大阪万博の戦後史 EXPO’70から2025年万博へ

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  • 創元社 (2020年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784422250892

作品紹介・あらすじ

日本万国博覧会(EXPO'70)から50年の節目に、昭和・平成・令和をまたいでつむぐ万博を中核とした戦後史の物語。大空襲、占領下を経て、復興から高度経済成長へと向かっていく時代の空気と街の変貌、70年万博の熱狂を描き出す。大阪万博で注目を集めた主要パビリオンの見どころや、活躍した人物、万博後に継承されたレガシーや花博などの関連イベントにも触れ、さらには2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の構想案も公開。

感想・レビュー・書評

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  • 大大阪時代にどハマりした学生時代、よく橋爪先生の本にお世話になっていた。
    本の内容までは覚えていないが、東京の人口を凌ぐマンモス都市だった往時の大阪をストーリー性のある文章で解説。読んだうちの一冊には、当時流行したご当地歌謡曲のCDが付属で入っていたのを覚えている。

    本書は2018年に刊行された『1970年大阪万博の時代を歩く』を改題・加筆・修正したもので、刊行年は2020年2月。
    話題というより物議を醸している2025年の大阪・関西万博だが、55年前の方はどうして何事もなく成功できたのか。今回の万博は希望を持っても大丈夫なのか。
    うん十年ぶりに先生とタイムスリップして確かめてきた。

    巻頭には大阪万博の全貌がカラー写真で掲載されている。
    全パビリオンほか会場内の施設外観を載せてくれているのも嬉しい。全部なんて見たことがなかったし、今見てもワクワクする。パビリオンごとにはテーマが設けられており、巻末ではそれらも確認できる。
    当時小学4年生だった橋爪少年が全館コンプリートのため約18回通い詰めたのも頷ける。(ちなみに大阪市ご出身)

    第1・2章では、大阪各地での戦後の歩みを追う。
    終戦直後には空襲で家を焼き払われた住民のためにバスを転用した住宅を支給したり、1964年頃に社会問題となっていた交通マヒを解消すべく阪神高速を建設するなど、いかに大阪が復興・発展の途を歩んで来たかが綴られている。
    戦時中大阪市東住吉区に模擬原爆なるものが投下されていたなんて初耳だったし、「まず模擬原爆って何?」と他の内容がしばらく頭に入ってこなかった。(これはこれで別途調べよう…)
    今の通天閣は2代目で、東京タワー建設も手がけた人物に地元の商店主7名が再建を依頼していたんだとか。今や滑り台も設置された人気スポットだと聞いた日にゃ、彼らも泣いて喜ぶだろうな。

    第3章では、いよいよ万博にフォーカス。
    万博の開催が正式に決定したのは1966年5月。1940年には「日本万国博覧会」なるものが開催予定だったが、世界情勢の悪化からおじゃんになっていた。その時の前売り入場券は何と1970年の万博で適用できたらしい…!
    実は1970年以前にも府内では様々な博覧会(第五回内国勧業博覧会etc.)が開催されており、いずれも成功を収めていた。それらが万博成功への土壌を作り上げた一つなのだろうと先生は述べている。
    本章ではパビリオンの展示内容にも多くページが割かれていたが、それらが生き生きして見えたのは、先生が熱心な目撃者だった所以だろう。

    第4・終章は万博後の大阪になる。
    2025年の日本誘致が成功したのは、上記1970年万博以降も花博や愛・地球博を成功させてきた実績にあるという。先生も専門家として構想に携わっており、終章では会場設備について触れている。

    「1970年大阪万博が我々にもたらした最高の財産は『人』であった」と先生は語る。
    様々な才能を雄飛させる契機こそが万博。
    それらはきっと岡本太郎氏らのような輝かしい才能ばかりではないはず。1970年までの道のり同様、希望を持とうと願い奮闘する人々の分も絶対に含まれている。

  • 大阪万博の今昔物語。

    1945年の敗戦から、復興と経済成長を遂げ、世界の未来を占う技術進歩とその課題をテーマに1970年に万博が開催された。

    焼け野原、闇市だった都市が、一日に最大80万人、累計6400万人が訪れた華やかな万博会場。

    各国がアピールする場として、米ソの宇宙開発競争が見られる。また日本は技術力をアピール。そして若い芸術家・建築家等が躍進・成長の場となっている。

    横尾忠則の繊維館は、真っ赤な球状に足場を残すカタチに設計変更する。それを当時の繊維館の会長に直談判し、その才能と熱意を承認した谷口会長の快活さ。復興を強くアピールするパビリオンとなる。

    岡本太郎は、べらぼうなものをカタチにすると太陽の塔を建設。今も人々の記憶に深く刻まれ、20世紀少年、クレヨンしんちゃんの映画にも象徴的なモチーフとして登場する。

    人類の進歩と調和。
    技術革新と絶えぬ戦争がテーマとなっている。
    だからこそみんな参加出来るお祭りが必要というコンセプトが面白い。


    2025年、大阪万博は人類の健康・長寿への挑戦。
    世界有数の長寿国で新しい生き方を求められている。ボーダーレス、人生100年時代、豊かになっている世界、格差社会、それに抗議するビーガン。

    前回の大阪万博のシンボルゾーンの「お祭り広場」を今回は空っぽの空間として「空」を設ける。これは世界が豊かになっても、満たされない心を日本的な思想で心の安寧を願うような、面白い取り組みだと思う。

    いのち輝く未来社会のデザイン、をテーマに個々の生き方、それを支える社会のあり方が議論される。最新テクノロジー活用と幸福な生き方を問う。

    万博は一時的なイベントではなく、成果を後世に残すものでもある。

    2025年、さらにその先が楽しみになる万博になりそう。

  • 【History】大阪万博の戦後史: EXPO'70から2025年万博へ/橋爪 紳也 / 20250929 / <108/1198> / <221/183245>

    ◆きっかけ
    ボランティアで大阪・関西万博に行くので

    ◆感想
    ・大阪・関西万博への往路読了。時間があったので(作って)、まずは万博記念公園へ行ってみた。Expo70館、太陽の塔の内部にも入り、先日読了した水曜午前3時にやったような熱狂を感じることができた。当時は準備期間5年位で急ピッチにこれだけの会場を仕上げただけでもものすごいことだが、なおかつ当時は戦後わずか25年の時期。これだけのものを成し遂げたのは日本の底力を感じるし、全国民と言っていいほど一丸となって取り組めた成果だと思う(水曜・・・の話に戻るが、コスチュームも飾ってあって、直美の姿がリアルとイメージできたのもよかった)。
    ・その結果として、著書によると、万博開催に合わせて高速道路や地下鉄が整備され、伊丹空港が国際化され、万博が関西活性化の起爆剤になったよう。日本が戦後復興・経済成長を遂げ、アジア初の博覧開催となり、先進国入りも果たした意味合いもあるよう。
    ・話を戻すと、公園の芝生の真ん中に佇む太陽の塔はとても不思議。。。秋の夕日を浴びて、当時のにぎやかさからかけ離れ、郷愁すら感じ、何か引き込まれるものがある。総指揮をした岡本太郎はその前のモントリオール万博を見て、「説明的過ぎるし、一点集中で日本のトンデモナイをアピールしたい」と語っていて、それが見事に体現出来ているのを感じた。やはり実踏は良い、感じ方が全然違う。岡本太郎のことをもっと調べたい。
    ・そして、今の大阪関西万博へ。同じ日に両方訪れる人もそうはいないだろう、なんと贅沢な体験なのだろう。70年のに比べると、よく言えば多様性、悪く言えば、締まりのない、とらえどころなさを感じる。皆それぞれの好みで楽しんでいるという感じにも見える。時代が違うと言えばそれまでだが・・・いずれにせよ、本書を含めて、とても贅沢な体験となった。

    ◆引用
    ・太陽の塔は、万博のシンボルタワーではない。テーマ館の地下展示と大屋根の上に展示された。空中展示等連結するエスカレーターを覆う棟屋であった。しかしその造形が人気となり、博覧会を象徴するモニュメントとなる。
    ・岡本太郎 テーマ館プロデューサー とにかくべらぼうなものを形にするべく構想を練った。結果、地下展示と空中展示を連絡する。高さ70メートルの太陽の塔が創作される。
    ・大阪万博来場者数6400万人
    ・1日最高記録83.5万人平均35万人
    ・2025年万博誘致の経緯:パリがオリンピック開催招致に成功したこともあり、フランスは誘致を断念 結果、日本ロシアアゼルバイジャンが候補で決戦投票。
    ・従来の万博で採用されたような欧州やアフリカなど、地域ごとに展示スペースのゾーニングを図る計画を排除 あえて、巨大な忠心を持たない離散型のプラントとした。

    ◆今後
    岡本太郎を調べる

  • 東2法経図・6F開架:216.3A/H38o//K

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著者プロフィール

大阪府立大学研究推進機構特別教授・大阪府立大学観光産業戦略研究所長

「2020年 『まちライブ06』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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