数の謎はどこまで解けたか 自然数から無限のそのまた向こうまで (アルケミスト双書)

  • 創元社 (2022年6月16日発売)
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本 ・本 (66ページ) / ISBN・EAN: 9784422215402

作品紹介・あらすじ

目の前にあるものを数えることからはじまり、
ゼロ、負の整数、無理数の発見と、
人類は常に数の概念を拡張してきた。

数と数が作るパターンは、
数の概念を学ぶ者たちの心を魅了する。
そのパターンは、
数字の並びに現れた反復パターンのように
はっきり目に見えることもあれば、
パスカルの三角形のように
深遠な真実を隠していることもある。

なかには、素数のパターンのように
つかみどころがなく何千年もの間数学者が
頭をかきむしる原因になっているものもある。

この本は、黄金比、メルセンヌ素数、
フェルマーの小定理、多元数、巨大数など
数にかかわるさまざまな発見と
謎を駆け足で見ながら、
数学の深淵を旅する本である。

感想・レビュー・書評

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  • 数学の中でも、とくに数論を、視覚的に楽しめるように解説した本。表紙の縁を飾るのはフィボナッチ数列。表紙をめくると、17世紀の「階乗の表」があらわれる。
    すっかり「アルケミスト双書」にハマってる。

    本書を眺めていると、カバラやその他神秘主義なんかが数にこだわる理由がすごくわかる。パッと見、謎めいていて、でも意味ありげで、視覚的には美しい。

    。例えば「ピタゴラス数」をプロットした図ひとつにしても、どこか宇宙的でさえある。「無限連分数」も、最初に発見した人はさぞド肝を抜かれたことだろう。

    数論はむずかしいけどいろいろ勉強になった。
    ひとつはネイピア数eや円周率πが超越数といわれるゆえん。なんとなく他の数とは違うんだな、くらいに思ってたけど、要は「代数的数」ではないという意味なのだった(常識だったら恥ずかしい)。
    (代数的数というのは四則や累乗・開方で表せるすべての数のこと。)

    本書のおかげで『原論』に記載されている「ユークリッドの互除法」の原理が完璧にわかった。最大公約数を求める方法のひとつ。

    「大きい方の数から小さい方の数を任意の回数引くことができるが、引いた後に残る数もまた最大公約数で割り切れる。さらに続けて、残った数の大きい方から小さい方の倍数を引く操作を、それ以上できなくなるまで行う。この時に1つだけ残った数が最大公約数である」

    それとも関連して、「フェルマーの小定理」の項で、合同式(modを使う余りの計算)の便利さも実感。

    本書ではじめて知って驚いたのは「多元数」(超複素数)だ。複素数の虚軸に加えてもうひとつ虚軸を用意することで拡張された複素数。

    「複素数が2次元のマンデルブロ集合の土台であるのと同様に、こうした多元数は目を見張るような3次元フラクタルを描くために使うことができる」

    とさらり説明してあり、その下にめちゃくちゃ複雑なフラクタル図形が載ってる。でもここ、全然意味がわからない(笑)

    そう、フラクタルといえば、「補分数」(もとの分数と補分数をたすと1になる)。ダグラス・ホフスタッターが発見したという、分数の連分数にあらわれる全ての補分数をとった完全補分数のグラフ。これがなんと、フラクタル構造になっている!

  • 薄くて小さい本なので、本が苦手な方でもとっつきやすいと思います。しかし内容はかなり濃いです。

  • 図書館で見つけたので借りてみました。

    ほんと、数学はこういう面白い世界があるから楽しいです。

  • 数の謎がこれほどまでにコンパクトにまとめられるとは。

  • フェルマーの小定理がちょっと難しかった。

  • ふむ

  • 請求記号 412/L 65

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著者プロフィール

オリヴァー・リントン
長年にわたってコンピューターと教育におけるコンピューターの役割に興味をもって研究を行ってきた。多くの分野にわたる著作がある。
http://www.jolinton.co.uk/

「2022年 『数の謎はどこまで解けたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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