四国遍路の近現代:「モダン遍路」から「癒しの旅」まで

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422250410

作品紹介・あらすじ

ハイカラ姿の記者による巡礼競争、信仰のハイキング阿波霊場巡り、戦勝祈願のための四国遍路、バスツアーと癒しの旅…この100年で大きな変貌を遂げた四国遍路の種々相。

感想・レビュー・書評

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  •  世界遺産登録を目指し最近ブームとなっている感のある四国遍路の歴史的変遷を追った力作。大学院の博士論文を一般向けに改稿したもので、数あるガイドブックやムック的な観光的色彩の強い紹介書とも、逆に宗教側からの学術的考証とも違い、ツアーとしての遍路の変遷や遍路道の成立をたどったものという点で興味深い。なんとなく真念や茂兵衛のような歴史的人物の時代から脈々と受け継がれてきたように思いこんでいた遍路道や札所巡りという行為が意外と最近整備確立されたものであると知って驚く。ぼくが実際に歩き遍路をして出会った人のようすからは宗教色はほとんど感じられず、単なる旅の一形式というほどのものという気がする。ただそのチェックポイントが寺であり読経や礼拝というシステムが組み込まれているところが独自性なのだろう。本書にも繰り返しあらわれるように、どれが正しくどれが邪道ということではなく、大きな歴史の流れの中での変遷も含めての総体が四国遍路なのだと思う。

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著者プロフィール

三重大学人文学部准教授

「2021年 『文化地理学講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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