬人化して解説している。本書で写真は用いられていない。図版はみな、Gwen RaveratやVivien Martineau、Matt Tweedによる味わいのある木版画。
ヒトのDNAの約50%が樹木と共通しているらしい。たしか、バナナは70%を超えていたっけ。バナナは草。わたしたちは意外と草に近い。
(そのことをよく思い出すようにしている。ほとんどの小さな悩みがどうでもよくなるから)
いろいろとへえ!と思うことがあったが、
根っこに対する自分の思い込みが払拭されてなんだかすっきりした。根は地中にむかって下方に伸びていると思われがちなのではないか。が、リアル根っこは、じつは土の浅いところをむしろ水平方向に伸びていくのだという。
たしかにそうだよな。養分は地表に近いところにあるのだから。
群生する草どうしが「痛み」を伝達する根のネットワークシステムがあるということは別の本で読んだことがあるが、森もまたそのようなシステムを持っているようだ。より大規模な。植物ホルモンの「ジャスモン酸」を使うことで、例えばウサギが嫌がる臭いを発して防御する。
また季節によって樹木の成長が活発になったり休眠したりするのはなぜかという疑問もとけた。これは細胞に含まれる「フォトクロム分子」が一役買っているらしい。この分子がかなり繊細に光に反応することによって成長を調整している。「光屈性」の驚くべきメカニズムも知るつけ、やはり植物も生きているのだと実感。
樹木は音楽も奏でるのにも適している。例えばヴァイオリンの表面にはトウヒ、側面にはメープルが使われているが、
「木材の細胞構造は収縮や膨張をしないので、振動が強く響き、あらゆる音を増幅させる」らしい。また「奇跡的な耐久性」がある。ストラディバリウスのようにヴァイオリンが演奏され続けるほどに価値を増す理由がわかる。
(しかも近年では上質の木材がなかなか手に入らないため、ますます希少性が高まる)
副題には「だれも知らない神秘の世界」と書かれているけど、むしろきわめて科学的な内容の本だと思う。著者のオラヴィ・フイカリは、フィンランドはヘルシンキ大学の元森林学部長。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00629349
樹木は光合成によって有機物と酸素を生み出すことで、地球のすべての生命を支えている。
それと同時に、われわれ動物と祖先を同じくする仲間でもある。
樹木は化学物質をつかって敵を「見たり聞いたりして」いるし、仲間に敵の襲来を知らせもする。
重力を感じ、眠るし、痛みも感じる。
彼らはどのように食べ、呼吸し、成長し、コミュニケーションをとっているのか。
世界的に知られたフィンランドの樹木の専門家であるオラヴィ・フイカリが、貴重な古い版画や絵を使って樹木の秘密の生活を探る。
(出版社HPより) -
食物連鎖が森の中にもちゃんとある
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請求記号 477/H 98